世態迷想・・抽斗の書き溜め

虫メガネのようであり、潜望鏡のようでも・・解も掴めず、整わず、抜け道も見つからず

出遅れた打者

2022-06-17 | 日本人の性分

 

📌

出遅れた打者

 

ここ数年のニュースを見ていくと、日本の様々な出遅れに関する記事が多い。

 

先進国や他国と比べると、今の日本の出遅れ現象はつまるところ人材不足に尽きる。

人材の育成を軽視し、広範な工業力や技術力について慢心があった。

その育成に時間が必要なことを失念してきた。

次の時代進化に向けた先見的人材育成に目を向けてこなかった。

 

日本社会の全体が、40年も昔のジャパン アズ ナンバーワンの成功体験に座して、

世界の急速な進化を傍観していたと思えてならない。

以来、今やまるで空振り打者である。

いつでも3割を打てるよと慢心しているが、すでに活力のない打者に似てる。

 

人材育成への投資をしていない結果、世界の進化に対応する俊敏な反応ができない。

ITシステムの例をとっても、叫ばれているのは駆使できる人材の圧倒的不足である。

といって、外国からの優秀な人材で補うことに消極的な社会なのである。

 

もともと、動きがゆっくりとした村社会的な国であるから、一旦座り込んだ姿勢は

なかなか立ち上がらない。その間に周りの国々は忙しく立ち回っていた。

事態の把握と実態の改善の間に、とても大きなタイムラグが横たわっている。

速やかに対応できにくい社会になってしまった。

 

日本はすっかり人材や研究インフラに予算を使わなくなっていないか。

何が21世紀の社会のインフラなのか、見えなくなっていないか。

国力に対する先見性が希薄になっている。

実質長く政権を独走している自民党政権の大きな不作為ではないだろうか。

ましてや野党も・・。

 

日本社会も日本人も外の目を気にするくせに、世界の動きを覚ることが苦手なのである。

個々には優秀な研究者や技術開発者がいても、優秀な職人技があっても、

それらを新しいシステムづくりに増幅したり、着想する人材や組織が希薄である。

新技術について統合的に目利きできて、新展開を促す機関もないようだ。

 

平たく言って、優秀なディレクターは多くいるが、

大きな構想を持ったプロデューサーの出現がない社会である。

優秀な技術はあっても、それを多面的に結びつける力が弱い。

そんな弱点が日本社会にある。

勝手に言えば、アメリカのダイナミズムは、まさにプロデューサー力と思う。

 

 


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