Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

真実の10メートル手前

2017-10-26 07:32:26 | 読書
(内容)
高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。
週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。
太刀洗はなにを考えているのか?
滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執ー己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。
日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。
優れた技倆を示す粒揃いの六編。


久しぶりの米澤穂信。

「王とサーカス」で登場した太刀洗万智シリーズで本作は6編からなる短編集。

太刀洗万智の性格や態度にはあんまり共感出来なくて、好きなタイプではないけど、その洞察力のスゴさに驚かされる。

1編毎に違った設定の中、鋭い洞察力で真実を突き止める。

展開としてとても面白くて、読みやすい。

以前、「満願」を読んだ時も少し思ったけど、米澤穂信作品は短編の方が俺は好きかも?



★★★★☆


漁港の肉子ちゃん

2017-10-19 07:12:33 | 読書
(内容)
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。
肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。
太っていて不細工で、明るいーキクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。
ちゃんとした大人なんて一人もいない。
それでもみんな生きている。
港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。


西加奈子作品は2作目。

前に読んだ「i(アイ)」が良かったので、色々読んでみたいと思った中から面白そうな作品を選んで読んでみた。

タイトルそのまま漁港のある町に住む肉子ちゃんをメインにその娘のキクリン目線で話は進む。

キクりんは大人びていて好感が持てるけど、肉子ちゃんの自堕落な生活態度には好感が持てなかった。

そのせいか、なかなか面白く思えず、読書ピッチも上がらなかった。

終盤にお涙頂戴的な展開もあるけど、ある程度予想出来てしまって、あんまり感動も出来なかった。



★★★☆☆

オー!ファーザー

2017-10-14 21:01:40 | 読書
(内容)
父親が四人いる!?高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件ー。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。
多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。
伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。


大好きな伊坂幸太郎。

本当にこの人は小説を書くのが楽しくて仕方がないやろうなあーって関心させられるぐらい面白い。

まずはその設定がスゴい。

4人の父親なんて普通は考えつかない。

それぞれ4人が独特の個性を持っていて且つカッコいい。

こんな仲の良いカッコいい父親やったら4人いてもいいなあと憧れる。

色々と散りばめられた伏線も終盤に見事に回収される。

ミステリーなんやけど、結果的には家族愛について考えさせられる作品。

読後の爽快感もスッキリして気持ちいい。

あらためて伊坂幸太郎の面白さを痛感した。



★★★★☆

ラットマン

2017-10-10 23:56:47 | 読書
(内容)
結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。
次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。
事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。
本当の仲間とは、家族とは、愛とはー。


「カラスの親指」で衝撃を受けて以来、追いかけ続けてる道尾秀介作品。

読者メーター登録前も含めるとかれこれ10冊目くらいになるはず。

まずびっくりしたのが、誉田哲也の姫川シリーズを読んだ次の作品の主人公が姫川姓なんて…

混同はしなかったけど、自分でもさすがにちょっとびっくりした。

そんなことはさておき、道尾作品の久しぶりの大ヒット!

そうそう、こういうちょっと錯覚系の騙されるタイプの作品を待っててんなあー。

どんどん引き込まれる感もよかったし、後半の二転三転する展開も大好きなパターン。

個人的にめちゃくちゃ面白かった。

少し道尾作品に失望しかけてた時やったから、スゴい嬉しかった。



★★★★★

インビジブルレイン

2017-10-10 23:07:39 | 読書
(内容)
姫川班が捜査に加わったチンピラ惨殺事件。
暴力団同士の抗争も視野に入れて捜査が進む中、「犯人は柳井健斗」というタレ込みが入る。
ところが、上層部から奇妙な指示が下った。
捜査線上に柳井の名が浮かんでも、決して追及してはならない、というのだ。
隠蔽されようとする真実ー。
警察組織の壁に玲子はどう立ち向かうのか?
シリーズ中もっとも切なく熱い結末。


今年になって読み始めてすっかりハマってしまってる姫川玲子シリーズ。

前作が短編で少し物足りなかった分、本作はガッツリ読むことが出来た。

姫川班はあんまり出て来なくて、暴力団との絡みが多かった。

テンポがよくて読むやすくて良かった。

でも、犯人がなんとなく展開で読めてしまったのが少し残念。

最後は少し切ない終わり方やった。

巻末に著者と竹内結子の対談が載ってた。

ドラマを見てなかったけど、少しだけ姫川玲子と竹内結子がイメージ出来るようになった。

しかも本作は映画化されている。

牧田役を大沢たかおが演じてるらしい。

一度、映画も見てみたいなあ。



★★★★☆

孤狼の血

2017-10-07 09:41:25 | 読書
(内容)
昭和六十三年、広島。
所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。
飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。
やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。
衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。
正義とは何か、信じられるのは誰か。
日岡は本当の試練に立ち向かっていくー。


先週、会社で「アウトレイジ」が話題になり、その流れで「仁義なき戦い」の話になった。

その「仁義なき戦い」を何度も見た俺にとって、広島弁が懐かしく感じた作品。

時代背景は一昔前の広島県呉市。

ヤクザ目線ではなく、破天荒な刑事の部下目線で語られている。

読んでいて、めちゃくちゃ引き込まれてしまい、次から次へとページをめくりたくなる。

好き嫌いがはっきりしそうな内容やけど、俺は登場人物に共感が持てたから、めちゃくちゃ面白く思った。

柚月作品はこれで5作品目、どれもいい作品やったけど、今のところ本作がNo.1。

他の作品ももっと読んでみたいし、「仁義なき戦い」を久しぶりに見てみたい。



★★★★★

まほろ駅前狂騒曲

2017-10-05 21:09:04 | 読書
(内容)
まほろ市は東京都南西部最大の町。
駅前で便利屋を営む多田と、居候になって丸二年がたつ行天。
四歳の女の子「はる」を預かることになった二人は、無農薬野菜を生産販売する謎の団体の沢村、まほろの裏社会を仕切る星、おなじみの岡老人たちにより、前代未聞の大騒動に巻き込まれる!
まほろシリーズ完結篇。


まほろシリーズ第三弾で完結編。

前二作を読んでからちょっと間があいてもうたけど、ちゃんと前作の経過を覚えてたから、苦なく読むことが出来た。

相変わらず破天荒な行天と冷静な多田。

多田の恋物語があったり、4歳の女の子を預かることになったり。

色々と展開が巡るけど、整然と書かれており、めちゃくちゃ読みやすかったし、面白かった。

後半には駅前でドタバタ劇があったり、最後にちょっとしたサプライズがあったり、色々と楽しませてくれた。

三浦しをん作品は好きな作品が多いから、これからもどんどん読んで行きたい。



★★★★★

探偵ガリレオ

2017-10-02 22:52:19 | 読書
(内容)
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。
帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。
常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。


ガリレオシリーズの第1作目。

読んでてなんか既読感があったのは、もしかしてドラマで見たからかな?と思いながら読んだ。

トリックも良く出来てるし、構成もいいし、なにしろ読みやすい。

さすが東野圭吾。

でも、東野圭吾の小説は短編より長編の方が読み応えかあって俺は好き。

文庫本の解説を佐野史郎が書いてるけど、湯川は佐野史郎をイメージして書かれた作品らしい。

福山雅治もいいけど、佐野史郎版のガリレオも観て見たいなあ。



★★★☆☆