■後書き -2- なぜ 「恐るべき数字」なのか?
なぜなら、各131観点での✖評価の意味は、「中学校教科書として適切ではない=失格」だからです。
(平成31年3月)10日後ぐらいに出版・販売する、紙版「第4回報告書(最終)」の「調査報告書の見方」には、次のように書いています。
ⅳ 評価と考察について
⑴ 評価基準の基本観点
① 学問的に公正・公平な記述・表現がなされているか。
② 近未来に生きる日本国民として知っておくべき、重要な歴史知識を記載しているか。
⑵ 〇×△の基準と評価点
〇 上記①②の基本観点を両方とも満たしている場合・・・・・・・・・・+1点
× ①②の片方、あるいは両方の基準を満たしていない場合・・・・・・・-2点
△ 〇と×の間にある内容。不適切だが致命的ではないと思われる場合・・―1点
⑶ 評価結果についての説明
原則として、表中の小項目ごとに×と△の理由を説明し、該当する会社名を挙げている。
つまり、《✖がついている小項目(※各観点内に複数ある)は、「学問的に、公正・公平とは言えない」か、または、「重要な史実を書いていない」か、または、その両方だからです。
「総合評価」は、131観点内の複数の小項目の評価を総合して、各観点ごとに行っています。なんと、全8社のうち6社(東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎)は、✖評価が60以上もあるのです。おおよそ半分も…
・✖の数(131観点で) 育鵬社9 自由社17 東京書籍62 帝国書院66 教育出版64 日本文教75 清水書院61 学び舎86
※1 比較のために採り上げている33項目(131観点)は、《各社の内容にかなりの違いがみられる事項》であり、教科書内容の全項目ではないので、ご留意を。
※2 以上の結果を受けて、以後、上記6社の中学歴史教科書を「不適切教科書」と呼ぶことにします。
~次回3は、教科書全体のうち、どの部分に「かなりの違い」があるか?(=どの部分が「おおむね同じ」なのか?)について、調べます。~
《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》
※原典ブログの”コメント復活”を、3/21に予定しています。