虚空漂浪日記

魂の開放を求めて、右往左往。嫌われものの”宗教”の根本を捜し求める日記です。

「放射線は危険でない!」は風評でないのか?

2011-04-15 13:07:00 | 社会
「風評」とはいったいどういうことだろうか?

辞典で調べてみた。「風評」:世間のうわさ。評判。(新修国語漢和辞典、広辞苑もほぼ同じ)

要するに、真偽のほどはわからないけれど、うわさや評判として人々の話題にのぼった価値判断ということになるでしょうか?

「風評被害」という言葉が流行っていますが、「風評」の内容が真実であるならば、「被害」そのものが否定されます。「被害」はないのですから、「被害だ!」というほうが逆に「風評被害」というこになります。

例えば、福島県産の特定の野菜が汚染されているにも関わらず、「汚染されていません。安全です!」と情報を流し、人々が信じてその野菜を食べたとしたら、それはまさしく「風評被害」なのではないでしょうか?

現在の状況からすると、北海道や九州の農産物が危険だと情報発信するのは、すぐその嘘を確認できますから、そうした風評被害は日本国内では生じませんね。ただ、諸外国からすると、日本という国の塊として認識されますから、風評被害は生じることになります。

正しい情報をきちんと丁寧に開示すれば、人々の信用は高まり、風評被害の発生は最低限に抑えられます。
今回の原発人災では、東京電力を中心として、政府、官僚、エセ学者、エセ医者などが、お抱え情報機関(新聞・テレビなど)を通じて、ニセ情報を流し、国民を混乱に陥れ、放射物質を密かに浴びさせ、放置してきたということが「風評被害」の根本的な原因であるといえます。
しかも、面倒なことに、原発人災は現在進行形であり、今後、どのような被害がでるか未知数だということです。
「風評被害」というねつ造を根拠に、政府はネットの情報を規制しょうとしているようですが、本末転倒も甚だしいといえます。

支配層が様々な都合の悪い情報を隠ぺいしようとした証拠は、前回のブログで少し紹介しました。あちこちでなされている一部なのでしょう。

ところで、昨日、近所の喫茶店で4月22日付けの週刊ポストを読みました。
面白いことに、私が道新の嘘としてブログに書いたことが、<真相レポート>「煽りメディア」の非科学、無知は放置できない―原発と放射能「過激な嘘」が暴走する と題して、嘘の上塗りをしています。
内容を読むと「煽りメディア」の非科学、無知は、週刊ポストの巻頭記事を書いた記者自身であり、メディア批判にかこつけた提灯記事だということが分かります。
次の「<言行録>原発危機を訴える人々のバックグランドを公開する」は、原発の危険性を訴える科学者を専門外の科学者が勝手なことを語っているという論調で、原発賛成・継続派に対する提灯記事になっています。
週刊ポストも早速、買収されたということでしょうか? 所詮、同じ穴に住む貉(むじな)ですから、すぐ馬脚を現すということなのです。

仕方がありませんから、「重大疑惑② 日本人はこれから、がんや遺伝子異常に苦しむのか」の記事内容で、私が解説した調査報告について、もう一度具体的にお話しましょう。

週刊ポストは、この部分の記事で、わたしが前に取り上げた高い自然放射線地域(ブラジル・インド・イラン・中国)の報告書を読みもしないで、

『そうした場所に住む人たちを対象とした大規模な疫学調査で、「がん発生率」や「遺伝子異常発生率」「乳児死亡率」「身体・体重の低減」など一切見つからなかった。これらの結果から、この程度の被曝では人間の健康や遺伝に影響はないものと推定されているのである。』

と書いています。

既に説明した通り、この疫学調査なるのもは、ある結論に向けて意図的に操作され、結論づけた似非調査報告書であり、信頼できるものではないのです。
政府の報告書もこの調査結果を利用しているから、相当、偽情報が浸透しているといってよいでしょう。

この報告書をみるかぎり、がんの発生率については(中国の)図表がはっきりしないので評価しずらいですが、そもそもの調査対象を相当捻じ曲げています。また、イランでは「対照地域との比較では、高自然放射線地域で(がん)死亡率が少し高いでした。」と書かれているのです。
しかも、中国の例、ブラジルの例をみても、意図的に対象のすり替えを行っていますし、「遺伝子異常発生率」は高いと結論しています。

