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再稼働による「悪魔の連鎖」の本当の怖さーこれでも原発を再起動する気になりますか?そのII

2012-04-13 | 時事問題
3.11福島原発でなにがおこったのか。
その時、東電、政府はどのように動いたか。
その後~今まで、そして、今何をする気でいるのか。
ということが実証されています。
このフクシマ原発事故は、世界を震撼させ、国家政策として原発を廃炉にして行く国々が出てきたにも拘らず、野田政権は、何が何でも大飯原発を再起動させるつもりである。
一体全体日本をいや以下に書かれているように世界を破滅にさせるつもりなのでしょうか。
弱小の隣国の人工衛星(ミサイル?)の打ち上げに対し強国のエゴ丸出しに追随して、大げさに性能も定かでないPAC-3を莫大な国家予算を使ってわざわざ沖縄県の石垣島に配備するという茶番を演じている。
何をしていることか。
「自国の足元を見て襟を正せ」といいたいですね。

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<山崎久隆 (やまさきひさたか):たんぽぽ舎、劣化ウラン研究会>

野田政権は全世界に向けて「核戦争」をするつもりなのか?


[連載2]
■2号機格納容器破壊■4号機の幸運■いつも幸運とは限らない

■2号機格納容器破壊

 原子炉圧力容器底部が損傷し、さらに2号機内部では断続的に入る消防用水が高温になった燃料に降りかかり、瞬間的に水が蒸発して「水蒸気爆発」状態になる。圧力容器はその程度の圧力変化にはびくともしないが、逃がし弁開放によって圧力は地下にあるサプレッションチェンバに放出された。この圧力の伝播がサプレッションチェンバまたはそれにつながる配管部分を破壊したと思われる。
 このため2号機内部は全く人が立ち入れない高濃度汚染に晒され、建屋からの撤退を余儀なくされた。格納容器内部は毎時73シーベルト(ミリでは無い!)などという、即死しそうな(JCOで亡くなった作業員の被曝量は7~10シーベルト)放射線が飛び交い、電子機器も役に立たない。もちろんロボットも破壊される高線量地域になってしまった。その状態は1年以上経った今も変わっていない。
 そのため2号機については見かけ上破壊は4基の中で最も小さそうに見えて、最も放射能汚染のひどい原子炉になってしまった。
 水の投入が十分出来ていれば、少なくても2号機を破壊することは止められた。

