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中学歴史教科書8社を比べる】662 29 日米関係 -226-   Ⅺ 占領期(1945-52)-60-(完)~まとめと考察 ⑻主権回復 9/9:考察と評価 7/7:(旧)安保条約~

2019年01月11日 | 社会・文化・文明

29 日米関係 -226- 

Ⅺ 占領期(1945-52)-60- ~まとめと考察  ⑻主権回復 9/9:考察と評価 7/7~ (完)



 

4 「旧:日米安全保障条約(1951-1960)」の描き方

■基礎知識 <ウィキペディア「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」より> ※色字強調は松永による。

・「概要 …朝鮮戦争が継続されるなか、日本は共産主義陣営を除いた諸国と講和する運びとなってきた(単独講和)。防衛・安全保障環境を憂えた日米両国は、日本の主権回復後もアメリカ軍が駐留することで、極東における安全保障環境を維持することとした。これにより、日本国との平和条約と同時に、“全ての占領軍は講和成立により速やかに撤退する、二国間協定により引き続き駐留を容認される国も存在出来る”と定めた条約第6条a項但し書きの規定を基に本条約が結ばれた。この条約により、アメリカ合衆国は「望む数の兵力を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利を確保」(ジョン・フォスター・ダレス)した。

 条約は前文と5条からなり、アメリカ軍が引き続き日本国内に駐留し続けることが骨子となっている。条約の期限は無く、駐留以外に援助可能性には触れているが、防衛義務は明言されていない。また、内乱対応への言及もあった。このため、防衛義務の明言や内乱条項の削除などを行った日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(新日米安保条約)が締結、1960年に発効した。旧日米安保条約第四条および新日米安保条約第九条の定めにより、旧日米安保条約は1960年6月23日に失効した。

 

・「内容 前文 日本に独自の防衛力が充分に構築されていないことを認識し、また国連憲章が各国に自衛権を認めていることを認識し、その上で防衛用の暫定措置として、日本はアメリカ軍が日本国内に駐留することを希望している。また、アメリカ合衆国は日本が独自の防衛力を向上させることを期待している。平和条約の効力発行と同時にこの条約も効力を発効することを希望する。

第一条(アメリカ軍駐留権) 日本は国内へのアメリカ軍駐留の権利を与える。駐留アメリカ軍は、極東アジアの安全に寄与するほか、直接の武力侵攻や外国からの教唆などによる日本国内の内乱などに対しても援助を与えることができる

第二条(第三国軍隊への協力の禁止) アメリカ合衆国の同意を得ない、第三国軍隊の駐留・配備・基地提供・通過などの禁止。~以下3-5条略~

  

・「条約の適用 第一条「外国による武力侵攻」に関して、この時期の該当例は、韓国による竹島占領、ソ連による色丹島および歯舞諸島占領がある。いずれも当時、米国が日本の主権だと認めていた領土への外国の武力支配であったが、安保条約による米軍の援助はなかった
 
色丹島と竹島については、東京領事ウィリアム・ターナーは、1953年11月30日付けで「リアンクール(竹島)論争に関する覚書」を本省に提出し、安保条約と領土問題について触れている。ラスク書簡をもとに竹島に対する日本の主権を認めていながら、竹島問題にアメリカが介入して恨みを買うことを恐れていたターナーによると、竹島問題は、ソ連が占領した日本領の色丹島問題と似ている、という。アメリカは「色丹島が日本の主権に属する」と声明したが、日本はアメリカに対して「安保条約に基づく武力行使」を要請してこなかった。したがって竹島問題についても、「日本人が日米安保条約を呼び出すのではないかと過度に不安になる必要はない」と述べている。
 
1957年、ソ連国境警備隊は歯舞諸島の低潮高地である貝殻島に上陸、実効支配したが、アメリカによる対抗措置はなかった。」

  

 

■考察と評価

●旧安保条約の根幹である「米軍の駐留継続」について明記している。 → 〇 7社(東京書籍以外)

 ※他に、「米軍による防衛義務の無記」や、「内乱に対する援助」も問題点だが、中学教科書でそこまで書くかどうかは編集裁量範囲だろう。

●米軍(米国)の真の意図について、誤解を与える可能性が高い表現をしている。 → △ 東京書籍。

 ※「日本の安全と東アジアの平和を守るという理由から、…アメリカ軍基地が…残される…。」・・・(表面的・形式的な)理由にまちがいはない。
 しかし、「防衛義務の無記(=免除/放棄?)」と、「内乱対応」(=治安維持に関する主権への干渉)という内容を考え合わせれば、「米国の真の意図」は、「日本(人)を護る」ことではなく、《日本独立後も実質的な占領状態を維持すること(≒日本への支配力や影響力の継続)》にあると考えられる。
 もちろん、日本の中に《米国依存派や米国従属派》がいたことは事実であり、米国の一方的な強制とは言えないようだが。(※例えば、日本による朝鮮併合に際して朝鮮内部に《日本依存や従属派》がいたことと同様の状況)

 したがって、「日本の安全と東アジアの平和を守る」とわざわざ書くならば、同時に、「防衛義務の無記」と「内乱対応(主権干渉)」についても書く必要がある。

 

~次回から、Ⅻ「安保改定1960」~

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者:松永正紀  教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<または >へのコメントで教えてください。 


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