Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

マーダーハウス

2019-09-30 21:47:54 | 読書
(内容)
希望の大学に合格し、引っ越し先を探していた藤崎理佐は、ネットで偶然シェアハウス「サニーハウス鎌倉」を見つけ、暮らすことになる。そこは海外セレブの別荘のように豪華な外見、充実した設備、格安の家賃と好条件ばかり。しかも同居するのはテレビの某番組に出てきそうな美男美女だった。憧れの地で楽しい日々を送っていたが、同居人が立て続けに死亡する。不安を抱いた理佐は高校時代の同級生、高瀬弘に相談する。違和感を覚えた弘はサニーハウスを調べることにするが、そこから恐怖は一気に加速していく!予想外の結末、震撼のサイコミステリー!


今年ハマりにハマってる五十嵐貴久の新刊。

シェアハウスを舞台にしたミステリー。

最初はシェアハウスの楽しい部分が描かれており、なんとなく憧れを感じでしまう内容で進む。

途中から疑惑が湧き始め…という展開が予想していた通りになるのが気持ち良かったり、悪かったり。

なんとなく予想を裏切って欲しいと思いつつ終盤へ行ったがやはり予想を大きく覆されるような展開にはならず…

おかしな話だが、期待通り過ぎて期待はずれだった。

それにしても警察の目が節穴過ぎる。

かなり安っぽい2時間のサスペンスドラマを見た感じ。



★★★☆☆

母性

2019-09-26 23:10:42 | 読書
(内容)
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。…遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それともー。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。


久しぶりの湊かなえ作品。

感想は一言、残念な作品。

「母の手記」と「娘の回想」で同じことを語るが立場によって受け止め方が全然違うという手法で物語が進む。

この手法がなんとなく気に入らなくて、それを引きずってしまった感じ。

イヤミスらしさは相変わらずいい感じで出ていただけに残念である。

コレ以上語りたくもない。

この一冊で今年100冊目になる。

今年はかなりいいペースで読むことが出来ている。

今年の目標は130冊。

残り3ヶ月で月10冊ペースでクリア出来る計算になる。

頑張ろう。



★★☆☆☆

仇敵

2019-09-24 21:08:05 | 読書
(内容)
幹部行員の裏金工作を追及した恋窪商太郎は、謂れなき罪を着せられメガバンクを辞職。エリートから地方銀行の庶務行員となるが、人生の豊かさを知る。だが、元ライバルからの電話が再び運命を揺るがすー。不正を知った男は謎の死を迎え、恋窪は“仇敵”への復讐を誓う。乱歩賞作家、渾身の連作ミステリー。


池井戸潤の初期の作品。

今の作風とは違ってミステリー色がかなり強い。

金融ミステリーということだが、専門的なこともそれほど難しくなく、銀行や金融の仕組みについて知識があまりなくても結構理解出来る。

8編からの短編が繋がって一つの長編として成立する。

ハラハラドキドキする感じはあまりないが、少しずつ真相を解明していく感じはなかなか面白い。

恋窪商太郎のキャラがイマイチ確立していないのが少し気になるし、残念な感じがした。

今の池井戸潤作品には遠く及ばないがコレはコレでまずまず好きな作品である。



★★★★☆

眠りの森

2019-09-19 21:54:48 | 読書
(内容)
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。


月一東野圭吾。

今月は「加賀恭一郎シリーズ」の第2弾。

1992年に刊行されたということなので少し古臭さを感じてしまうのは仕方がないが、ストーリーとしてはなかなか面白い展開。

ただし、加賀恭一郎のキャラがまだあんまり確立していなかったのか?今のイメージとは少し違う。

この違和感がなんとなく読書の邪魔をしてしまった。

しかし、東野圭吾小説の根底にある読みやすさと親しみやすさは兼ね備えており、あらためて東野圭吾のスゴさを実感した。

あまり馴染みのないバレエのことを知ることが出来たのは個人的には良かったが、なかなかストイックなので、娘には絶対に勧められないなあと思った。



★★★☆☆

凍りのくじら

2019-09-17 07:25:35 | 読書
(内容)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすときー。


