シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0189■おいらたち14歳

2006-08-25 | 猫の海外暮らし
最近けっこうあったかい。あったかいとどうなるか?
子どもがいっぱい外に出てくるんだ。いつも外で遊びたい小さい子は大喜び。
暗くなるまで帰って来ないぜ。おかげでおいらたちは小さい子のベッドでぐっすりさ。
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「次はジャックの話でもするか」
って言ってたけど、きょうはしないことにした。ごめんよ。

アイツが、おいらたちが14歳になったって言うもんだから。
誕生日とかいうやつがまた来たんだ。魚を焼いてお祝いして・・・
ってことはなかった。
ニュージーランドに来てからけっこう魚喰ってるからな。いっつも誕生日さ。
(昼寝してるうちに14歳。んなこと言われたってなにも変わんないぜ→)

特にきょうは魚の中でも一番おいしい焼いたアジだった。もう焼いてるときからワクワクソワソワ。
キッチンを行ったり来たり。ところがどーだよ!焼いたのはアイツらが全部喰っちまったんだ!
「ごめ~ん、ピッピ。網が小さくて4匹しか焼けなかったわ。」
だって。なんだとー?

待ってみたけど、腹がいっぱいになったアイツらはみんなでラグビーなんか観始めて、おいらには焼いてくれそうもない。我慢できなくて、いつもだったらイスに上るのが精いっぱいなんだけど、「どっこらしょ」「どっこらしょ」を2回やってテーブルまで上ってみた。ずっと焼いたアジのにおいがしてるんだ。我慢できるわけないだろ?

ガ――――――――――ン!
残っているのは骨と頭ばっかり。かじってみたけど骨で口が痛い。頭は硬くて喰うとこなんかない。ガサガサやってるのに気づいて、ビックリしたアイツは喰えそうなとこを取ってくれた。
「こんなにちょっとか?」
って思ったけど、喰うっきゃない。カスでも4人分集まれば少しはましだ。
やっぱりチンとはぜんぜん違うよな~。

外から戻ってきたアニキも半分をペロリ。
こういうときは「お手々まんま」なんかしなくたって、カーペットの上じゃなくたって喰えんだな。
「もうちょっとほしいな~」
と思ってたら、キッチンからチーンっていう音が聞こえた。
ちぇ、やっぱりチンか。自分でも喰ってみろよ、チンしただけのアジを。おいらたちにばっか喰わせないでさ!

なんてことをしてるうちに、14歳になったんだと!
二本足だとこれが68歳になるんだと!どういうことなんだ?
だからなんなのか、おいらにゃわかんないし、そんなことをペラペラ言ってるアイツだってわかってるとは思えない。ただ14歳っていう名前のトシになったってことさ。
いっぱい生きたよな。トシとったわけだ。
でもね、いざとなりゃ、今だってテーブルに乗れんのさ。
頼むからアジは焼いてくれよな!

(つづく)