3月24日、友人のアーティスト・平川典俊さんの誘いで、彼と衆議院議員・河野太郎さんの異色の対談を聞きにワタリウムまで足を運ぶ。平川さんは人間は本質的な自由意思に基づいて生かされるべきであり、それを阻害する世界中の権力、利権構造というものを暴いていくことをライフワークとしておられるが、今回は青森県六ヶ所村使用済み核燃料再処理工場を題材に、本件に関して自民党で唯一反対の立場を鮮明にされている河野太郎衆議院議員と日本の原子力行政などについて話をしてみよう、という企画だった。結論から言うと、もの凄く面白かった。ほとんどアートの話には触れなかったが、アートの大きな役割のひとつが社会に対して全く別の角度から切り込んでいくものであるとするならば、ワタリウムという本来美術を扱う空間においてこのような話を聞けたのは非常に有意義であったと思う。河野太郎さんは大変頭脳明晰な方で、個人的にも色々な事が明確になって勉強になりました。
原子力発電の話というのは反対派の方々がエキセントリックになる場合が多い(そりゃあ家の横に核があれば仕方ないが)。私も出来る事なら核なんて危ないものは一刻も早くこの世から無くなって欲しいとは思うのだが、はちまき絞めた反対運動みたいなものには引いてしまう自分がいるし、感情論ではなく、原子力に変わる次世代エネルギーなどについても抱き合わせてしっかり議論して欲しいと思っていた。
河野氏曰く原子力の安全性の話になると、やはり推進派と反対派の間で必ず水掛け論になり議論が紛糾してしまうとのことだ。それでは話が進まないのでお金の話、つまり現状の原子力発電が経済的にいかに非効率なのかということで話を進めることにしているとのこと。この視点はとても新鮮であり、河野議員には引き続き頑張って頂きたいところだ。
尤も日本では原発の話画ほとんど議論されないのはなぜなのだろうか。
簡単に言えば、自民党の政治家は政治献金を貰っている。民主党や社民党の政治家は労働組合から票を貰っている。経済産業省の官僚は年功序列の先輩たちが何十年もかけて構築してきた路線を中止できない(要するに原発関係の外郭団体は貴重な天下り先)。マスメディアにとっても電力会社は大スポンサーでお金を沢山貰っている。~という訳です。
河野さんによれば自民党で原発について反対意見を少しでも出そうもんなら、「お前は共産党か!?」と言われてしまう始末だとか。そういう議員さんはウランとプルトニウムの違いも分かっていないらしい。
一国民としては、まずはこの手の議題が公の場で理性的に論議されることを望む次第である。
ご参考までに、青森県六ヶ所村使用済み核燃料再処理工場の問題は下記のビデオを見てみて下さい。
http://www.veoh.com/browse/videos/category/culture/watch/v16982569w8ZbY3GN
その他「相撲の行司が中立性を失って、廻しを締めて土俵に上がっちゃう」ような昨今のメディアのあり方や情報のリテラシーの問題、狂牛病についてなど、非常に勉強になりました!
河野太郎衆議院議員HP>>http://www.taro.org/
写真は平川さんのフィルムプロジェクトより