起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

「希望格差社会」がやってきた!

2005-03-20 10:54:48 | Weblog
本屋で平積みにされていたので、思わず手にとって買いました。

「希望格差社会」

内容については、千種通信さんやブログ人でビジネス・ブック・マラソンさんのブログで簡潔にまとめていらっしゃるようなので、そちらを参考にしてください。
NHKでも特集をやるようです。

フリーターやニートの対策についてテレビでいままでやっていた特集なんかは、表面的なものなんだと改めて考えさせられました。

この本では、今の日本で進行している現状を正確に分析しています。
多くの人にこの現状を知ってもらう必要があると思われます。

・フリーターやニートが増え続けている理由、
・これからの世の中はどうなっていくか、
・これからわれわれ個人はどうなるのか
について、「希望格差」をキーワードにうまく説明しています。

・フリーターの増加
・年金制度の崩壊
・普通の人が起こす凶悪犯罪
・日本社会の将来が見えない閉塞感
等の社会問題の説明も「希望格差」をキーワードにうまく説明しています。


この本のいいところは、現状分析に優れているところですが、解決策については触れてはいるものの力が抜けているなと思いました。

ネットで検索すると、この点に不満を持っているコメントが多いようです。
ただ、この点については解決策は簡単には見つからないのではないでしょうか?
(著者からの第2弾に期待?)

自分なりに考えると、派遣や請負等の雇用形態の範囲拡大に問題がある気がしました。


希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

筑摩書房

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3 コメント

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新自由主義 (とも)
2005-03-20 14:21:29
グローバリゼーション、少子高齢化、規制緩和、民営化、アウトソーシングの拡大、近代家族の崩壊…新自由主義の拡大と「自己責任」の時代ですね。



山田氏は家族社会学者ですが、最近はフリーター、パラサイトシングルなど、こちらの方面の本を書いていらっしゃいますね。



解決策はないのでは?というのはその通りだなあと思います。

というか、本当の解決策は、このような本を材料にして、みんなで話し合い、考えていくことではないでしょうか。

どんな社会にしたいのか。

社会学者だけが、本や教室、学会の中で考えるのではなく、

いろんな人がみんなで考えていってくれることが、社会学をやっている者の望みかなと思っています。
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Re:新自由主義 (norio)
2005-03-22 23:22:43
実はこの本については、考えさせられること多数です。



世の中で密かに進行しつつある二極化。

このことを知らない親世代、比較的裕福な会社員。

彼らも時代の閉塞感を感じてはいるのでしょうが、これからはこのことがもっと顕在化していくことでしょう。





新自由主義といえば。。。(以下のコメントは意味が違っているかも知れませんが。)



自由が過度に進行すると、自由がなくなっていくことに、気がつく必要があるようです。



職業選択の自由があるからといって、誰でも好きな職業になれることとは、意味が違います。(親の職を継ぐ時代と違って、職が人を選ぶようになります。)

同様に、結婚の自由があるからといって、誰でも好きな人と結婚できるわけではありません。

(親が結婚相手を決める時代と違って、相手がいないと結婚できません。)



果たして、過度な自由化の先にはどのような世の中がやってくるのでしょうか?
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Unknown (とも)
2005-03-23 07:49:09
おっしゃるとおりだと思います。

選択肢が増えるようで、実は自由が推し進められることで、われわれが選抜されてしまうということですよね?

しかもその推し進められている自由は、西洋文化における自由であって、とても限定的です。



こんなことを意図してきたわけではないのに…
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