2 「日本にいた朝鮮人引揚者の状況」の描き方のちがい ⑶ ~まとめ表再掲~
② 考察と評価 1/2
~前回の中間まとめ2 の要約~
・終戦時の在日朝鮮人およそ210万人(推測)のうち、帰還者:140万人、自発的残留者:約60万人。
※内地の炭鉱や工場などに「徴用」されていた朝鮮人のうち、残ったのは245人だけ。
・1959(昭和34)年当時の在日朝鮮人の人数・・・約60万人+20~40万人(戦後密入国者)=約80~100万人+戦後14年間に生まれた子供(第2世代)。
~以上~
【教育出版】 ここだけがきちんと書いている。→ ○
※”現在の課題”の内容については、この項の最後のあたりで採りあげる。
【東京書籍】
・「多く」と「数多く」はどちらが多い?
「帰国した多く」はの部分は、「約140万人」と書き、「とどまった数多く」は「約60万人」と書けばいいだけなのに、なぜ人数を隠すのか?
概数は分かっているのだから、この場合の「多い」の使い方は、”嘘の一種”と認定する。 → △
【学び舎】
・「いっせいに」・・・嘘 → ×
※「いっせいに」は「(ほぼ)すべて」という意味。約210万人のうち140万人(67%)は2/3。
・「植民地支配によって生活が苦しくなり」・・・嘘 → ×
※併合時の朝鮮は着実に近代化して豊かになっていった。「生活が苦しくなった」人々は、「植民地支配によって」ではなく、他のさまざまな要因によると考えるのが論理的。
この書き方では、中学生は、《朝鮮人全体が生活苦になった》としか読めないだろう。
・「強制連行」・・・一面だけ強調した嘘 → △
※「徴用」は「日本人(=内地人+外地人)」全体の制度。内地日本人が先に「徴用」され、朝鮮人は最後の7か月間だけ。内地日本人と同じように、「(そこで働きたくない人にとっては)強制」なのはまちがいない。しかし、当時、朝鮮人の多くは密航してまで日本に出稼ぎに来ていたことを考えると、《徴用対象者の全員が強制的に連行された》としか読めないように書くのは、嘘と認定する。
・「日本側の手配はすすまず」・・・一面だけ強調した悪質な嘘 → ×
※日本のほとんどの都市は焼け野原。その混乱期に”スムーズに進む”はずがないが、ウィキペデアによれば、日本政府が努力していたことはまちがいない。
しかも、「すすまず」で記事が終わっているので、中学生は、140万人もの朝鮮人が短期間に帰還したことを教わらない。きわめて悪質な印象操作としか思えないが…
※”一部の事実だけ採りあげて(=他の重要な要素を隠して)、それが全体であると思わせるように描く” という印象操作は、「嘘・ねつ造」の一種と認定し、×または△と評価しています。
【他の5社】 まったく書いていない → ×
終戦直後のたった10年間ほどの間に、《外国人(朝鮮人)の移民と密入国者(不法移民)が100万人ほどもいた》という歴史的事実は、それだけで重い。
しかも、100万人ほどの朝鮮人とその子孫は、今や
①「特別永住者(外国人)」として、他の外国人よりさまざまなことで優遇されており、(※帰化していない45万人ほど)
②半世紀以上におよぶ「パチンコマネー」などを原資として発展し、日本経済の何割かを支配しており、(※代表例=孫正義)
③最近は、《日本人より平均年収が高くなっている》のだから。
<参照:「韓朝鮮人の実態調査からみた21世紀へのビジョン」 金明秀>
~次回、「3 関連記述の描き方」について~
<全リンク⇒1へ> <日朝関係(戦後)181・182・183・184・185・186・187・188・189・>
※追加修正(5月26日) まとめ表に教育出版の記事資料追加、教育出版の評価変更。