シープドッグのトレーニングで「Lie down」というのがあります。
犬が羊を見ながら「フセ」の姿勢をとることです。
端午は「Lie down」と言われると直ちに伏せることができます。
ボーダーコーリーは動く羊を追いたいという本能があります。
なので動く羊を眼の前にして「フセ」をすることは難しい。
どうしたら(端午のように)「Lie down」ができるようになるの?
と聞かれることが多いです。
このコマンドを羊を眼の前にして教えることはとても難しいです。
以前にも書きましたが、これを羊がいない環境で教えます。
例えばボールが好きならボールを目の前にして伏せたら
ボールを咥えても良いというルールを作ります。
この時ボールが好きであれば飛びかかろうとすると思います。
飛びかかる姿勢の前に伏せさせて、そのフセができたらすぐにご褒美として
ボールを咥えさせます。
ボールは勝手に咥えられないように手で抑えておく方がいいです。
最初はコマンドは言わずにフセの姿勢を体に染み込ませます。
成功率が上がってきたら「Lie down」のコマンドをつけます。
決して無理に伏せさせたりしない。
犬がたまたまその姿勢をとったらご褒美(ボール)がもらえたという感じ。
伏せてる時間はできるようになったら伸ばしていきます。
羊を介して練習するときは、必ず人→羊→犬という
直線上(上の写真のように)で「Lie down」をかける。
犬が伏せやすい位置というのがあります。
これを知らないとやたらめったら「Lie down」と
叫んだり怒鳴ったりすることになります。
犬のトレーニングは犬がその姿勢をとりやすいポイントが必ずあります。
「スワレ」を教える時に人は自然と犬の頭の上に手をかざし、
後ろへ動かすと思います。
手を下に動かす人はいないと思います。
「フセ」の場合は、オヤツやオモチャを持った手を目の前から
犬の下方向へ降ろすと「フセ」の姿勢がとりやすくなります。
人が羊を挟んで対面することで、パワーバランスが生まれ、
押したり(プレッシャーをかけたり)
引いたりができるので「Lie down」をさせやすくなります。
何事もコツがあるということです。