ちゃんと報告書を読むと「一切見つからなかった。」などと書けないのですが、提灯記事だから仕方ないでしょうね。

遺伝子異常については、二動原体の解析と転座の解析がなされていますが、二動原体については放射線の影響をはっきりと認め、転座では「対照地域と差異」が認められないとしています。
転座でこのような偽報告をするのは、多分、転座が遺伝子異常におけるがんの発生と密接に結びついているため、誤魔化そうとしたことは明らかです。

具体的に示しましょう。

「4.高自然放射線地域住民の染色体について 4.2 転座の解析結果」に「年齢を横軸に、転座の頻度縦軸にとってみる」という図12があります。
この調査は大人28人(?)くらいのモニター調査なのですが、図から判断できる印のみを分析してみると次のようになります。

転座発生個数
 0~5    高地域  1  対照地域  3
 5~10     〃  10   〃    9
 10~15     〃   6   〃   10
 15以上     〃   6   〃    2  ※重複した印は判読できませんので、合計は一致しません。

前のブログで書きましたが、明らかに発生個数の少ないランクと高いランクで対照地域との差が読み取れます。
にも関わらず、報告書では「両地域には差が無いということがさらにはっきりと解ります(図12)。」と結論づけているのです。
この報告書を書いた人は”メクラ”であるか、図が読めない素人であるか、お金に眼が眩(くら)んだ亡者であるかの何(いず)れか一つですね。

しかも、高地域で「2個体が飛びぬけて高い値を示していますが、1個体は医療被爆者であることが判りました。他の1個体は放射線高感受性の人である可能性が考えられます。」として、高い数値を何とか誤魔化そうとしているのがありありです。

このように、週刊ポストで利用している情報が、そもそも偽情報であり、検証もしないでーまぁ、検証なんてできない人たちですがw-利用したうえ垂れ流すのは犯罪を助長する行為であるといってよいでしょう。

報告書:「世界の高自然放射線地域の健康調査より -4. 高自然放射線地域住民の染色体について」を参照して下さい。

もう一つ。

当該記事には、『放射線被曝とがん発生率の関係は、医学界でも諸説がある。だから「煽り報道」では、「少しの放射線でも危険」という主張が並ぶが、これは医学の定説ではない。こうした説では、前述のような高放射線地域のがん発生率や、一般人より年間2~5ミリシーベルト多く被曝するパイロットのがん発生率が高くないという調査(Euの疫学調査プロッジェクト・ESCAPE)を説明できないからだ。』

と書いています。

ここでの「煽り報道」というのは、一般のTVや大新聞の報道ではなく、一見、そうしたところで報道されているような偽装をしていますが、ネットで行われている反原発関係の報道を指していることは明らかでしょう。

医学界では諸説があると書いてありますが、放射線の被ばくでは閾値(しきいち)がないという仮説が主流であり、閾値があるという仮説は少数派であり定説ではないのです。

そんなことも知らないこのアホーな記者は、パイロットなどのがん発生率が高いという報告書は山ほどあるにもかかわらず、都合の良い調査だけをだして読者や国民を騙そうとしているのです。
興味がある方は「パイロットのがん発生率調査」で検索してください。載せるのもアホらしいくらいあります。

もう一度言います。

この未曽有の大人災の中にあって、原発の安全性を語る提灯記事を書くことは、被害者に対する”犯罪”行為であり、人命に対する冒涜であると言えます。

「過激な嘘」という言葉は、そのまま記者にお返ししますし、これを特集した小学館「週刊ポスト」は被害者に謝罪し、当該号を回収・廃刊とすべきでしょう。

本当にどうにもならないメディアの世界です!

ほんと、腹が立つ!

では、またお会いしましょう。  
 


 
 



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1 コメント

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煽るんじゃないよ (agora)
2011-04-19 22:48:09
まあ、煽るメディアは講談社(光文社)、毎日新聞、朝日新聞系列で、業績低迷で苦しんでいる企業ばかりだ。

煽って売りたい、風評被害は東電、政府が負担するから責任とらなくてすむし、ってね。
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