Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

凶犬の眼

2018-07-31 06:49:40 | 読書
(内容)
所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。
そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。
彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。
日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。
男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく…。
警察VSヤクザの意地と誇りを賭けた、狂熱の物語。
日本推理作家協会賞『孤狼の血』シリーズ最新刊!


完全に柚月裕子にハマってしまった。

少し前に読んだ「盤上の向日葵」は今のところ今年読んだNo. 1だと思う。

映画化された「孤狼の血」も去年のベストの上位に位置している。

「孤狼の血」の続編の本作もかなり良かった。

まず驚かされるのが、女性作家が書いたとは思えない内容。

そして、「仁義なき戦い」の流れをくむ広島弁。

暴力団の抗争の話やけど、血生臭部分は軽く扱われてて、グロさなどはあんまり感じない。

その一方、仁義、血といった人と人の繋がりの部分が詳細に描かれている。

単なる暴力団抗争の小説ではなく、人にとって何が大事かを教えてくれる。

まだまだ読んでいない作品も多いので、完読目指して頑張って行こうと思った。



★★★★★

キケン

2018-07-26 20:43:21 | 読書
(内容)
ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称「キケン」。
部長・上野、副部長・大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。
これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。


「新潮文庫の100冊 2018」として店頭に並んでたし、前から気になってた一冊やった。

同じ理系男子出身の身として、めちゃくちゃ共感出来たし、懐かしかった。

サークルではなくバイトに精を出してたけど、無限大の体力でいつもふざけてばかりいた。

さすがに上野のような先輩はいなかったけど、怒らせたらめちゃくちゃ怖い先輩はいた。

最初の方は単純な青春ストーリーに感じて、まずまずぐらいにしか思わなかったけど、後半はすごく共感出来て、嬉しかった。

久しぶりにあの時の仲間に連絡を取ってみたくなった。

青春小説やけど、年配が読んでも楽しめると思う。



★★★★★

笑顔のママと僕と息子の973日間

2018-07-25 06:50:44 | 読書
(内容)
乳がんで亡くなった妻・奈緒さん(享年29)。
そのとき生後112日だった息子。
関西の人気キャスター“シミケン”が退社を決断し、前を向いて歩き始めるまでの973日間。


関西では知らない人はいないくらい有名な元キャスターの「シミケン」こと、清水健。

前作は奥さんとの出会いから、亡くなるまでが書かれていて、涙なしには読むことが出来なかった。

本作は奥さんが亡くなった後のシミケンの仕事と育児の葛藤が書かれている。

私も幼い娘を持つ一人の父親だから、育児の大変さも少しはわかるが、一人で育てることが出来るか?と問われるとかなり難しいと思う。

なので、妻には感謝しなければとあらためて思った。

まだまだシングルファーザー、シングルマザーには厳しい世の中、なんとか力になれることを将来やってみたいなあーと思った。

シミケンの講演も聞いてみたいなあーと思った。

前向きな内容なので、涙は出なかったけど、勇気が出た。



★★★☆☆

下町ロケット ゴースト

2018-07-24 07:07:02 | 読書
(内容)
倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。
しかし、またしても佃製作所は予期せぬトラブルにより窮地に陥っていく。
いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化、主要取引先からの非情な通告、そして、番頭・殿村に訪れた危機――。
そんな絶体絶命のピンチを切り抜けるため、佃が下した意外な決断とは・・・・・・。
大きな挫折を味わってもなお、前に進もうとする者たちの不屈の闘志とプライドが胸を打つ! 大人気シリーズ第三弾!!


大好きな「下町ロケット」シリーズ第3弾。

発刊前からずっと楽しみにしてて、発売日に即購入。

このパターンはかなり珍しい。

展開はいつもの通りの勧善懲悪パターン。

佃製作所を取り巻く新たなメンバーの登場もあって、相変わらず面白い。

技術論争でスカッとする後半も気持ちがいい。

でも、もっと引っ張ってもよかったんじゃないかと思うくらいあっさりとしてたし、なんとなくわかってしまった。

でも、最後に驚くべき展開が!

秋に続編が発刊されることに!

これまた楽しみが増えたー!

今から続編が待ち遠しい。



★★★★☆

敗れても 敗れても

2018-07-20 20:01:16 | 読書
(内容)
二〇一九年に「創部百年」を迎える東大野球部は、日本野球のルーツというべき伝統を誇る。
戦火の中、沖縄に消えた英雄や、「赤門旋風」の主役たち、150キロ左腕宮台康平らへの徹底取材を通じて、謎を秘めた集団を解剖する。
野球の「本質」と、ひとつの目標に向かってひた走ることの「価値」を思い出させる渾身のルポルタージュ。


久しぶりの野球本。

筆者自身が出演してる「そこまで言って委員会」でやってたので気になって、図書館で借りた一冊。

テレビでの筆者の発言があまり好きじゃないけど、内容はなかなか面白かった。

特に戦時中に沖縄県知事に赴くことになった島田叡氏の話は感動的で語り継がれて欲しい話しだった。

それ以外の野球の話は淡々と進む内容でただダラダラと読むだけになった。

東京六大学は東都などと違って二部降格とかがないから、以前からなんとなく緩さを感じてた。

その辺りがなんとなく冷めてしまってたせいかも?

