スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

2分で120ユーロ・・・

2008年03月05日 | 生活事情・・・

その日は友人を5人ほど家に招いておしゃべりをしていた。
夕方、子供たちを学校へ迎えに行く時間になったので、友人たちをバラバラと送り出して、自分もさあ早く家を出なければと思った時だった。
外へ出て玄関の扉をバタン、と閉めたその瞬間。
「・・・やってしまった・・・。」と気づく。
とうとうやってしまった。
家のカギを中に置いたままドアを閉めてしまった。

スペインでは玄関の扉はオートロックになっている。
ひとたび閉まったら、外からではカギがないと開かない。
カギは内側から鍵穴にささったまま。
どうしよう~~~。
~~~~~♪?☆!!
とにかく今は子供たちのお迎えに行かねば。

相当動揺していたらしく、皆が心配していろんな知恵を授けてくれる。
何のことはない、誰もが一度は経験する失敗なのだ。

薄いプラスチックのファイル状の板をドアの隙間に挟み、カギ部分のバネのような突起を押し出しておいて(表現が難しいが)、ちょうどよいタイミングで押すと開くらしい。
息子の先生からその技を伝授してもらい、試してみる。
えいえい、えい。
頑張って押してみたがだめだわ。

あーでもない、こーでもないと試行錯誤してみたが、もうあたりが薄暗くなってきてしまった。




セラヘロ(cerrajero カギ師)という職業の人がいる。
イエローページに結構な件数が載っている。
閉まったドアを開けるお仕事。
私のようなお間抜けを助けてくれるおじさんたちだ。
とってもお金がかかると聞いているが最終手段だ。
もうしょうがない。
電話をしてみると随分忙しそうで、いかにうっかり者が多いかがうかがい知れる。
30分後に来ると言う。

「やあやあ、渋滞に巻き込まれて・・・」とお決まりの言い訳をしてくれながら現れたおじさん。
工具箱を開いてさっさと仕事を開始する。

まず千枚通しのようなものをカギ穴に挿しておき、やはりプラスチックファイルをドアの隙間から差し込んだ。
そしてタイミングを見計らって強烈な蹴り&体当たりをウチのドアに食らわす!
わあ~~~っ!!!
ドアが壊れたのかと思ったが・・・開いた。
おじさんの到着から2分もかからなかった。
ひたすらビックリする私。

でもおじさんはにこやかながら容赦なかった。
ボーゼンと佇む私に請求書を差し出し支払いとサインを求める。
120ユーロ也(涙)。
2分で120ユーロを腕一本で稼ぎ出す男、セニョール・セラヘロ。
その技を私に伝授してはくれないだろうか。

その前に、このおじさんはいい人なのだろうか。
簡単にドアを開けてしまう悪い人がいたらすごく危険だと思う。

そんな私の心配をよそに、おじさんはてきぱきと工具を片付け、次の仕事先に向かったのだった。
お疲れさんです。