石原延啓 ブログ

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明日の神話

2011-05-20 10:06:28 | Weblog



昨日Yahooニュースをチェックしていたら、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」に落書きという記事を発見。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110518-00000165-jij-soci
何だと!とあせって良く読んでみるとChim↑Pomの仕業だった。
記事では落書きとあったがスプレーで上描きしたのではなくて作品の一部に福島の原発を描いたパーツを勝手に付けたしたもの。
まあ、Chim↑Pomにしてはおとなしくて真面目(?)な作品なのでそんなに目くじらをたてるほどのことはないのではないかな。

もし敏子さんがご存命だったら、この作品に対して何とおっしゃっただろう?
いやそんなことより、太郎さんが生きていたら、今度の震災に対してどのようなリアクションをしただろう?
触発されてどんな作品を創っただろう?

「明日の神話」は1954年に米国の水爆実験で日本のマグロ船第五福竜丸が死の灰を浴びた事件をテーマに描かれた岡本太郎の代表作の一つ。
実はこの作品が再発見される前に、岡本敏子さんから
「太郎さんはあの事件を悲劇的に扱わないで、人類が未来、明日に向けてここから生まれ変わっていくのだという強いメッセージを込めたのよ」
といった話を聞かされたことがある。
もちろん現実には「やっぱりメルトダウンしていました」原子炉の処理、責任の所在、住民への補償、今後のエネルギー政策の見直し等、案件が山積みだけれども、それでも、尚、感情的にならずに私たちは近代を歩んで来た日本の歴史をふまえて自身の立ち位置を見直し冷静に判断していかなくてはならない。
なんせあと数十年は放射能と付き合って生きていかねばならない訳だから。

現実を簡単に風化させてはいけないけれども、「神話は過去のものではなく、明日、これから創る未来のためにある」というアーティスト・岡本太郎のメッセージもまた私たちの心に響く。