Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

瑕疵借り

2019-05-30 06:36:15 | 読書
(内容)
訳あり物件に住み込む藤崎は不動産業者やオーナーたちの最後の頼みの綱。原発関連死、賃借人失踪、謎の自殺、家族の不審死…どうすれば瑕疵を洗い流せるのか。男は類い稀なる嗅覚で賃借人の人生をあぶり出し、瑕疵の原因を突き止める。誰にでも明日起こりうるドラマに思わず涙する“賃貸ミステリ”短編集。


初読みの作家。

瑕疵物件に引っ越したところ奇妙な出来事が相次いで起こり…って感じのホラー小説だと完全に思い込んでいいた。

ところが、全く違っていて、瑕疵物件に住むことを生業にする男とそれに関わる人達の話だった。

ミステリーだが、怖さは感じなくむしろ温かく優しい気持ちになれる作品。

コレはシリーズ化出来るような気もするし、映像化も出来そう。

連続ドラマで見てみたい。

あえて注文をつけるとしたら主人公の藤崎のキャラがもっと謎めいてる方がいいかな?

読みやすかったし、面白かった。



★★★★☆

魔眼の匣の殺人

2019-05-27 19:40:31 | 読書
(内容)
その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。


様々な賞を受賞したデビュー作「屍人荘の殺人」はなかなか衝撃的な内容だったのに対し、本作はその続編となるが、正統派のクローズドサークルだった。

人里離れた村に隔離される設定、比留子がみんなを集めて真実を暴くという展開、その全てが読みやすくわかりやすかった。

実は伏線を早々と発見してしまって犯人は何となくわかってしまった。

おそらくそういう人はも多いと思う。

しかしながら心理面をついたトリックはなかなか面白く関心させられる。

最後には続編を期待させられる一節もある。

前作もなかなかいい評価をしたが、本作はそれ以上だった。

次作も楽しみである。



★★★★★

豆の上で眠る

2019-05-23 07:05:57 | 読書
(内容)
小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。-お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。


湊かなえ作品をブックオフのセールで買い漁ったので、少しずつ読んでいる最中である。

姉妹についての話で、姉が失踪するところからストーリーが展開していく。

ドキドキ感があり、どんどん読み進めることができたのはさすが湊かなえ作品と思わせられた。

本編とはあまり関係のないなっちゃんや風香ちゃんを登場させたのはイヤミスらしさを出すためなのか?

あんまり意味がなかったし、むしろその無理矢理な感じが気に入らなかった。

最後にどんでん返しが待ってるかのような展開だったのに、特に何もなく、なんとなく思ってた通りだったのが非常に残念…

途中まではめちゃくちゃ面白かったのになあ…



★★★☆☆

SOSの猿

2019-05-20 19:50:09 | 読書
(内容)
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?そもそも答えは存在するの?面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成。


この一冊で伊坂作品も30作目となって、完全制覇まであと3作となった。

いよいよカウントダウンという感じ。

二つの異なる話が一つになってという、伊坂幸太郎得意のパターン。

西遊記のことが描かれていたりして、前半はなかなか面白かったが、途中からなんとなくだれてしまって、興味がなくなりそうになった…

最終的にはいい感じに落ち着いたが、個人的には少し残念な感じがした。

同じテーマの漫画もあるらしいので、そっちも読んで少し理解を深めたいと思う。

好きな作家、伊坂幸太郎だけに少し厳しめ。

残り3作品、夏ぐらいに読み終えよう!



★★★☆☆

架空通貨

2019-05-16 22:13:25 | 読書
(内容)
女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻したー。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、二人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。江戸川乱歩賞受賞第一作『M1』を改題。


池井戸作品は完全制覇を目指しててあと少しのところまで来ている。

新しい作品はほぼ読み尽くししているので、残りは初期の頃の作品になる。

初期の頃の作品は今の作風とちょっと違ってミステリー色が強い。

本作品も金融ミステリーと位置づけられる作品の一つである。

他の池井戸作品に比べるとやや金融関係の内容がやや難しい感じがしたのが少し残念な点。

ストーリー的にも面白いが、一介の教師がそこまでするか?出来るか?というのが、なんとなく心の中に残ってしまった。

最後の結末もややアッサリした感じを受けた。

池井戸作品はやっぱり今の作風の方が好き。



★★★☆☆

月光

2019-05-15 07:34:48 | 読書
(内容)
同級生の少年が運転するバイクに轢かれ、美しく優しかった姉が死んだ。殺人を疑う妹の結花は、真相を探るべく同じ高校に入学する。やがて、姉のおぞましい過去と、残酷な真実に直面するとも知らずに…。ピアノソナタの哀切な調べとともに始まる禁断の恋、そして逃れられない罪と罰を描く衝撃のR18ミステリー。


