1 「朝鮮にいた日本人引き揚げ者(帰国者)の状況」の描き方のちがい ⑶
~まとめ表再掲~
② 考察と評価
■一部の島国の民と、大陸の民との大きなちがい
1万年以上昔からの縄文文化以来、海外からの渡来人をほぼ融和的に受け入れてきた日本人はなかなか想像できないだろうが、
”大陸”では、部族間、民族間、国家間の関係は、ほとんどが”命をかけた熾烈な戦い”によって決着がつけられてきたようだ。
戦勝民は敗戦民(※戦士だけでなく)を”皆殺し”にしたり、女子供、抵抗しない丈夫な男などの有用な者は奴隷にしたり、若い女には”強制的な種付け”(=強○)をしたりした。
そのようにして、勢力を拡大し続けた。戦いに負けた部族・民族・国家はほとんどが消えていった。
これが、他者からほぼ隔離されていた少数の島国を除いた、地球世界の常識だった。
だから、日本文明の伝統を受け継いでいる日本人と、大陸系外国人の間には、《なかなかに越えがたい=相互理解がむずかしい》、「人間認識」「社会認識」のちがいがある。
《紛争時の強○や虐殺(=むごたらしい殺し)は、あって当たり前》 という社会集団と、《紛争時でも、強○や虐殺は、一部の犯罪素質者が実行すること》と昔から思っている社会集団とは、”基本的人間認識”のちがいがある。
だから、《多くの大陸系外国人から、いわゆる”南京大虐殺”や、嘘の”従軍慰安婦”などの実相をなかなか理解してもらえない》のは、ある程度しかたのないことだ考えざるをえない。しかも、「日本の敵」は戦争でもしているかのように、世界中で「宣伝戦・情報戦」を続けているのだから。
(※生命と国家の存続に自信とゆとりが持てるようになった欧米先進国では、ついこのごろから=第2次世界大戦後あたりから、”普遍的人権”を信じたり追求する人々が増えてきたらしい。この人々は、東南アジアの水田稲作+仏教文化を昔からもっている民族に次いで、日本(人)のことを理解できる可能性が高くなってきたと思う。)
■日本人は中学生に何をどこまで教えるべきなのか?
いやおうなく”国際化”した現状においては、日本史教科書ではあっても、《外国(世界)とのかかわりを意識した内容=すぐに大人になる中学生が、外国(人)としっかり渡り合える知識》を教えなければいけない。
(もう”海禁政策”や”鎖国”はできないのだから)
以上のことを踏まえれば、
・外国に配慮したり、遠慮したり、謙虚・温厚になりすぎたりするのではなく、歴史的”事実(と判断したこと)”については、はっきりと書き(主張し)、教えなければいけない。
したがって、世界最多級の人間移動である「敗戦後引き揚げ」のさいの「日本人の悲劇=強奪、拉致、強カン、殺害、虐殺など」の実相について、
《将来の国家間紛争や戦争において、”国際法や普遍的人権など無視する”国などに負けた場合、日本国民がどんな目に合うのか想定できるようにする》という、危機管理的発想も踏まえて、
中学生の精神発達段階に配慮しながらも、適切に教える必要がある。
~では、現在の教科書は、「日本人の悲劇」をどう教えているのか~
A 抽象的すぎる表現だろう・・・△
育鵬社(攻撃、略奪、多くの犠牲者)、自由社(困難をきわめ)、帝国書院(たいへんな苦労をしながら)、清水書院(生命と財産に多大な被害と深い傷あとを残した)
B 抽象的かつあいまいすぎる表現・・・× 東京書籍(順調にはすすまず)
※「順調にすすま」なかったという、その内容を考えれば、ほとんど嘘に近い。
C まったく書いていない・・・× 教育出版、日本文教、学び舎
※この3社は、”学問的表現の世界標準”では、”隠している”、”書かないという嘘”というレベル。
~次回から、2「日本にいた朝鮮人引揚者の状況」の描き方~
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※追加修正(5月26日) まとめ表に教育出版の記事資料を追加。