陸奥のパワースポット

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八甲田を仰ぐ14 ・・・山ふところ・・・

2017-02-09 17:13:39 | 旅行

 

 

 

 

活火山北八甲田の山ふところに入ると・・・・・

 

 

 北八甲田火山群は八甲田カルデラの後カルデラ火山(中央火口丘)群であり、その活動開始年代は、40万年前以降とされている。

山体は全体的に開析はあまり進んでおらず、火山地形が良く保存されている。

特に、大岳、井戸岳、赤倉岳には新鮮な溶岩流・火口・火砕丘地形認められる。

 

 山体は、赤倉岳(1,548m)、井戸岳(1,550m)、八甲田大岳(1,585m)、硫黄岳(1,360m)が南北に並び、小岳(1,476m)、高田大岳(1,551m)、雛岳(1,240m)が東西に並ぶ。

 前岳(1,251m)、鳴沢台地(1,295m 1,232m)、田茂萢岳(1,326m  1,324m)も中央火口丘の疑いはあるが地形的にはおそらく外輪山と考えてよいだろうとの見方もある。八甲田カルデラの西側はカルデラ壁がその後の火山活動の噴出物におおわれ、外輪山地形は不明確となっている。

 

 

直線的に南北に並ぶ  手前から赤倉岳山腹、井戸岳、大岳      赤倉岳中腹から

 

 

井戸岳から高田大岳を仰ぐ

 

 

 

東西に並ぶ   右手前から小岳、高田大岳、雛岳   奥は黒森    井戸岳から

雛岳の溶岩が玄武岩質安山岩、高田大岳の溶岩が玄武岩~玄武岩質安山岩で、その他の山体の溶岩は安山岩とされる

 

 

 

井戸岳から  主峰大岳を仰ぐ   過去6000年でみれば噴火活動はこの山のみとされる

気象庁の常時観測はこの山体を主眼に行われている

 

【 大岳の火口地形について ( 2003工藤崇ら より) 】

『 大岳山頂には直径約180m、深さ約40mの円形の火口、北東斜面には直径20~30mの2つの小火口、山頂南側には直径30m程の小火口、南西斜面には長径350m×短径170mの爆裂火口が存在する。このうち山頂南側の小火口には水がたたえられており「鏡沼・かがみぬま」と呼ばれている。この火口を鏡沼火口と呼び、山頂の最も大きな火口を大岳山頂火口と呼ぶ。また、北東斜面の2つの小火口の間には、幅約30m、深さ十数メートルの狭い谷地形が存在する。この谷の内部は著しい熱水変質帯になっており、水蒸気噴火による割れ目火口列であった可能性が高い。これらの火口は北東~南西方向に配列する傾向が認められる。』

 

 

外輪山の石倉山牧場から大岳を遠望   北東斜面の2つの小火口か?

 

 

赤倉岳から   井戸岳の噴火口の奥に大岳

 

 

井戸岳   火口壁の溶岩ドーム

『井戸岳の山頂部には、直径250m、深さ40~50mの爆裂火口があり、火口壁には複数の溶岩ドームの断面が露出している。また、山体南部斜面にも直径150mの火口があり、その東側にできた登山道は斜面崩壊が著しいため、木材などで補強が施されている。』

 

 

下毛無岱から井戸岳を仰ぐ

 

 

 

赤倉岳山頂   “霊峰八甲田”として崇めるしるしの小やしろ

 

 

赤倉岳山頂  山体崩壊地形

 

 

赤倉岳 山体崩壊地形

 

 

赤倉岳  山体崩壊地形  田代平 外輪山

 

 

同上

 

 

カルデラ床(田代平)から   赤倉岳の山体崩壊地形

 

『 赤倉岳には北東斜面に幅1.6kmの古期山体崩壊地形があり、それに重なる形で幅550mの新期山体崩壊地形が北東方向に開いている。この山体崩壊による岩屑(がんせつ)なだれ堆積物が田代平に広く分布し、その大部分は湖成層におおわれているが、流れ山の上部が顔を出しているものもある。』

 

 

赤倉岳山腹から   前岳

 

 

赤倉岳山腹から   田茂萢岳の2つのピーク  田茂萢湿原

 

 

赤倉岳中腹から   上毛無岱  下毛無岱  南八甲田横岳

 

 

赤倉岳中腹~上毛無岱 “宮様コース”   田茂萢岳の1,324mピーク

 

 

上毛無岱から下毛無岱を俯瞰    岩木山

 

 

同上  沖浦方向の古いカルデラか

 

 

 

毛無岱の草紅葉

田茂萢岳

 

 

櫛ヶ峰

 

 

 

 

赤倉岳、井戸岳、大岳

 

 

【参考】「北八甲田火山群の活動について」

ー十和田湖・八甲田山 (青森県立郷土館)よりー

『 北八甲田火山群の活動は、およそ40万年前に八甲田カルデラ内で始まり、まず雛岳・高田大岳・田茂萢岳・前岳・鳴沢台地が活動を始めた。続いておよそ35万年前に仙人岱、30万年前に硫黄岳・赤倉岳・大岳、25万年前に小岳、20万年前に井戸岳が活動を始めた。北八甲田火山群の最高峰である大岳を構成する溶岩は、30~15万年前に噴出した溶岩、およそ10万年前に噴出した溶岩、およそ5万年前に噴出した溶岩の三つに分けられることから、大岳は3回の大きな噴火活動を経て形成されたと考えられる。さらに、5万年前以降も活動が続いており、山頂付近の鏡沼や山麓の地獄沼から噴出したと思われる火山灰等が見つかっている。大岳西側山麓には、2回目の溶岩流からなる溶岩台地と3回目の溶岩流からなる溶岩台地の上に上下二段の湿原が形成されており、それぞれ下毛無岱・上毛無岱と呼ばれて高山植物や湿原植物の宝庫となっている。』