対ロ姿勢に温度差＝利害異なる米欧－ノルマンディー式典

対ロ姿勢に温度差＝利害異なる米欧－ノルマンディー式典

 

　【カーン時事】欧州各国はウクライナの緊張緩和に向け、６日の「ノルマンディー上陸作戦」７０年 式典を機に、ロシアのプーチン大統領との対話を通じて打開策を探る戦略に転じ始めた。しかし、オバマ米大統領とプーチン氏の会談は予定されず、米欧の温度 差が目立ちつつある。ロシアをめぐる各国の利害が交錯する中、米欧の意思統一には依然課題が残っている。
　ロシアによる３月のウクライナ南部クリ ミア半島の編入以降、プーチン大統領と先進７カ国（Ｇ７）首脳の会談は途絶えて久しかったが、式典に先立つ５日、プーチン氏はパリで英国のキャメロン首 相、フランスのオランド大統領と相次ぎ会談。６日はドイツのメルケル首相とも会う予定で、オバマ氏が取り残される構図となっている。
　ロシアに対 して特段の「弱点」を持たない米国と違い、欧州各国は強気一辺倒になれない固有の事情を抱える。英国はロシアマネーがロンドンの金融街から逃げ出す事態を 警戒し、フランスでは約１０００人の雇用が左右されるミストラル級強襲揚陸艦２隻の対ロ輸出計画が進む。脱原発にかじを切ったドイツにはロシアの天然ガス 輸入が不可欠だ。（2014/06/06-14:23）