個人的には島田叡の話だけの方がよかったと思う。



★★★☆☆

おやすみラフマニノフ

2018-07-18 08:02:48 | 読書
(内容)
第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに秋の演奏会を控え、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。
しかし完全密室で保管される、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれた。
彼らの身にも不可解な事件が次々と起こり…。
ラフマニノフの名曲とともに明かされる驚愕の真実!美しい音楽描写と緻密なトリックが奇跡的に融合した人気の音楽ミステリー。


中山七里作品も本作品で5作品目。

今まで読んだ作品はどれもハズレがなく、バラエティに富んでいて、なかなかいい印象がある。

岬洋介 音楽ミステリーシリーズ第2弾。

相変わらず芸術的センスがないので、音楽の部分は斜め読み。

1作目に比べると事件の規模が小さくて、少し残念な印象があるが、後半にはどんでん返し的展開もあって、まずまず楽しめた。

まだまだ続く岬洋介シリーズ、これからも楽しみに読んで行きたいと思う。



(★★★★☆)

星の王子さま

2018-07-12 21:07:45 | 読書
(内容)
砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。
それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった…。
一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。
最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。


恥ずかしながら初読み。

新潮文庫の100冊にあったので、気になって書店で購入。

色々と考えさせられる内容ではあったけど、少し冷めた感覚で読んでいる自分がいた。

さすがに年齢を積み重ね過ぎたか?

我が子には是非勧めたい作品。

将来、心に残る一冊になればいいと思う。



★★★☆☆

ラッシュライフ

2018-07-12 19:17:02 | 読書
(内容)
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。
父に自殺された青年は神に憧れる。
女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。
職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。
幕間には歩くバラバラ死体登場ー。
並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。
不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。
巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。


伊坂作品の完読まで残り10作品を切ってる。

まとめて読もうと思えば読めなくはないが、少しずつ焦らしながら読んで行きたいと思ってる。

デビュー2作目の作品。

めちゃくちゃ伊坂幸太郎らしい作品。

5つの異なるストーリーが後半になって絡み合って来る。

このパズルを解くような展開が伊坂作品の真骨頂だと思う。

伊坂作品を数多く読んで来てる者としては少し物足りなさも感じるが、いい意味で安定してて安心して読むことが出来た。

伊坂作品の楽しみの一つは作品毎に登場人物がリンクしてるところ。

黒澤はかなりの作品で登場してる。

最後の豊田の選択にこの小説の伝えたいことが含まれてると思う。



★★★★☆

君たちに明日はない

2018-07-09 17:57:13 | 読書
(内容)
「私はもう用済みってことですか!?」
リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。
どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。
建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが…。
恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。
山本周五郎賞受賞作。


初読みの作家。

以前から面白そうな連作物と思ってたけど、なかなか読む機会がなかった。

先日、ブックオフのセール品で見かけて即座に購入。

早速読んでみた。

リストラされる側ではなくする側の立場を描いたエンタメ本。

主人公にもなんとなく共感出来るし、主人公の年上の陽子もなんとなく俺は好き。

リストラなんて経験したことがないけど、実際はこんな軽い感じじゃないんやとなんとなく思う。

自分が実際そういう立場になった時にどう考え、どう行動すべきかを少し考えさせられた。

読みやすいし、なかなか面白い。

シリーズモノなので、今後の展開も楽しみ。



★★★★☆

イノセント・デイズ

2018-07-04 08:09:07 | 読書
(内容)
田中幸乃、30歳。
元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。
凶行の背景に何があったのか。
産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。
幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…
筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
日本推理作家協会賞受賞。


少し前に話題になってたので、ずっと気になってた。

ようやく読むことが出来た。

女性の死刑囚の生い立ちとその周囲の人たちが描かれたヒューマンミステリー。

女性の生い立ちが色んな視点で描かれていて、混乱しそうになりそうやけど、しっかり整理されているので読みやすかった。

構成も内容もよく出来ていて、どんどん読み進めたくなる。

読了後は少し複雑な気持ちになる。

ハッピーエンドなのかどうかは読者に委ねられている感じもなかなか面白い。

慎ちゃんこと慎一がキーマンであるが、少年時代のことが後半まで出てこないことが少し違和感を覚えた。

色々考えさせられて、奥深い小説だと思う。



★★★★★