下町ロケットで直木賞取られた、池井戸潤作品です。
初読みです。
この作品は吉川英治文学新人賞取ってんですね。すげ
いやぁ~~~、面白かった!
建築業界の談合をめぐる、骨太社会派エンタテイメント小説ってトコでしょうか。
社会派って読みにくいんだよね。
難しいし重いし。(偏見)
でもでも、談合なんていう重ーいテーマを扱ってるのに、実に読みやすかった。
ハラハラするしテンポいいし、登場人物達も魅力的。
読むの止められない!って感じ。
本格社会派小説(そんなジャンルあるのか)好きの人にしたら軽すぎるのかもしれないけど、すごく良かったっす。
談合が何故なくならないのか、そのそれぞれの理屈も分かりやすかった。
ところでこの本、最初は 『走れ平太』 ってタイトルにしようとしてたとか。
よくぞ止めた、編集者(笑)
以下、ネタバレあり!!
三橋さんが哀しかったね。
三橋さんの語りは平太と話すってのがほとんどだったから、すっかり談合がなくなればイイと思ってるけどしがらみから抜けられない苦しい人ってイメージが着いちゃって。
お金の為に談合してる人に見えなくて。
でもあの三橋氏の姿ってのは、まだピュアだった頃仲良くしてた人の息子には、やっぱり一番キレイなトコだけ見せたかったって事なんだろうな。
ホントは汚い気持ちもあったのかな。
しぶしぶ腰を上げて調整に乗り出したのに、尾形に裏切られ逮捕までされちゃって、可愛そうに。
哀れな人だヨ。
そして尾形。
うーーーーーん、どうなんだい。
内部告発したのは偉いかもしれんけど、それも談合なくすためじゃなくて、単に自社の利益の為だったワケでしょ。
しかもあんな形で出し抜いて…
いやしかし元々談合しなきゃ、一松が落とせてた案件だったわけだし。
それを「談合しません」って言っちゃうと、その仕組みのままでは干されてしまうから、内部告発でその仕組み自体をぶっ壊して、かつ入札も取るって事か。
ひょー、まさに生き馬の目を抜くってやつぅ?!
尾形、切れ者ぉ~。
しかしいつからそのつもりで?
最初の競馬場から?
だとしたらオトナって怖すぎぃ (>_<)
やっぱ正々堂々勝負してないと、いつ裏かかれるか分かんない、そういう危うさがあるって事かしらん。
ま、実際の権力社会ではああ上手くいかないんだろうけど。
多分もっとえげつなくて、殺されちゃうよぉ。(妄想過多?)
萌ちゃんの絡みは特に何も…(笑)
あ、でも園田のお母ちゃんはステキでした。
平太のお母さんも。
女性がなかなかステキに描かれてますなぁ。
池井戸作品、他のも読みたいぜ!!
鉄の骨 (講談社文庫) | |
池井戸 潤 | |
講談社 |
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