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花宵道中

2018-01-27 15:07:00 | 
「校閲ガール」がたいへん面白かったので、著者・宮木あや子のデビュー作「花宵道中」(新潮文庫)も読んでみました。
この作品は、2006年に第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞と読者賞を同時受賞したそうです。
私は知らなかったのですが、すでに安達祐実主演で映画化されていたんですね。

舞台は、江戸時代。
江戸は吉原。
山田屋という小見世の遊女らとその関係者が主人公となる6つの短編からなります(単行本では5編)。
6つの短編は、それぞれ登場人物が重なり合います。
小説家が創造したキャラクターはいずれも個性的です。
それぞれに愛情をたっぷり込めて描いています。
(「校閲ガール ア・ラ・モード」と同じような構成ですね。)

R-18文学ということで、官能小説といえます。
当然、エッチなシーンがたくさん描かれてはいます。
しかし、私が読んだことのあるオジサン向けのものとは全然違います。
男性読者は、この本で欲情しないのではないでしょうか。
女性読者は知りませんが。

美しく、哀しく、凄惨な物語ばかりです。

著者は、よほど江戸時代の遊郭について研究したのだと思いました。
ところが、インタビュー記事によると、インターネットで調べたんだそうです。
すごい!
新潮社校閲部の担当者はさぞ苦労したことでしょう。

吉原というと日本最大級の遊郭で、非常に多くの見世が軒を並べていました。
それらは、ピンからキリまで、というか厳密なヒエラルキーがあり、価格帯に大きな幅があったそうです。
どれでも自由に選んで入れそうですが、そうでもありません。
この見世のこの遊女と決めたら、浮気は許されず、ほかの見世には上がりにくかったようです。
意外に不便なものだったんですね。






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