久しぶりの辻村深月作品。

少し上から目線で家族、友人、同級生などを見ている女子高生理帆子が主人公。

なんとなく以前からこういうキャラが個人的に好きになれない。

なので、前半はあんまり感情移入出来ず、つまらなく感じてしまった。

中盤以降は理帆子以上に最悪な性格をした若尾がどんどん酷くなっていくことにより、少しずつ理帆子のことを理解出来るようになって来た。

終盤にはビックリするような展開が待っていて、ミステリーに変貌する。

そして、最後にはスゴく不思議な物語になり、感動させられる。

一冊で色んな思いを描くことが出来る不思議な作品。

脇役として登場するドラえもんの不思議さと一致するのは作者の意図なのでは?と思わせられる。

いつの日か再読した時にはもっと違う何かを教えてくれるよう気がする一冊。



★★★★☆

シーソーモンスター

2019-09-11 19:36:06 | 読書
(内容)
我が家の嫁姑の争いは、米ソ冷戦よりも恐ろしい。バブルに浮かれる昭和の日本。一見、どこにでもある平凡な家庭の北山家だったが、ある日、嫁は姑の過去に大きな疑念を抱くようになり…。(「シーソーモンスター」)。ある日、僕は巻き込まれた。時空を超えた争いにー。舞台は2050年の日本。ある天才科学者が遺した手紙を握りしめ、彼の旧友と配達人が、見えない敵の暴走を阻止すべく奮闘する!(「スピンモンスター」)。


久しぶりの伊坂幸太郎作品。

2編の中編からなる作品。

「シーソーモンスター」の方はバブル期のことが描かれており、いつもの伊坂作品っぽく、まさか?と思わせる展開もありなかなか面白かった。

時代背景が近未来の「スピンモンスター」も前半は面白く読み始めることが出来たが途中からなんとなく既読感を感じてしまい、急に熱が冷めてしまった。

ラストもなんとなく中途半端な印象を受けた。

それでも前編との関係性を随所に入れて来る伊坂作品らしさもなどもあり少しは楽しむことが出来た。

前編が良かっただけに少し残念な気もするがトータル的にはまずまずだと評価出来る。



★★★★☆

夏を赦す

2019-09-09 06:50:39 | 読書
(内容)
元号が平成に変わった最初の夏、後輩の不祥事で阪南大高野球部の甲子園へ続く道は突然に閉ざされた。彼らは、自分たちの夢をドラフト二位で日本ハムに指名された岩本勉に託した。失意と絶望の底にいても、ひとは希望を見つけ、新たな道を進む事ができる。奪われた夏。挫けなかった球児たちの再生の実話。四半世紀を経て、明らかになる事実と秘密。


元日ハムの岩本が阪南大高校だったのは知っていたが、高3の夏に後輩の不祥事で予選を出場辞退していることは知らなかった。

岩本の明るいキャラからは何となく想像出来ない。

その当時の元部員達を取材することから始まるノンフィクション。

普通にノンフィクションに徹すればいいはずか、ちょこちょこ筆者の感情の揺れなどが描かれている。

これがどうでもよく、何となく気に入らない。

結末もノンフィクションなので仕方がないが中途半端であり、「よく書籍化出来たな。」と思ってしまうほど。

非常に残念な作品。

最後まで読んだ自分を褒めたい。



★★☆☆☆

儚い羊たちの祝宴

2019-09-05 07:00:13 | 読書
(内容)
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。


久しぶりの米澤穂信作品。

5編からなる短編集。

それぞれの短編が、時代、地域性、身分(上流階級)というのが共通している。

スゴい暗黒感のある内容でミステリーというかホラーに近い印象。

特に「玉野五十鈴の誉れ」の最後の一行は背筋に悪寒が走るくらいぞくっとさせられた。

それぞれの短編が繋がって最後に何かが起こるという展開ではなかった点は少し残念。

しかし、どの短編も練られていて秀逸だった。

前から思っていたが米澤穂信作品は短編の方が面白い印象がある。



★★★★☆

我が家のヒミツ

2019-09-02 21:53:21 | 読書
(内容)
結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。ある日、勤務先に憧れの人が来院し…(「虫歯とピアニスト」)。ずっと競い合っていた同期のライバル。53歳で彼との昇進レースに敗れ、人生を見つめ直し…(「正雄の秋」)。16歳の誕生日を機に、アンナは実の父親に会いに行くが…(「アンナの十二月」)。など、全6編を収録。読後に心が晴れわたる家族小説。


先週、会社でイラッとすることがあった。

そういう事があるとわりと引きずってしまう性格なのだが、この一冊に救われた。

救われたという言い方は言い過ぎかもしれないが、ホッとする一冊であることは間違いない。

平成の家族シリーズ3作目。

6編からなる短編集。

今までも少し笑いも交えながら清々しく気持ちいいなあと思っていたが、心が荒んでいる時に読むと最高に癒される。

どこにでもある日常をこんなに的確に描かれていることに奥田英朗の懐の深さを感じる。

こういう本は手元に置いておいて、バイブルとして再読してみたいと思う。



★★★★★