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コア箱の中の化石

2012-12-04 21:51:16 | 宮古島にて

 前回肋骨を骨折した話をしました。 原因の一つに重たい地質試料をこの頃しょっちゅう上げ下ろししていると、泣き言に近い文句を言っていました。 これが直接原因なら労災沙汰になりますが、原因不明ですのでその話は置いといて・・・

 

 地質調査ボーリングで採集した地質試料を収める箱を「コア箱」と呼んでいます。 足下の地面の下がどうなっているのか? 誰も分かりません。 だから、直接穴を掘って観察する方法(トレンチ調査)や数10mm程度の地質試料を採集して、その試料情報を基に地下の状況を推定する作業が地質調査の目的です。

 

 今日は天気がよかったので、コア箱の試料観察を行いました。 今日の天気・・・いつものテレビ中継塔。

 会社の駐車場前。 この中でコア箱を広げました。

 

 では、何の目的で地質調査をやっているのか? 守秘義務で言えません。 本来なら見せることもできません。 では、どこまでが許せるか? まー、試料のほんの1部分で場所・目的が特定できないのなら問題ないのでは? とある意味都合のいい解釈から、コア箱で見つけた化石を紹介します。

 

 まず、石灰藻球の化石。 これは過去ブログ、宮古島の砂山ビーチを紹介した時に紹介しました。 この白くて丸いのがそれです。 周辺に開いている穴はおそらく石灰藻球が溶脱した(溶けて抜け落ちた)跡と思われます。

 

 これはサンゴです。

 放射状に伸びているのがサンゴ虫の入っていた跡。 つまり正しくはサンゴ化石ではなく、サンゴの外骨格の化石です。

 これも同じです。 さらに、

 これもサンゴ化石です。 ここまで多様ならどのサンゴの種類か分かりますか? と聞かれそうですが、分かりません・・・ たぶん誰に聞いても分からないと思います。 まず、サンゴの外骨格化石ですから、本当のサンゴが残っているわけでありません。 同種のサンゴ虫がノウサンゴや枝サンゴなど同じ形状を形成するわけではありません。 現在の学術水準ではサンゴ化石から種を断定するのは不可能でしょう。 遺伝子レベルの研究から可能になるかもしれませんが。

 

 最後に巻貝。 これはイモガイの仲間と思われます。

 

 化石が好きで地質調査をやっている人には、仕事の中に楽しさを持ち込めるので、幸せな職業だと思います。 しかし、誰の目にも見えない地下の状況をできる限り正しく推定し、建物・構造物の基礎から防災・災害予測までしなくてはいけません。 ある意味、永遠に真理が分からない分野かもしれません。

 

 今の報道・解説を見ていると原子力発電所下の活断層について、科学的論争から政治・権力奪取的な論争にすり替えられようとしているように思えます。 それよりも活断層が動いても施設が安全なような対策を取るようにしては? 原発を破棄すればいいと言いますが、そう主張する方は首都直下型地震をおさえられますか? その災害を押さえられますか? できないでしょう。 だったら首都圏を移転・立ち入り禁止にするのですか? まるで目先のことしか考えていないような気がします。 今の各政党の主張が国民の前にニンジンぶら下げたことしか言ってないみたいに・・・・・・言い過ぎでしょうか?

 


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