三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

疾走 上・下 <重松 清>

2008-08-04 11:37:12 | 
 ずっと興味があった重松さん、やっと手に取りました。
 あぁ・・・・・暗い・・・・・果てしなく、暗い。
 読み終わった後、内臓が重くなりました。うぅ

 初読みが『疾走』ってのは、ダメだったかしらん。
 っていうかまぁ、↓表紙こえーな。

 以下、ネタバレあり!!



疾走 上 (角川文庫)
重松 清
角川書店

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 あぁ、あまりにも暗くて、あまりココロの調子が良くない時には、お勧めできない一冊です。
 もうね、後味は最悪だし、ひきずりますよー。

 このテの話は、あまり好きではないのです。
 コレが、こういう子供達の現実だとしても、どこかに希望や救いがある物語を読みたい。(じゃ、読むなよって)
 いったいこの話から、何を学び、何を得られるというのかしら?
 うかつに家出してはいけないという事?
 キリスト教では救えないという事?
 愚かではいけないという事?

 出てくるヒト出てくるヒト、みんなが不幸に向かって転がり落ちていくでしょ。
 それがヤだ。
 牧師まで登場させておきながら、なんでそうなのだ?
 もう少し思慮があれば、もう少し家族を思う気持ちがあれば、回避できるような気がするのに。
 一番の被害者であろうシュウジにしても、そうだと思うんだよね。
 まぁ、あの環境であの両親で、不可抗力で、それが現実なのかもしれないけど。
 でもそれじゃ、辛すぎる。

 みゆきだって、あんなにあっさり殺されちゃってさ。
 みゆきは警察だろ。
 アカネも、自分の意思で子供作って、自分の意思でシュウジを可愛がって、それで満足かもしれないけどさ。
 新田とずっと居て、シュウジとの居酒屋のくだりなんて、絶対もうああなるに決まってんじゃん。

 タイトルの『疾走』ってナニかい。
 自分勝手な両親や過酷な環境を、走り抜けた15歳って事かい。
 イヤだ。
 納得いかない。

 それにしても、こんなに納得いかない物語なのに、こんなにココロの奥にズドンと残ってしまうなんて。
 それこそが重松さんの、書く力なのかしら。
 このひとの、救いのある物語を、読んでみたいっす。


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