昔の望遠鏡で見ています

昔の望遠鏡による天体観望と、その鏡景写真についてご紹介します

ティーガルに天頂ミラー

2020-11-27 | 天体望遠鏡



 屈折望遠鏡を使い、天頂付近の天体を見る際には、天頂プリズムは必須となりますが、その性能には対物レンズや接眼鏡ほど、気が使われていないのではと思います。一方近年、超高性能鏡筒やFの短い鏡筒用にアメリカンサイズの天頂ミラーが販売されるようになりました。ただし、光路長が長いのでピントが出ない場合があると言われています。
 天体を少しでも良く見たいとの気持ちから、最近天頂ミラーを入手しました。今回、ティーガル60に使用してみて、ピントが出るか試してみました。

 上の画像は、右が今回使用した天頂ミラー(光路長約90mm)で、左が同社の天頂プリズム(光路長約68mm)です。共にK社のもので、C/P比は良いと思います。外観は、天頂ミラーが一回り大きいようです。




 上記画像は共にB社のアメリカンサイズアダプターです。いつもは、右側のネジが太くがっちり固定できる方のアダプター(光路長20mm)を使用していますが、今回は光路長を稼ぐために左側の薄手のもの(光路長約8mm)を使用しました。




 ドイツサイズのK25(P社)を、T社の31.7-24.5変換するアダプター(光路長約18mm)を介して取り付けてみましたが、接眼筒を一番押し込んでも、遠くの鉄塔にピントは合いませんでした。




 そこで、次に用意したのは、左側の短い光路長の31.7-24.5変換アダプター(光路長約9mm)です。だいぶ前に入手したものですが、同様のものが現在でもSb東京店で購入できるようです。




 この組み合わせでは、ぎりぎりピントが出るようでした。(赤の矢印で示す銀色の接眼筒が少し見えます。)他のドイツサイズ接眼鏡では、HiOr4・Or25(共にT社)のピントが出ていました。




 一方、アメリカンサイズの接眼鏡は、追加のアダプターを使用する必要が無いため、比較的余裕を持ってピントが合うようです。画像はXW20(P社)の様子です。他のアメリカンサイズの接眼鏡では、A6(Z社),SLV12(V社),ABBe25(T社),DL9(TV社)はピントが出ましたが、WS10(U社)は出ませんでした。

 今回、天頂ミラーを使用してみて、各種アダプターの光路長の調整は必要でしたが、ほとんどの接眼鏡が利用可能であることが判りました。

※以上は、鉄塔を対象に近視用の眼鏡を用いた状態で、ピントを合わせた結果です。無限遠では、計算上1mm以下ですが押し込む形になります。また、眼鏡を取っても、少し接眼筒を押し込まなければならないようですので、各人の視力の状況によって、ピントの位置は異なってくるので注意が必要です。

(追記)実際の星を、K25(P社)で見てみました。上記のとおり、眼鏡使用ではピントが出ていました。下記画像の、⇩にわずかに銀色の接眼筒が見えます。ただし、眼鏡を外すと、押し込む必要があるため、ピントは出ませんでした。これらから、ドイツサイズの使用の可否は微妙と、表現を改めさせて頂きます。