Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

生きるぼくら

2019-11-28 20:16:00 | 読書
(内容)
いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていたー。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。


久しぶりの原田マハ作品にやられてしまった。

読んでいる途中で何度もうるうるして涙腺がヤバかった。

電車の車内やったから我慢出来たが、家やったら多分あかんかった。

それぐらい良かったし、感動した。

主人公の人生含めた全ての人間がいい人であり、「カッコいい大人」。

そんな「カッコいい大人」になっていく人生とつぼみ。

お米の大切さもわかったし、多くのことを学べた作品だった。

子供に是非読ませたいと思う作品だった。

年末前に今年一番の本に出会えたかも?

映像化も出来そうな作品だが、見てみたいような見たくないような複雑な感じ。




★★★★★


MIST

2019-11-25 19:19:19 | 読書
(内容)
標高五百メートル、のどかで風光明媚な高原の町・紫野で、一人の経営者が遺体となって発見された。自殺か、他殺か。難航する捜査を嘲笑うように、第二、第三の事件が続けざまに起きる。その遺体はみな、鋭く喉を掻き切られ、殺人犯の存在を雄弁に物語っていた。“霧”のようにつかめぬ犯人に、紫野でただ一人の警察官・上松五郎が挑む。東京の事件との奇妙な符合に気づく五郎。そして見えてきた驚くべき真相とはー。


初期の池井戸潤作品はミステリーが多い。

その中でも本格的なミステリー小説の一つである。

池井戸作品にしては珍しく舞台は田舎町。

登場人物が多く、読者を混乱させようとする思惑がややみえみえな気がする。

後半のどんでん返し的展開もなんとなくわかってしまったので驚きもなかった。

そして、事件の動機や顛末がいまいちわからない。

そういうのをモヤモヤさせるためのタイトルなのか?と勘ぐりしてしまう。

読みやすさは良かったが全体的にインパクト不足。

池井戸作品は今の痛快な勧善懲悪なストーリーの方が絶対にいいと思う。



★★★☆☆

いけない

2019-11-25 19:12:33 | 読書
(内容)
騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される。
『向日葵の咲かない夏』の原点に回帰しつつ、驚愕度・完成度を大幅更新する衝撃のミステリー!
第1章「弓投げの崖を見てはいけない」
自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。
第2章その話を聞かせてはいけない」
友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か?
第3章「絵の謎に気づいてはいけない」
宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。
どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが……!
ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。
さらに終章「街の平和を信じてはいけない」を読み終えると、これまでの物語すべてがが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが待ち受ける。
「ここ分かった!?」と読み終えたら感想戦したくなること必至の、体験型ミステリー小説。


読者体験型ミステリー小説として話題になってたらしいが、全く知らずに追いかけている道尾秀介作品として読み始めた。

昔から謎解きゲームが好きだったので、途中から謎を解き明かそうと必死になって読んだが全く解き明かすことが出来なかった。

4編からなる短編集だが、全てが繋がっている。

中でも秀逸なのが第1章「の弓投げの崖を見てはいけない」。

騙された感が半端ないし、まだその先があったことにも驚きがあった。

全体的に面白く読めたし、じわりと後から興奮が蘇って来る作品。

こういう趣向を凝らした作品も好きだなあ。



★★★★☆

月魚

2019-11-20 19:42:55 | 読書
(内容)
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきたー。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。


白い軽トラ3部作の2作目。

勝手な私の勘違いだが、3部作じゃなくシリーズものと思っていたので、導入部分からいきなり違和感で始まった。

その分入り込みにくかった。

古書店のことは小路幸也作品の「東京バンドワゴン」を読んでいたので少し知識はあった。

本の買い付けの旅のくだりはなかなか良かったと思うが、全般的に明るさがなくて重く感じてしまい、サクサク読めたという感じではなかった。

悪くはない作品だとは思うが個人的にはインパクトが足りなかった気がする。

「水に沈んだ私の村」の青春像は好きな感じなので、こっちはもっと色々読んでみたいと思った。



★★★☆☆

犬はどこだ

2019-11-19 20:41:17 | 読書
(内容)
開業にあたり調査事務所“紺屋S&R”が想定した業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。-それなのに舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして…いったいこの事件の全体像とは?犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵、最初の事件。新世代ミステリの旗手が新境地に挑み喝采を浴びた私立探偵小説の傑作。


引きこもりが一念発起して探偵事務所を開いたところから始まる。

なかなか掴みも良くスムーズに小説に入り込むことが出来た。

ハンペーという相方の探偵への憧れも面白おかしく描かれて人物像に好感が持てた。

緩い感じから後半は急にミステリーになり、どんでん返し的な展開も待っていた。

全般的にはいい流れだったのだが、エピローグがかなり残念な感じで終わっている。

それまでが良かっただけに…

その後、このコンビの小説は出ていないのかな?

