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コラム:新興国危機は誰のせいか

2014年02月05日 | 国際

 

コラム:新興国危機は誰のせいか

2014年 02月 4日 11:41 JST

[1日 ロイター] - Felix Salmon

アルゼンチンやトルコなど新興国の金融市場で最近起きている混乱について、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏とトルコ出身の経済学者ダニ・ロドリック氏が、論説で意見を戦わせている。

両氏は過去何十年もの間、新興国市場の動向を見守ってきた世界的な経済学者だ。さらに言えば、2人とも左派リベラル系の世界観の持ち主 であり、イデオロギー的もしくは哲学的な意見の相違はないはずだ。だが、今回の新興国市場の混乱については真っ向から対立しているように見える。

クルーグマン氏は、「トルコが問題なのではない。南アフリカやロシア、ハンガリー、インドのほか、現在危機に見舞われているその他の新興国も問題ではない。本当の問題は、米国やユーロ圏諸国など先進国の側にあり、こうした国々が自国の根本的な弱点に対処できていないことだ」と主張する。

一方、ロドリック氏の主張はこうだ。「新興国市場は不運でも不当な犠牲者でもない。ほとんどの場合は単に自分たちがまいた種の報いを受 けている」。実際、新興国市場の混乱は国内問題に端を発しており、他国のせいではない。新興国が訴える不満は、大部分が自国の問題にもかかわらず他国を責 める典型例にも見える。

しかし一歩離れてみると、クルーグマン氏とロドリック氏にある程度の共通した意見も見えてくる。現在急落に見舞われている新興国市場 は、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和(QE)政策によって生まれた膨大なキャッシュが流入したことで高騰していたという部分だ。相場の調整は不可避 であり、また資金がどこから流入していたかは一目瞭然だ。

とは言うものの、両氏とも、新興国市場でのバブル発生でそもそもFRBを責めている訳ではない。FRBには米国経済のためにすべき仕事 があり、それを実行したまでのことだ。QEはその一環に過ぎず、FRBが金融政策を決定する上で、地球の反対側で起こり得る予期せぬ結果を過度に心配する ことはできない。

クルーグマン氏もロドリック氏も、今回の新興国市場における危機が、米緩和縮小に対する「癇癪(かんしゃく)」によるものだということ に異論はないようだ。QEが縮小され、終わりに向かいつつある現在、緩和マネーの流入に依存してきた新興国経済が苦境に追い込まれているのだ。

しかし、ここから2人の意見が分かれる。もし筆者の解釈が正しければ、クルーグマン氏の考えはこうだ。米国の経済政策がうまく機能して さえいれば、経済は今より活力にあふれ、緩和縮小を補う以上の巨額マネーを新興国にもたらしただろうと。米国民の雇用が安定し、米企業が急成長すれば、彼 らは投資先として自然と海外に目を向けるようになり、新興国市場へのマネー流入は健全であり続け、故に危機は回避できたというものだ。

しかし実際には、米国の雇用は伸び悩み、米企業も過剰なほどの慎重姿勢を崩していない。そして市場は、QEの終わりは新興国への資本流入が事実上終わりを意味すると判断した。その結果が「急停止(サドンストップ)」だ。すべての急停止には耐えがたい痛みを伴う。

一方、ロドリック氏は、現在の危機は新興国自身の過ちの結果だと指摘。そもそも移り気で不安定な流入マネーに安易に頼り過ぎてきたせい だと主張する。さらに悪いことは、新興国経済は困難に陥るたびに、国際資本の流入をさらに受け入れやすい傾向になることだとしている。FRBの政策にかか わらず、これは悲劇的な運命をたどるシナリオだ。

2人の主張は完全に矛盾するわけではないが、突き詰めていくと、ロドリック氏の考えの方が重要かつ正しいように思われる。確かに、米国 経済が好循環していれば、新興国市場への資金流入はもう少し長く続いたかもしれない。しかし、クルーグマン氏自身が示しているように、新興国市場への資本 流入の急停止は、米経済環境がいかなる状態であれ、そしていかなる理由であれ起こり得る。

以下はロドリック氏の引用である。インドでは過去5年にわたり、自国通貨ルピーが売り圧力に直面するたびに、国際資本流入に対する規制緩和が行われ、自国経済のルピー安へのぜい弱性が増すということが繰り返されてきた。一方、中国は対照的だ。中国は海外資本を規制したことで、FRBの気まぐれな行動や移り気な海外資本の影響を抑えることができた。

ロドリック氏が誰よりも分かっているように、トルコは政治的・経済的に本当の問題を抱えている。リラ急落の理由はFRBに見いだす必要 はない。小規模な開放経済が、自分たちのコントロールが及ばない外部の力の犠牲になることはある。だが、今回の混乱は違う。彼らはFRBによる緩和マネー の流入を許したとき、自分たちが何をしているか認識していたはずだ。いつの日か、緩和マネーは逆流し始める。その日がやって来たというだけのことだ。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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