早朝東京発の上越新幹線に乗り、高崎あたりからうとうとしているうちに長いトンネルをいくつか抜けると雪国だった。
イヤほんとに。
月曜日に仕事の下見で新潟県十日町に行ったのだけれども、噂にたがわぬ凄い積雪量。
前日現地入りしたアーティストのNさんも「昨日は本当に寒くて、宿から温泉へ行こうにも迷ったらヤバいと思って止めました」って言ってたくらいだから幸いにも数日ぶりの晴れに恵まれた私はラッキーと言えよう。
商店街内の作品展示候補地を周りながら雪深い北国の生活風景を眺める。
面白いのは雪が止んだのを見計らって地域毎に特定の時間、側溝へ水を流す。
そこへ目がけて雪かきした雪を落とし込んで流してしまうというもの。
その他に手作りの木製滑り台を使って屋根の上の雪を降ろしたりしてるのも見たけれど、こりゃあ大変だ。
街を歩き回るうちに万屋の軒先で「かんじき」を発見!
まさか日常に売られている生「かんじき」を見ることになろうとは。ちなみに雪下ろしで屋根に登ったりする時に使うとのこと。
ちょうど鈴木牧之の「北越雪譜」の中で、親孝行者の若夫婦がお嫁さんの実家へ赤ん坊を見せに行く途中に天気が急変して遭難、雪の中から遺体で発見されるが両親に守られた赤子だけは奇跡的に助かった江戸時代の逸話を読んだばかりで、改めて雪国の生活の大変さを痛感させられた。
鈴木牧之曰く、雪国で突然の猛吹雪に遭うは海沿いで突然の津波に遭うようなものと書いている。
その記述だけとっても私が想像する以上に雪というものはやっかいで危険なものなのだろう。