皆様、おはようございます。原田武夫です。
今朝はいつものとおり、Yahoo!ニュース(個人)をアップロードさせて頂きました。
ビアスの「悪魔の辞典」に倣って・・・”今知るべき10のウソ”。
公然とつかれて、世の中に出回っている「高貴なウソ」を分かりやすく説明します。
一体なぜなのか??
是非ご覧ください!!
(※いつものとおりYahoo!ニュース上で「シェア」頂くか、あるいはtweetして頂ければ幸いです!いつも本当にどうもありがとうございます!!)
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激変する環境の中で果たして「獲物」を得られるのか否か それが本当の問題だ
アメリカで出版された古典の一つにアンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」がある。1911年に出版されたこの本は様々な言葉について「普通ならばこう定義されるはず」という説明を逆手にとってブラック・ユーモアあふれる「再定義」を行ったことで知られている、辞書パロディの典型だ。
この「悪魔の辞典」ではないが、我が国のマーケットとそれを取り巻く国内外情勢について一般に流布され、語られ、信じられている”常識”は並べてみると悪い冗談のような事柄の連続であることがよく分かる。そこでビアスに倣って完結かつ分かりやすく「10の常識」を描いてみよう。
●「アメリカは着実に景気回復しており、再び世界経済を力強く牽引する。だから何も心配は要らない」
本当は今年(2014年)の秋から初冬にかけてアメリカ株を筆頭に世界同時株安になることを知っている人たちが口々に語るポジション・トーク。たとえ今年(2014年)の経済成長率を巡る見通しが大幅に下方修正されたとしても、ますます声高に語られるおまじないである。
●「アメリカにはシェール革命という奥の手があるから大丈夫だ。最後は世界最大の産油国になる」
シェール=「地球の奥底の出来事」が見えないことに悪乗りし、繰り返し語られる気休めの一つ。アメリカがシェール革命を独り占めしようとしているのならば中国に技術支援などしないはず。「うまい話」には必ずオチがある。
●「アメリカは環太平洋経済連携協定(TPP)を早く結びたいと考えている。我が国はまた狙い撃ちにされている」
先細りが激しい我が国の出版界を「嫌中厭韓」トレンドと共に潤わせ続けてくれている有難い迷信。アメリカがもし本気ならば「大統領」を使ってでも、とっとと交渉妥結をゴリ押しするはずという外交の常識をあえて語らないことがお約束になっている。
●「アメリカにおける順調な景気回復を受けて米ドルは高止まりし、円安トレンドが続く。これが日本株高の追い風となる」
「寄らば大樹の陰」という諺の通貨編とでもいうべき信仰告白の一つ。「円高ドル安誘導」が日米合意に基づくアメリカのための景気回復策の一つであること、そして何よりも直近で生じた過去3回の日本株の高騰がむしろ全て「直前の円高転換」から始まったことなどおくびにも出さない。
●「アベノミクスは失敗するが、日本経済は底堅いので大丈夫だ(でも海外に資産は移しておきたい)」
「アメリカTPP神話」と同じく、先細りする我が国出版界を潤わせてくれている永遠のおまじない。本当の問題はそれどころではなくて太陽活動の異変であり、気候変動だということをひた隠し、これらを本当の理由にして欧州を筆頭に早くも突入し始めた強烈なデフレ展開の中で、かろうじて我が国は生き残るに過ぎないといわれると、「非国民め!日本は大丈夫だ」とムキになって反発する不思議な疑似宗教の教祖たち(その実、証券会社・商品先物会社の広告塔)が語る言葉でもある。
●「2020年に夏季オリンピックの東京開催を勝ち取った我が国にはこれから不動産バブルが訪れ、経済も安泰だ」
スポーツ観戦となると我を忘れてしまうようにテレビを通じて刷り込まれている人たちが口々に語る呪文の一つ。この呪文には「南海トラフ地震は30年以上先で、マグニチュード9.0以上の大地震から4年以内に火山噴火があったなどという国際統計は無視すべき(=富士山噴火などあり得ない)」というもう一つのバージョンがあることも覚えておきたい。
●「アメリカ企業の特徴は絶えざるイノベーション。日本企業の特徴はガラパゴス」
南米チリのガラパゴス諸島が余りにも遠く、日本人のほとんど全員が行ったこともないのに悪乗りして繰り返される古典的なギャグ。今年(2014年)までの間に日本企業においてこそ歴史的な量の内部留保(マネー)が貯まっていること、あるいは米企業の中でもイノベーションの王様と言われるグーグルが何を隠そうチャイナ・マーケットで大失敗したことといったいくつかの調味料をまぶすと香ばしくなる。
●「ハーバード大などアメリカの有名大学にあるビジネス・スクールに通わないとビジネスで成功などしない」
「アメリカ」「学位」「英語」という3種の神器に惑わされた戦後日本の伝統的な学歴フリークたちが語り続けている古典的な伝承。ビジネスの目的は「カネを稼ぐこと」であり、そのための目標として「自動車運転免許証と並んでMBAがあればなおのこと良い」だけに過ぎないことを理解出来ず、ましてやそのことを語る有名英字紙など読んだこともない素朴な若者たちが熱心に買う本を書き続けるという新たなビジネス・モデルを我が国において確立させたという意味で、失業対策の一つを支える大事な伝承でもある。
●「2011年3月11日以降、日本では原発リスクが高まる一方で危なく、マーケットとしても未来は無い」
あるものを勧めるために、まずは別のものを捨てさせるというセールス・トークの基本をベースにした現代的な応用問題。例えば関東北部で人工透析患者の骨折事例が急増しており、それが透析の際に使用する水道水に入っているストロンチウムに原因があると医師たちの間で囁かれていることなどついぞ知らない当局関係者の怠慢と、「結局はカネだろう」と妙な割り切りを見せる二世政治家の存在という二重苦による人災(解決は可能)こそが事柄の本質であることなどもちろん語ってはセールス失格である。
●「日本株はもう上がらない。早いところ金(ゴールド)に替えなさい」
何でも「光り物」であれば惹かれてしまう夜行性の日本人が増えてきたことを巧みにとらえたキャッチ・セールスの一つ。金(ゴールド)こそ国際金融資本が差配してきた金融商品の一つであることなどおくびにも出さず、徹底した反権力論と国際金融資本陰謀論を織り交ぜ、一切の反論を許さないキャラで語ると一層効果的である。
・・・まだまだあるが、今回はこの辺で終わりにしておこう。それにしても「悪魔」とは、私たち日本人の頭の中の至るところにいるものである。彼らがついばむエネルギーを寄せ集めたら、私たちにはもっと力がみなぎるに違いない。―――そんなことを読者の皆様と率直に語り合う機会を近々持てればと私は考えている。
株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役
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「今」と「これから」を読み解くために知るべき10のウソ (連載「パックス・ジャポニカへの道」)
http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/dfa71622d1fc64038dff0d5a3b3b1ec9
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