近代建築とはヨーロッパ、アメリカにおいて宮殿、教会だけが建築であった時代から、18世紀後半の産業革命以後生まれた建築、駅、工場、、百貨店、学校など合理的、機能的な新しい建築を指す。
日本の近代建築史は、幕末の開国で外国から一気に人と情報が流れ込んできたなかで、西洋近代建築も伝えられた。
小春日和のなか東京駅近辺の近代建築を訪れてみた。
JR東京駅(1914年、辰野葛西建築事務所/大林組)
明治建築界の大御所と言われた辰野金吾の設計で空襲で屋根と内部を焼失、3階を2階に造り替えて使用されて来たが、老朽化に伴い工事中。
周辺の工事仮囲いに駅の歴史が細かに描かれている。
2011年復元完了予定。
東京中央郵便局(1931年、吉田鉄郎/錢高組+大倉土木)。
日本建築の簡素な美しさを持つ機能的なオフィスビル。当時の建築家から高い評価を受けた。
時計も止まり、外壁タイルの落下の危険性もあり全体に老朽化が目立ち、キャパシティの問題などで、建て替えが噂される所以である。
明治屋ビル(1933年、曾禰中條建築事務所/竹中工務店)
外国産大理石やエレベーターを使用したルネサンス様式の建物。
高島屋日本橋店(1933年、高橋貞太郎+前田健三郎/大林組)
いたるところに和風の意匠が見られる。その後、村野藤吾が改修設計を行う。
東京復活大聖堂(ニコライ堂 1891年 M.A.シチュルポフ+J.コンドル)
関東大震災で焼損後、1927年から7年の歳月をかけ岡田信一郎らにより改修。
ニコライは日本の伝道に半生を捧げたロシア人宣教師ニコライ神父のこと。
宮川食鳥鶏卵(1930年 築地一丁目)
築地に残る魅力的な銅板葺3階の建物。
築地の民家(1935年 築地七丁目)
この界隈は銅板葺の建築が多くあったが残念ながら最近めっきり減ってしまった。