若生のり子=誰でもポエットでアーティスト

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クリストー最後の雑感

2007-10-24 | クリスト
クリストの殆どのプロジェクトと作品(初期の梱包作品一部を除く)を観ていただきました。
如何でしたでしょうか。ご感想は?

梱包に関しては、“Reichstag"がクリストとクロードが入れ込んだだけあって、彼らの頂点に達していると思います。スゴイ、よくやったー。という感じです。
歴史的、政治的意味あいのある建築物をすっぽり被いかぶした布のドレープと縛り方が美しいです。(24年の歳月をかけての執念の折衝と約6億円の費用が掛かったとか。これもスゴイ!)

美しさという点では、“pont Neuf”が一番好きです。

“Running Fence ”もいいなーと思います。
囲いじゃなくて、稲妻のように大地を駆け巡るモンスターのようで、生命力に満ち溢れています。

“The Gates”に関しては、いまいちと先日書きました。
何もかも最先端をいっているニューヨークでやることの難しさを感じました。
日常的に最高峰の洗練されたショウやイベントや展示が行われているところで観ると、(ニューヨーク生活で日ごろ知らず知らずの内にに影響されて研ぎ澄まされていく感覚や、観る目からすると)クリストの門は実にダサク感じました。
ミニマリストなみにシンプルな矩形のサフラン色の鋼鉄の門に同じ色のカーテンが中途半端にぶら下がっているというものでした。それ自体の一個一個のフォルムは決して美しいものではありませんでした。
折りよく、彼らにとって幸運にも雪が降り、雪化粧の中でサフラン色の集合の門たちのカーテンが風にたなびいているのはそれなりの美しさがありました。 が、
あるビルの屋上からセントラルパークを俯瞰して見た時、クリストの門たちが、隅っこで、小さく震えているように見えてその存在感は感じられませんでした。
むしろ、セントラルパークの大きさと、それを取り囲むマンハッタンの林立したビル群の存在の方が数段際立って見えました。
何もかも飲み込んでしまうこの大都会ニューヨークの凄さをまたまた垣間見る思いでした。

最後にもう一度nw0515の写真を見てください。
我ながら、さまざまなコトを押さえていて(観えていて)、いい写真だと思います。(自画自賛で恐縮です)