すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

STORY.13 リアルとフェイクの狭間で

2008-12-17 11:05:31 | 小説
前書きです。
先日、下書きを残した深夜の妄想、です。

すばる君のWebに反応してみました。

区切る場所がないので、一気に一話いきます。

でも。
深夜に妄想すると、なんで、いっつも、こんな感じになるのかな?

私の深層心理に、なにが隠れてるの?

それはさておき。

よろしければ、続きでどうぞ。



ギッ・・・・・・

かすかにベッドが軋んで、彼がしきりに寝返りをうつ。

眠れないのか      

ため息にも似た、深い息を吐き出し、
傍らのサイドテーブルに手を伸ばすのが、物音でわかる。

携帯を手に取ったようだ。

声をかけるべきか、
見ない振りをすべきか      

私は、彼の横で、眠っている振りを続ける。


時々       
こんなふうに、
彼がよく眠れないらしいのには気づいていた。

たいていは、昼間の仕事の疲れもあって、
倒れるように眠る彼だけれど、

お酒が過ぎた時とか、
どこかのライブに出掛けて行って、
興奮冷めやらない状態の時とか、

テンションが高いまま眠りについたような夜、

身体の疲れとはうらはらに、
脳が、眠りを受け付けていないことがあった。

今夜も。

私を抱くことで波立つ感情を鎮め、
その無理矢理な疲労から、浅い眠りに引き込まれたかのように、
私には、見えた。

けれど。

やはり、どこからともなく波が立ち、
それは、やがて大きなうねりとなって、
彼を襲い、飲み込もうとしているらしい。

携帯を手にした彼は、
薄暗い中、画面を見つめ、
湧き出る想いのまま、メールを打ち込んでいる。

どこへ宛てているのか。

気にしまいとすればするほど、
俄かに私の心にも雲が広がり、陰りが現れた。

水面に広がる輪のように、
それは、次第に私の中をざわつかせ始める。



「眠れない・・・・の?」

私の言葉に、
彼は驚いたように、こちらを向いた。

「なんや、起きてたんか?」

「ううん、少し、眠ったみたい」

「じゃあ、起こしてしもうたんやな。すまん」

彼は言いながら、
携帯を閉じようとした。

「メール、途中でしょ。打っちゃったら?」

「別に、急ぐこととちゃうから」

「だって・・・・」

「ええねん!!」

彼の強い言葉に、私の身体が、ビクリ、と硬くなる。

「ああ、またや。ちゃう、ちゃうねん。すまん」

彼は携帯を枕元に置くと、私に身体を寄せ、
無言で、その左腕を差し出した。

彼の腕を枕に、
私は、彼の胸に、耳を近づける。


ドクン、ドクン・・・


耳に伝わる心臓の音。

彼の手が、髪に触れ、
耳に、頬に、
指が降りてくる。

規則正しい鼓動と、
静かな息つかいだけが、私を包む。


「ねえ、訊いてもいい?」

沈黙に耐えかねたのは、私のほうだった。

「誰に、メールしてたの?」

見上げた私の目のそばに、
彼の、細いあごのライン。
首筋の、ほくろ。

「宛てなんか、ないんかもしれん」

「・・・・・・?」

「わからんか。わからんよな。
 俺にも、ようわかってへんもんな」

横顔で、彼が苦笑った。

「不特定多数に宛ててのメールなんて、
 誰にも宛ててない、独り言と一緒なんとちゃうかな・・・。
 
 独り言やったら、打ったかて、意味あらへんもんな。

 せやから、ええねん」

彼が私を見て、

「そない、不思議そうな顔せんかて、ええやん」

右手で、私の鼻を、クイッとつまむ。

「おまえは、心配せんでもええねん。

 あ。

 もしかして、おまえ、今、オレが浮気してると思うたやろ」

彼の指を払いながら、私は答えた。

「そんなこと、いつ、言ったのよ」

「ほら、怒った。それが証拠やわ」

「もう! 誤魔化さんといて」

「なんも誤魔化してへんやん。
 それに、
 もともと誤魔化すんは、得意とちゃうし、な。
 おまえが一番、知ってるやろ」

彼が、私の額に、頬を寄せた。

「なあ、オレのこと、好きか?」

「は?」

「好きなんは、顔? ルックス? 声? 身体? ・・・才能・・・?

 んなわけ、ないか」

急に何を言い出すのだろう。

「おまえさあ、オレが、このナリじゃなかったら、
 オレと付き合ってた?
 オレが、今みたいなオレじゃなくて、
 たとえば・・・」

「今さら、何、言ってんの? カッコ悪い」

「カッコ悪い、か?」

「うん。子供みたいなこと、言わんといてよ」

「ほしたら、カッコええって、どんなん?」

「基準なんか、人によって違うやん。
 そんなん、気にしないんじゃなかったの?」

「気にせえへんよ、別に」

「うそつき」

「え」

「気になったから、寝られへんかったんでしょ。
 また、誰かに、なんか言われて、
 考えてもしょうないこと、考えてるやん」

「おまえ、キッツぅ。へこむわあ」

「図星なん?」

「・・・言われたんは、ほんま。
 言われて、考えて、答えが見えんくなって、
 頭ん中、ぐっちゃぐちゃ、や。

 やっぱり、うそつき、なんやな。
 正直に生きたいと思うてんのに、
 生きてると思うてんのに、
 出来んもんやな」

「いいんじゃない、それでも。
 そのままでも。
 そう思って行動してくことが、大事なんでしょ。

 あなたの、

 頑固で強情なくせに、

 そうやって、他人の言葉に、
 素直に反応しちゃうようなとこ、好きよ?

 私が、あなたを好きってだけじゃ、ダメなの?
 足りないの?」

彼が、少し身体を起こして、私を覆う。

すっぽりと、彼の腕に包まれて、
息が、顔にかかる。

まだ、かすかに残るお酒の匂い。

私を包み込む彼の柔らかな体温と、彼の体臭。

嫌いじゃない。

「十分、や。それで、十分なんや」

うわごとのように、自分に言い聞かせながら、
彼の指が、私をなぞり始める。

「選ぶんは、いっつも、オレ自身や。

 仕事も、女も、この先の道も。

 それがリアルになるんか、フェイクになるんかは、オレ次第。

 そういうことやんな」

乱れ始める吐息をこらえ、
私は、うなづく。

「どん・・・な、あなた・・で・・・も、
 ここ・・・に、いる、あな・・・たが・・・、
 わた・・・し・・・にとっ・・・ては、本・・・も・・・の。
 疑わない・・・で。・・・信じ・・・て。
 愛・・・し・・・てる・・・わ」

彼が、何かを振り払うように、
やがて勢いを増していく。



その夜、
大きな波に飲み込まれたのは、

彼ではなく、

私の方だった。






         FIN.



 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食いつきすぎでしょ

2008-12-17 00:48:23 | 関ジャニ∞
「ありえへん」のヒナちゃん。

メール話に食いつきすぎでしょ。

そのメールテクニック、すばる君にも教えてあげてね?

(・o・)、
今気付いた。

丸ちゃんにも、おひげがあるわ。今日のオンエアにも、あった?

確認してみなくちゃ
ああ、
でもこれ打ちながら、何度も眠りに落ちそうになっちゃった(-.-)zzZ

確認は、明日かなあ?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする