1月23日投稿の成年後見制度の任意後見契約について、もう少し知りたいという方がおりましたのでお答えします。
Q1 任意後見契約はどんな契約か?
人は年をとるにつれ、次第に物事を判断する能力が衰えていくことは避けられません。
時によると、老人性痴呆症といわれるような状態となり、自分の所有する不動産管理や預貯金の出し入れ等の自分の日常生活にかかわる重要な物事について、適切な処理をすることができなくなる場合があります。
事故や病気などが原因となって同じような状態になることもあります。
そんなときのために、財産管理や医療契約、施設への入所などの身上に関する事柄を自分に代わってやってくれる人をあらかじめ選んでおくと安心です。
このように自分の判断能力が低下した時に、自分に代わって財産管理などの仕事をしてくれる人を任意後見人と言います。
一定の仕事を代わってしてもらうことを依頼する契約が任意後見契約です。
Q2 この契約はどのように結ぶのか?
任意後見契約を結ぶときは、必ず公正証書でしなければなりません。
Q3 契約の内容は契約を結ぶ者が自由に決められるのか?
これは契約ですから、本人と任意後見人となることを引き受けてくれる人との話し合いにより、自由に決めることが出来ます。
Q4 任意後見人は身内の者でもなることができるのか?
信頼できる人であれば本人の子、兄弟姉妹、甥姪等の親族や親しい友人でもかまいません。
また、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士等の専門家や社会福祉法人、信託銀行等の法人を任意後見人とすることもできます。
Q5 任意後見人はいつから仕事をするのか?
この契約は本人の判断能力が低下した時に備えて結ばれるものですから、任意後見人が本人に代わって事務処理をするのは、本人が自分の財産管理等を十分に行うことができなくなってからです。
家庭裁判所が任意後見人を監督する立場の任意後見監督人を選任したときからこの契約の効力が発生し、契約で定められた事務処理を始めることになります。
Q6 委任した事務処理にかかる費用の支払いは?
財産管理や療養看護の事務処理にかかる費用は、任意後見人が管理する本人の財産から支出されることになります。
契約で任意後見人に報酬を支払うことを決めたときは、その報酬もこの財産から支出されます。
有難うございました