冬の足音が、耳を澄ますとそこまで聞こえてきている晩秋の一日。
小春日和の中、はらはらと散る銀杏の葉の姿に小鳥が重なる。
ドイツの晩秋がが思い出される!
聖徳記念絵画館。
設計 小林正紹(一般公募)の原図を基に明治神宮造営局が実施設計。
竣工 大正15年10月22日。
鉄筋コンクリート造 外壁は岡山県万成産の花崗石。
東西112m、南北34m、高さ32.1m。
1943年10月21日神宮外苑(絵画館前から現在の国立競技場)で太平洋戦争の戦況悪化を打開するため、学徒出陣壮行会が降りしきる雨の中執り行われた。
戦地に赴く学徒2.5万人(その内3千人以上戦死)、スタンドで見送る女子学生5万人。
失われた一人ひとりが大いなる可能性を持っていたことだろう。
この犠牲は日本にとってあまりにも大きかった。
戦後の驚異的な繁栄と自由はこの様な人々の犠牲によって築かれているのだろう。
萌黄色から金色へのグラデーションを楽しませてくれた偉大な広葉樹は、葉を一枚一枚地に返し、厳しい冬を耐えて行く。
自然は凄い!