33 「世界の現状と今後の日本の課題」の描き方 -9-
■まとめと考察
⑴掲載事項 3/n ~まとめ表再掲~
■各社への疑問
1 「グローバル化」と「愛国心・愛国主義(nationalism・patriotism)」に関して
●東京書籍:「…①平和、環境、資源、食料、感染症といった課題は、一国だけでは解決できなくなってきており、②私たちは日本国民としての意識に加えて、③地球に生きる人間(地球市民)としての意識をもつことが求められています。」<p263「3 持続可能な社会に向けて:グローバル化の進展」より>について
①・・・事実。
②日本国民としての意識をもつことが求められている。
「意識」??? 江戸時代以前ならまだしも、明治以後、”外国を意識しない” = ”日本国民としての意識をもたない” 大人の国民はいないだろう。すでに、もうみんな持っている。
上記の「課題」のうち、もっとも重要な「平和」(≒戦争)について考えてみよう。
例えば、”中華人民共和国(※以後、中共と略す)の脅威(覇権主義)”・・・この問題(国難)が、「日本国民および地球市民としての意識(≒認識)」を持てば解決できるのか?
できるわけがない。少なくとも、多くの国民が ”日本国民として自国を護るという自覚・覚悟” を持たなければ無理だろう(+軍事的抑止力もだが)。なぜなら、中共は、”日本を征服する” という積極的目標をもっているのだから。
この「自国を護るという自覚・覚悟」のことを、「愛国心」と言う。したがって、②は、「私たちは日本国民としての愛国心に加えて」という表現が妥当。
③地球市民としての意識をもつことが求められている。
そのとおりだと思う。ただし、まだ、”地球政府”が実現していないことをしっかりと認識しなければいけない。世界の人々が「地球市民としての意識」をもったとしても、その地球市民の権利を守る権力(政府)はないのだから。
したがって、③は、「民主的な世界政府をもつ努力をする」と改めた方がいい。
私が東京書籍の編集責任者なら、「…一国だけでは解決できなくなってきており、私たちは日本国民としての愛国心に加えて、民主的な世界政府をもつ努力をすることが求められています。」としたい。
※教育出版も「世界のなかの市民の一人として」という表現をしているが、両社とも、「中共の覇権主義(脅威)」について、”意図的に書き漏らしている” ことと密接な関係があるのだろう。
~次回4/n、■各社への疑問2~
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・著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<AまたはB >へのコメントで教えてください。