文庫化ですなー。
あんまり表紙カワイくないけど。(おいおい)
ハードカバーで読んだ時はあんまピンとこなかったけど、怒涛の恩田陸再読月間だし、今ならハマりそう、と思って購入。
前回よりはハマりましたよ、その空気感に。
以下、ネタバレありかも
引越前夜、荷物のすっかり片付いた部屋で、明日には別れ別れになる男女が……相変わらず飲みながら喋る喋る。
今回は食べる方は割と質素だったわね。
お惣菜だもんね。
ま、引越前夜だからね。
恩田作品は限定された時間と空間での、少人数の会話っていう話が多いけど。
今回は2人だけの、数時間の話。
それでいて、事態は二転三転ですよ。むふっ
兄妹の禁断の愛の辺りは、まるで昼メロのようでしたな。
前回はさほど気にしてなかったけど、今回は 「うわ~、これってもろメロドラマやんけ」 と思ったですよ。
ところが、それほどまでに苦しんだのに、実は兄妹じゃなかったのよねー。
このあたりもメロドラマ。
で、障害がないと分かると、冷めてしまう愛。
人って、愛って、そんなもんかも。
そう思うと、人間っていうイキモノは元来、マゾヒスティックに作られているものなのかちらん。
で、結局父ちゃんは何故死んだのか。
なんででしょ。
真相は分からず仕舞いです。
またミステリファンから、ブーイングが出そうです。
でも恩田作品は、コレでいいのだ。
謎解きなんて求めてないの。
しかし、いつもより限られた時間、人数なのに、ちょっと濃さが物足りなかった感じ。
濃密感でいくと、『夏の名残~』 とか 『木曜組曲』 の方が断然上だもんなぁ。
やはり、お惣菜ではいけないのか…(そこかよ)
木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫) | |
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