29 日米関係 -225- 《戦後》Ⅺ 占領期(1945-52)-59-
■まとめと考察 ⑻主権回復 8/n
~考察と評価 6/n(一部未評価):賠償2/2~
3 「賠償」の描き方を評価する 2/2
【東京書籍】 事実の全体像をきちんと書かず、あえて、日本についてマイナスイメージの誤解を与える描き方をしている。 → ✖
非締結国について書かれている文章のすべてが、まるで〝日本国に対して悪意をもっている?” としか思えない偏向した書き方にみえる。これを中学生が普通に読めば、ほとんどの者が、《日本はアジアの国々に対してきちんと賠償していない》と思うだろう。
① 後半の「…不満を持ち、調印した条約の承認を行わなかった国もありました。」というけっこう長い文なのになぜか国名を書いていないが、それはインドシアのこと。インドネシアには、1958年に約803億円(※現在の価値で約4658億円)もの戦争賠償をしている。国名を書いていない理由は、「印象操作の嘘」がばれないためとしか考えられない。
② インドネシアは、調印はしたのになぜ「承認(=批准)しなかったのか?・・・インターネットでかなり調べたが、その理由は分からななった。こんなささいなことを、東京書籍はなぜわざわざ書くのだろうか? おそらく、マイナスイメージの印象操作のためなのだろう。
【帝国書院】 事実の全体像をきちんと書かず、あえて、日本についてマイナスイメージの誤解を与える描き方をしている。 → ✖
確かに、スリランカはとてもありがたい提案をしてくれている。しかし、後半の文を読むと、中学生の多くは《「大半の(≒ほとんど)」の国が「賠償を」もらわなかった》と思うだろう。
【日本文教】 一部に誤解を与える描き方がある。 → △
「オーストラリア、オランダ、イギリス、アメリカ」・・・この4か国については、中学生は、《日本は1円も支払っていない」と読み取るだろう。しかし、支払っていないのは、国家に対する「戦争賠償」であって、「連合軍捕虜に対する補償」として「日本は1955年の取り決めにおいて450万ポンド(45億円)を赤十字国際委員会に支払った。」なお、工場機械などの現物賠償も、占領初期に一部行われたようだが、詳細は把握していない。
※文章後半・・・東南アジア諸国関係について適切に描いている。
【学び舎】 一部しか描かいていないのに、それが全部と誤解される描き方をしている。 → △
国名を書くなら、すべて書くべきだろう。
<参考:自由社資料>
~次回、「安保条約」~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<AまたはB >へのコメントで教えてください。