誉田哲也の作品も「ストロベリーナイト」以降結構読んでいる。


R18ミステリー。

姉の死の真相を突き止めようとする妹の話。

真相を知れば知るほど闇が深い。

世の中知らずにいた方が良かったことなんていっぱいあるのだろうと思わされた。

登場人物は誰も共感出来なくて、イマイチ入り込むことが出来なかった。

文章は読みやすくスラスラと読むことが出来た。

終盤にどんでん返しでもあるのか?と思ったが、それもなく、なんとなくアッサリと終わってしまった。

面白くない訳ではないが、全体的にインパクト不足だった。



★★★☆☆

傑作はまだ

2019-05-13 20:55:20 | 読書
(内容)
「実の父親に言うのはおかしいけど、やっぱりはじめましてで、いいんだよね?」そこそこ売れている引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた。月十万円の養育費を振込むと、息子の写真が一枚届く。それが唯一の関わりだった二人。真意を測りかね戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることにー。孤独に慣れ切った世間知らずな父と、近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、血のつながりしかない二人は家族になれるのか?その「答え」を知るとき、温かく優しい涙が溢れ出す。笑って泣ける父と子の再生の物語。


「そして、バトンは渡された」で本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの新刊。

前作が血の繋がりのない家族の話だったのと違って本作は血の繋がりしかない親子の話。

いつもの瀬尾まいこ作品らしくハートフルで温かく、読んでホッとする感じがたまらない。

息子の智が最近の若者にしては良く出来ていて、いい息子だなあーと思ってしまう。

それに対する父親はひきこもり。

この二人のやり取りがなかなか面白い。

個人的には前作より本作品の方が好きかも?

少し出来過ぎな感じもするが、なかなかいい作品だと思う。

引き続き瀬尾まいこ作品をもっと読んでみたいと思った。



★★★★☆

リハーサル

2019-05-12 12:58:16 | 読書
(内容)
花山病院の副院長・大矢は、簡単なオペでのミスを新任の看護婦・リカに指摘され、“隠蔽”してしまう。それ以来、リカの異様な付き纏いに悩まされる。一方、病院内では婦長の転落を始め陰惨な事故・事件が続発。そして、大矢の美しき婚約者・真由美が消えた。誰もいないはずの新築の病棟で、彼が対面したのは…。シリーズ史上、最も酸鼻な幕切れ。


リカシリーズ第4弾。

昨年から読み始めたリカシリーズ。

まさか新作が出るなんて思っていなかった。

さらにビックリなのが5月に第5弾が刊行されるらしい。

相変わらず、怖いし気味が悪い。

リカの恐ろしさはずっと以前からあったことがよくわかる内容。

それでも次が気になってしまい一気読み。

このシリーズの最高傑作は「リカ」だが、それに追随するくらいの印象だった。

ちなみにリカシリーズは本書に記載されているように年代順には「リバース」→「リハーサル」→「リカ」→「リターン」の順になる。

新刊は「リターン」の続編らしいので楽しみは倍増である。



★★★★☆

八月からの手紙

2019-05-10 06:36:41 | 読書
(内容)
1948年、戦後間もない東京で野球の力を信じた男たちがいた。復興への期待を胸に、「日本リーグ」を立ち上げようと奔走する日系二世の元ピッチャー矢尾。戦時中、カリフォルニアの収容所で絶望の日々を送る彼を支えたのは、ニグロリーグのスター選手ギブソンとの友情だった。


久しぶりの堂場瞬一の野球モノの小説。

実は堂場瞬一の作品は野球モノしか読んだことがない。

スポーツ小説というよりは日系二世と黒人が野球を通して心を通じ合う友情物語。

ジャッキーロビンソンや川上哲治などが実名で登場することもあり、ノンフィクションなのか?と思わせられる。

戦後すぐの頃に職業野球(プロ野球)とは別に新リーグを設立する動きが実際にあったことは知らなかった。

実際の野球のシーンは少なめだが、読みやすくなかなか面白い。

ややインパクトに欠ける感じはするが、まずまずの作品だと思う。



★★★☆☆

ガリレオの苦悩

2019-05-08 06:39:49 | 読書
(内容)
“悪魔の手”と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指して挑発する文面が記されていた。湯川を標的とする犯人の狙いは何か?常識を超えた恐るべき殺人方法とは?邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気シリーズ第四弾。


令和初の読了本であり、今月の月一東野圭吾。

読書メーターに登録してからとうとう30作目となった。

本作品は5編からなる短編集。

「ガリレオシリーズ」はドラマを見てたのでなんとなくストーリーは知っていたけど、どの短編もなかなか面白い。

特に最終章の「攪乱す」は中でも一番好きな作品。

今考えるとドラマでの湯川学の福山雅治と内海薫の柴咲コウはピッタリの配役だったと思う。

ドラマで「悪魔の手」は生瀬勝久が演じてたのもかなり良かった。

久しぶりに「ガリレオ」を見てみたいと思った。

また、次はがっつりと長編を読んでみたいと思う。



★★★★☆