■4号機の幸運

 4号機では時を同じくして使用済燃料プール中の1535体の燃料に危機が訪れていた。
 原子炉内の燃料も取り出していたため(槌田敦氏は「燃料体は炉心にあった」という別論を立てているが、ここでは東電シナリオ通りに考える)使用済燃料プールとしては通常の1.5倍もの大量の燃料体が保管されていた。このプールには運転中は480トンほどの水が入っている。しかしこのときは、燃料プールとは原子炉を挟んで反対側にある「機器仮置きプール」にも水が張られていた。また、原子炉は圧力容器の蓋が外されており、その中には水が最上部まで入れられていた。圧力容器よりもさらに上に位置する部分を「原子炉ウエル」と呼ぶ。
 実は、この原発は老朽化してひび割れが発生していたシュラウドの交換工事を行っていたため、放射線防護の目的で通常よりも高い水位まで水が張られていた。この状態で水中溶接機を使って圧力容器の内側にある「シュラウド」と呼ばれるステンレス製内釜の部分を切り出す工事をする予定だった。
 3.11時点では、予定通りならば切断作業が終わり次の工程のために水が通常水位まで抜かれていたはずだった。しかし切断装置のアームの長さを間違えてしまい、作業に4日の遅れが発生しており、まだ原子炉ウエル内には水が張られたままだったという。
 さらにずさんなことに、燃料プールと原子炉圧力容器の間に存在していた止水用のゲートに隙間が生じ、ここから水が漏れ出す状態になっていた。原子炉ウエルと燃料プールの水位が同じならば漏えいは起こらないが、相対的に水位が変動した場合、低いところに高いところから流れ出す状態になっていたわけだ。
 それだけではない。原子炉ウエルとともに普段は水が無い「機器仮置きピット」にも水が張られており、圧力容器内から取り出された蒸気乾燥器と汽水分離器が置かれていた。これらは放射能を帯びるため、遮蔽のため水中に保管される。機器仮置きピットは定期検査中のみ水を張っている。
 都合、普段よりも1000トンを超える水が使用済燃料プールの脇に存在していた。
 作業工程の遅れが3.11に、このような状態を作り出していた。
 さらに、止水板の緩みは発生原因も分かっていないが、作業ミスによるのだったら、最悪を回避した「幸運の」作業ミスだったことになる。
 通常、止水板は使用済燃料プールからウエル側に漏れ出すのを止めるためにある。今回は使用済燃料プール中の1535体の燃料が冷却不能となり、その結果プールが沸騰状態になってプール側の水位が低下した。水圧はウエル側からプール側に掛かった。そのような圧力は想定されていなかったために外れたのかもしれない。であれば、設計強度不足が招いた幸運だったと言うことになる。
 本来は水が落とされていたはずの圧力容器が満水状態だったため、結果的に使用済燃料プールへの「給水」が、漏水という形で確保された。通常の作業工程で進み、圧力容器内が通常水位まで下がっていたら、あるいは止水ゲートがゆるんでいなかったとしたら、その時には冷却水が蒸発して無くなってしまい、格納容器の外で燃料溶融が始まっていたことになる。
 そのデッドラインは6日後。まさしく「悪魔の連鎖の」回避は偶然のなせる業だった。
 そんなずさんな状態であることを知る術のない米国NRC(原子力規制委員会)は、冷却水の投入が出来なくなった使用済燃料プール中の1535体の燃料が溶け出す時間を割り出し、その前に十分余裕を持って避難できるようにするために、「80キロ圏内米国民全員退避」を指示していた。
 愚かな一部の米国議員は「大げさすぎる」あるいは「しなくても良い避難指示」などと政権を批判するが、お門違いだ。偶然が重ならなければ6日後には悪魔の連鎖が80キロ県を超えて放射能汚染をもたらしていた。
 最終的には原子力委員会の近藤俊輔委員長が3月25日に首相に報告した「不測事態シナリオの素描」と題する文書にあるとおり、東京すら超えて250キロ先まで避難をしなければならない事態となった。この影響下には3000万人の人口がいる。いったいこれだけの人間をどうやって避難させるというのだろうか。大混乱になっただろう。ならば、米国政府としてはそれ以前に自国民を比較的混乱の少ない80キロ圏外に一端出すと考えるのは実に利にかなった考え方だった。

■いつも幸運とは限らない

 「原発再起動」を主張する野田首相や地元の町長などに聞きたいが、幸運がいつも続くわけが無いし、そんな幸運を期待して原発を動かし続けるつもりなのだろうか。
 原発がひとたび炉心溶融事故を起こせば、周辺の原子炉を巻き添えにすることは、先の近藤レポートで明らかだ。例えば大飯原発には4基の原子炉がある。そのうちの1基が炉心損傷を起こせば同一敷地内の3基も対処不能となる。時間と共に原子炉の冷却は不可能になり、およそ一週間で炉心損傷に至るだろう。4基がメルトダウンする事態になれば、そこから放出される放射能は風下地帯に壊滅的影響を与えるが、特に問題となるのは高浜原発だ。十五キロしか離れていない高浜原発は、大飯原発からの放射能の直撃を受ければ運転員も作業員も死に至る被曝を余儀なくされる。残れば全員死亡、撤退すれば高浜4基のメルトダウンという事態になる。
 実は福島第二原発が、その状況に直面していた。距離わずか10キロで福島第一の放射能が降り注ぐ中、賢明に収束作業を行っていたが、実際には避難区域の中に取り残されており、外部からの支援にも支障を来し始めていた。応援要員の派遣さえままならない。もし4号機のプールがメルトダウンし始めていたら、残るか撤退するかを巡って大変なことになっていただろう。残れば死を意味するからだ。

(★つづく★)

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/



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