コンビの掛け合いはよかったので、刊行されたらまた読んでみたいと思う。



★★★☆☆

海の底

2019-11-15 21:31:42 | 読書
(内容)
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていくージャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。


自衛隊3部作のラスト。

3部作の中ではコレが一番良かった。

前半は人物があんまり入って来なかったりして、少し読み辛さを感じてしまったが、中盤以降は先が気になりどんどん読み進めることが出来た。

結末はある程度想定通りだったが、どうやって戦いにピリオドを打つのか?などは気になった。

閉じ込められた少年少女たちもそれぞれのキャラが際立っていてよかったと思う。

悪役を担った圭介もなんとなく憎めない。

夏木と冬原の関係性もいい設定でなかなか面白かった。

小説にとって人物像の重要さを改めて感じた気がする。

またいつか再読してみたいと思う。



★★★★☆

悪意

2019-11-12 20:25:44 | 読書
(内容)
人はなぜ人を殺すのか。
東野文学の最高峰。
人気作家が仕事場で殺された。第一発見者は、その妻と昔からの友人だった。
逮捕された犯人が決して語らない「動機」とはなんなのか。
超一級のホワイダニット。
加賀恭一郎シリーズ


月一東野圭吾。

加賀恭一郎シリーズは順番を気にせず読んでいるが、どちらかといえば新しい作品から古い作品へ戻っていってる感じである。

犯人があっさりとわかり、この先にどういう展開が待ってるのだろう?と疑問に思ったが、ホワイダニットだったということで腑に落ちた。

手法だけでなく散りばめられた伏線も回収されており、さすが東野圭吾と思わされた。

読みやすさもいつもの通りですんなりと入り込むことが出来る。

加賀恭一郎シリーズの3作目ということで、まだ人物像はあんまり目立ってないが、観察眼や推理の鋭さは際立っている。

来月は何を読んでみようかな?



★★★★☆

もしものプロ野球論

2019-11-11 10:28:36 | 読書
(内容)
・もしも江川卓が高卒で阪急に入団していたら……
・もしもイチローが自分が指揮を執るチームにいたら……
・もしも南海の本拠地が大阪球場ではなかったら……
・もしも野村克也がいなかったら……

84歳、まだまだボヤキ足りないノムさんが、
ついにスポーツにおいて禁断の「たられば」に踏み込んだ!

最新の話題から昔懐かしい昭和のプロ野球まで、
約200ページにわたって縦横無尽に語りつくす一冊です。

2019年も佳境に入ってきたプロ野球観戦の
お供におすすめ!


かなり衰えて来たがまだまだ元気なノムさんの本。

もしも…〇〇が〇〇だったら?みたいな架空の設定を楽しむ内容だが、なんとなく当たり前過ぎて面白くなかった。

強いて言えば稲葉獲得の逸話くらいか?

野球が大好きで趣味といえるくらいだが、やはり架空の設定で楽しむことは出来ないし、リアルの中に感動があると思う。

野球シーズンもまもなく終わりオフに入る。

来年も数多くの感動を野球から得たいと思う。

なんか本書の感想と全く違うことになってしまった…



★★☆☆☆

Blue

2019-11-11 08:04:59 | 読書
(内容)
その怒り、その悲しみ、その絶望。なぜ殺人鬼が生まれたのか。児童虐待、子供の貧困、外国人労働者。格差社会の闇に迫る、クライムノベルの決定版!新大藪賞作家が、平成に埋もれた真実をあぶりだす!


前から気になっていた作家だったが、この作品が初読み。

作品の評価も高かったし、あらすじも面白そうだってので図書館で借りて来た。

平成にあった出来事を振り返りながら一人の無戸籍のブルーという男を描く作品。

ブルーのイメージや心情はほとんど描かれていないが、それが逆に色々想像を掻き立てられてなかなか面白い。

格差社会のことも描かれており、切なくなる部分も多く重く暗い内容だが、かなり興味をそそられてどんどん読み進めることが出来る。

このような社会派ミステリーを好きだと思う感覚はどうかとは思うが、かなり面白かった。

他の作品も是非読んでみたいと思う。



★★★★★

マドンナ

2019-11-07 21:00:58 | 読書
(内容)
人事異動で新しい部下がやってきた。入社4年目の彼女は、素直で有能、その上、まずいことに好みのタイプ。苦しい片思いが始まってしまった(表題作)ほか40代・課長達の毎日をユーモアとペーソス溢れる筆致で描く短編5編を収録。上司の事、お父さんの事、夫の事を知りたいあなたにもぴったりの1冊。


読書メーターに登録してから知った奥田英朗作品もこれで15冊目になる。

大きくハズした作品もなく、なかなか気に入った作品が多く気に入っている作家の一人である。

そんな奥田英朗作品の代表作である「平成の家族シリーズ」の原点のような短編集である。

テーマはサラリーマンなので、自分自身に置き換えて楽しく読むことが出来た。

特に「総務は女房」は身につまされるような内容だった。

読了後のホッとした感じも大好きで、またいつか再読してみたいと思う。

個人的にこういうほっこりする作品は大好きである。



★★★★☆