第3章「糖でもたらす毒を、空腹という薬でとり除く」の「❶白米やパン、加工食品が現代日本人の体にダメージを与えている」を要約します。
第1章では、一日3食や食べ過ぎがもたらす弊害、第2章は、それらをリセットし、健康で若々しい体を手に入れるための具体的な方法。この第3章では、糖質の取り過ぎによって起きる様々な病気(例;糖尿病)や体の不調の改善の方法が書かれています。
❶ 普通に食べても日本人は糖質過多
長年、数多くの糖尿病の治療を通して、現代の日本人の多くが「糖質過多」になっており、それが体に様々なダメージを与えていることを目の当たりにしてきた。
❷茶碗一杯のご飯に含まれている糖質はステックシュガー17本分
茶碗一杯の白米(約150g)に糖類は約50g。丼物やカレーライスの糖類は、その1.5~2倍。一杯のかけうどん(約250g)には約60g。私たちは日々、意外なほど糖質過多になっている。
❸ 糖質には中毒性や依存性がある
スーパーなどで売られている総菜や加工食品の成分表示を見ると、ブドウ糖や水飴などが含まれている。人の脳内には、様々な物質が分泌されている。中でも、ドーパミンは「脳内報酬系」、β・エンドルフィンは「脳内麻薬」と呼ばれており、欲求不満が満たされた(or 満たされることがわかった)時などに分泌され、人に快感を覚えさせるのだが、その快感が強過ぎるために、依存性や中毒性も高いと言われている。そして糖質は、これらの分泌液を増やすこともわかっている。甘いもの食べた時などに多幸感を覚えるのはそのためであり、一度糖質を摂ると、どんどん糖質が欲しくなってしまうのである。
❹糖質の摂り過ぎが心身のバランスを崩す原因
食後、血液中のぶどう糖が増えると、血糖値を下げるため膵臓からインシュリンが大量に分泌される。タンパク質や脂肪も体内で分解されるとブドウ糖を生み出すが、糖類から生まれるブドウ糖の量はけた違いに多い。このブドウ糖が血糖値を大きく上昇させるため、膵臓からより多くのインシュリンを分泌しなくてはならない。特に、精製された白米や小麦粉、砂糖などは、体内での吸収が早いため、血糖値も短時間で急上昇する。すると、肝臓は慌てて大量のインシュリンを分泌し、今度は血糖値が急激に低下する。このように、糖質の摂り過ぎは、血糖値の乱高下をもたらし、心身のバランスを不安定なものにする。