29 日米関係 -224- 《戦後》Ⅺ 占領期(1945-52)-58-
■まとめと考察 ⑻主権回復 7/n
~考察と評価 5/n(一部未評価):賠償1/n~
3 「賠償」の描き方を評価する
日本国民は、これからアジアの諸国との良好な関係を続けていくために、その国々に対する過去のわが国の行為(史実)を知っておく必要がある。終(敗)戦にともなう賠償もその一つだろう。
<ウィキペディア:「日本の戦争賠償と戦後補償」>より、一部抜粋・引用する。
・「日本が20世紀前半の戦争によって損害を与えた国々および人々に対する賠償・補償問題は、日本の戦後処理の重要な課題の一つであった。」
・「定義 戦争賠償とは、戦争行為が原因で交戦国に生じた損失・損害の賠償として金品、役務、生産物などを提供すること。通常は講和条約において敗戦国が戦勝国に対して支払う賠償金のことを指し、国際戦争法規に違反した行為(戦争犯罪)に対する損害賠償に限らない。例えば下関条約において清が日本に支払うとされた賠償金3億円なども戦争賠償に含まれる。
一方、戦後補償(英:compensation)は、戦争行為によって損害を与えた人々に対して行われる補償のことで、広義の戦後補償は戦争賠償を包含する。
一般には、戦争賠償は国家間で処理される問題、戦後補償は被害者個人に対してなされる保証として言われることが多い。
なお、旧植民地に対する旧宗主国が、独立を承認する際に賠償を行う事例も国際法上の規定も存在しない。独立を承認する際には、むしろ旧宗主国が旧植民地に対して請求する事例の方が多い(フランスによるハイチ独立への請求、オランダによるインドネシアへの請求など)。」
・「戦争賠償の形態 中間賠償 中間賠償とは、軍需工場の機械など日本国内の資本設備を撤去して、かつて日本が支配した国に移転、譲渡することによる戦争賠償である。1945年11月に来日したアメリカ占領軍E. W. ポーレー率いる米賠償調査団によって行われた最初期の対日賠償政策である。工場設備による賠償は後の平和条約による最終的な賠償ではないという観点から「中間賠償」と呼ばれた。また、中間賠償にはまた日本の産業的武装解除も兼ねて行われたという側面もある。大蔵省によると、1950年5月までに計1億6515万8839円(昭和14年価格)に相当する43,919台の工場機械などが梱包撤去された。受け取り国の内訳は中国54.1%、オランダ(東インド)11.5%、フィリピン19%、イギリス(ビルマ、マライ)15.4%である。
在外資産による賠償 在外資産による賠償とは、日本政府や企業、個人が海外に持っていた公私の在外資産を提供することによる賠償である。…中間賠償と同様に、ヴェルサイユ条約でドイツに課せられた膨大な賠償金がドイツを再び戦争へと向かわせたことへの反省から、できる限り在外資産を没収する形での賠償をさせようという方針がとられた(第二次世界大戦後のドイツにも同様の措置がとられている)。例えば中国(中華民国)は賠償金請求権を放棄しているが、在外資産による賠償は受けている。…
…これにより中華人民共和国は旧大日本帝国政府と日本国民が中国大陸(東部内モンゴルおよび満州含む)に有していた財産、鉱業権、鉄道権益などを得たとされる
一方、朝鮮には第14条の利益を受ける権利が与えられていない。朝鮮など太平洋戦争開戦前より既に日本領であったがサンフランシスコ平和条約により日本から分離されることになった地域にある資産に関しては、第4条で「当該地域の施政当局・住民の対日請求権の問題を含めて施政当局との間の特別協定の対象」とされ、朝鮮は第21条でこの利益を受ける権利を有するとされた。
外務省の調査によると、1945年8月5日現在の在外資産の総額は次の通りである…朝鮮 702億5600万円 /台湾(中華民国) 425億4200万円 /中国 ・ 東北 1465億3200万円 ・ 華北 554億3700万円 ・華中・華南 367億1800万円 /その他の地域(樺太、南洋、その他南方地域、欧米諸国等)280億1400万円 //合計 3794億9900万円。
同調査には合計236億8100万ドル、1ドル=15円で3552億1500円という数字もある。」
・「連合軍捕虜に対する補償とは…連合国捕虜に対し行った補償である。…日本は1955年の取り決めにおいて450万ポンド(45億円)を赤十字国際委員会に支払った。」
・「占領した連合国に対する賠償とは、サンフランシスコ平和条約第14条で定められているところの日本が占領し損害を与えた連合国と二国間協定を結んで行った賠償のことである。一般に狭義の「戦争賠償」は、この二国間協定による賠償が意味されることが多い。…フィリピンと南ベトナム共和国は1956年と1959年に賠償を受けた。ビルマ連邦(現ミャンマー)とインドネシアはサンフランシスコ平和条約の締約国ではなかったが、1954年と1958年にそれぞれ別途にサンフランシスコ平和条約に準じる平和条約を結んで賠償を受け取った。二国間協定による賠償を受け取った国々はフィリピン、ベトナム、ビルマ、インドネシアの4カ国。」
<※金額は、下記の自由社の実物コピー参照 /単位=億円>
・「準賠償 …ラオス、カンボジア、ビルマ、シンガポール、マレーシア、ミクロネシア…」<※金額は、上記の自由社の実物コピー参照)>
※朝鮮半島に関しては →<・199~ ・日韓基本条約 201~>
~以上の基礎知識をもとに、各社の評価を試みる~
【自由社】 一覧表により適切な情報を示している。 → 〇
【育鵬社】・【教育出版】・【清水書院】 賠償については無記 → △
※「賠償」は、「国防・安全保障事項」ほどの必須知識とまでは言えないので、△にしている。
【東京書籍】【帝国書院】【日本文教】【学び舎】 ・・・さらに詳しく調べないと評価できないので、次回につづく。1社ずつ検討するしかない。
<全リンク⇒1へ> <占領期 ⑹植民地648・649・650・⑺占領政策転換651・652・653・⑻主権回復654・655・656・657・658・659・660・>
《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<AまたはB >へのコメントで教えてください。