三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

木洩れ日に泳ぐ魚 <恩田 陸>

2010-11-19 11:27:06 | 

 文庫化ですなー。

 あんまり表紙カワイくないけど。(おいおい)

 ハードカバーで読んだ時はあんまピンとこなかったけど、怒涛の恩田陸再読月間だし、今ならハマりそう、と思って購入。

 前回よりはハマりましたよ、その空気感に。

 

 以下、ネタバレありかも 

 

 

 引越前夜、荷物のすっかり片付いた部屋で、明日には別れ別れになる男女が……相変わらず飲みながら喋る喋る。

 今回は食べる方は割と質素だったわね。

 お惣菜だもんね。

 ま、引越前夜だからね。

 恩田作品は限定された時間と空間での、少人数の会話っていう話が多いけど。

 今回は2人だけの、数時間の話。

 それでいて、事態は二転三転ですよ。むふっ

 

 兄妹の禁断の愛の辺りは、まるで昼メロのようでしたな。

 前回はさほど気にしてなかったけど、今回は 「うわ~、これってもろメロドラマやんけ」  と思ったですよ。

 ところが、それほどまでに苦しんだのに、実は兄妹じゃなかったのよねー。

 このあたりもメロドラマ。

 で、障害がないと分かると、冷めてしまう愛。

 人って、愛って、そんなもんかも。

 そう思うと、人間っていうイキモノは元来、マゾヒスティックに作られているものなのかちらん。

 

 で、結局父ちゃんは何故死んだのか。

 なんででしょ。

 真相は分からず仕舞いです。

 またミステリファンから、ブーイングが出そうです。

 でも恩田作品は、コレでいいのだ。

 謎解きなんて求めてないの。

 

 しかし、いつもより限られた時間、人数なのに、ちょっと濃さが物足りなかった感じ。

 濃密感でいくと、『夏の名残~』 とか 『木曜組曲』 の方が断然上だもんなぁ。

 やはり、お惣菜ではいけないのか…(そこかよ) 

 

 

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)
恩田 陸
文藝春秋

 


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