若生のり子=誰でもポエットでアーティスト

文字さえ書ければ、ポエット
感覚次第で、何でもアート
日日を豊かに遊び心

汚染処理水の海洋放出の重大な問題点を要約しました。

2022-04-05 | 時事問題
政府は、漁業関係者らや地元の反対を無視し、2021年4月14日に東京電力福島第1原発の敷地内にある汚染処理水の海洋放出処分を決定した。
福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料の冷却などによって1日140トンのペースで汚染水が発生している。

1、残留はトリチウムだけでなく放射性物質の総量が問題
タンクにためられている水には、トリチウムが約860兆ベクレル含まれているのみならず、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質が残留し、タンク貯留水の約7割で告示濃度比総和を上回っている。トリチウム以外の核種が残留していることがはじめて明らかになったのは2018年の共同通信による報道によってであり、それまで東電はトリチウム以外の放射性物質は除去し、基準を下回ると虚偽の説明をしていた。政府は最大年間22兆ベクレルのトリチウムを海洋中に放出するとしている。原発事故以前、福島第一原発からの海洋中へのトリチウムの放出は年間1.5~2.5兆ベクレルであった。すなわちその約10倍の量のトリチウムを、数十年にわたり海洋に放出することになる。

2、検討されなかった代替案
技術者や研究者も参加する「原子力市民委員会」は「大型タンク貯留案」、「モルタル固化処分案」を提案し、経済産業省に提出した。が政府は<放出ありき>で、これらをまったく検討しなかった。

3、政府と全国漁業協同組合連合会の間で結んだ合意破り
2015年に政府と全国漁業協同組合連合会の間で結んだ合意。当時、経済産業省は処理水について「地元関係者の理解を得ながら対策を行い、海洋への安易な放出は行わない」と約束した。
2020年6月23日には全国漁業協同組合連合会(全漁連)が、通常総会にて、汚染水に関し「海洋放出に断固反対する」との特別決議を全会一致で採択した。
今回、地元や全漁連が反対しているにもかかわらず放出方針を決めたことは合意破りにほかならず、罪深い。
そして、中国や韓国などがこの計画に反対している。

また、大変な事態も数度起こしている
福島第一原子力発電所で出る汚染水を処理する設備ALPSのフィルターが25か所のうち24か所が破損していたことが分った。東京電力は同様の破損が2年前にもあったが、原因分析や対策を行わないまま、運転を継続していたということで、原子力規制委員会は東京電力の管理態勢を厳しく批判した。

最後に重要なことだが、人々を欺く政府の常套手段である<すり替え>に騙されてはいけない。
政府やメディアが、ALPS処理汚染水の海洋放出の影響を「風評被害」のみに限定し、ことさらそれを強調することは、海洋放出の影響やリスクについて指摘する人をあたかも加害者のようにみなし、隠蔽の無い健全な議論ができないようにされることが危険である。
そもそも処理汚染水の海洋放出は、放射性物質を環境中に放出することが問題なのであり、問われなければならないのは、この原発事故は人災であり、その加害者は国及び東電なのである。
ということを間違ってはいけないと思う。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