さすがに今季の澤村はヒーローインタビューでも声を張らない。
それだけ自身のおかれた状況が見れている証拠だろうか。
恋女房・小林誠司との相性も3つ目(勝ち星)ともなると板についてきた。
不思議なもので、3つの負けと、勝ち負けのつかなかった登板は、
どれも阿部か實松がマスクをかぶった試合。
投げやすさがあるのか、勝ち星がついているのはすべて小林と組んだ3試合である。
もちろんこのバッテリーだって、この先いくつもの負けを経験して行くことになる。
しかし今季に限っては、最後までこの組み合わせにこだわって起用して欲しい。
澤村にしても、、今季7回の先発登板で、これだけ偏った結果が出ているということが、
気になっていないはずはない。
やはり、小林と勝っているという事実は、否応にも頭に残っているだろう。
高いレベルのプロの世界だからこそ、ちょっとしたメンタルの揺れ動きが大きな差となって結果に現れる。
短い戦いでは、流れや相性も重要な要素とよく言われる。
ここからの最終決戦までの戦い、そういったことに頼ってでも澤村には今の状態を維持してもらいたい。
5安打無失点のまま7回で降板した澤村だったが、この試合でもヒット数はカープが上回った。
結局、カープは3試合ともヒット数ではジャイアンツに勝ったものの、試合に勝つことは出来なかった。
ジャイアンツは1戦目、2戦目とロサリオに打ち込まれ、結果、3戦トータルで11打数7安打3四球、
うち本塁打が2本と痛い目にあわされた。先週のベイスターズ・グリエルとかぶるが、
そのグリエルを3戦目にどうにか抑えることが出来たように、ロサリオも3戦目でどうにか澤村が抑え込んだ。
カープはこの3連戦、総じて守備や走塁でミスが目立った。
競った展開でのミスは命取りと言われるが、リーグ戦も競ったカタチでここまで来ると、
それはもう一試合の中だけの話では済まなくなる。
奪われるのはペナントの行方そのものになりかねない。
ここにきて勝敗が一方的になってしまうのが両チームの経験値なのだろうか。
それは、このジャイアンツ対カープ3連戦の裏で行われていた、
甲子園でのタイガース対ベイスターズ戦にも同じようなことが言える。
一戦目、久保の好投で1点リードのまま9回を迎えるが、
守護神・三上で逆転サヨナラ負け。
勝ち越し点となった最後のホームでのクロスプレイは、
完全にアウトのタイミングだったにもかかわらず、
キャッチャー・黒羽根のタッチミスで判定はセーフ。
二戦目は山口の完投で岩田に競り勝った。
アウェイでありながら一戦目、二戦目と、
間違いなくベイスターズのほうが主導権を握ってゲームを進めていた。
そんな流れで迎えた三戦目。
ベテラン三浦大輔の粘りのピッチングで6回表まで1点リードしていたベイスターズだったが、
その裏の守りでセンター桑原のイージーミスなどからまたもや逆転。
内野安打や送りバント、敬遠の四球などを絡めて、
きっちりとした野球をやったタイガースがこの試合もモノにし、
3連戦を2勝1敗で勝ち越した。
ベイスターズは3連戦3連勝の可能性が充分にあったところを、
ミスなどが絡んで守りきれず、結果、痛い負け越しとなった。
地の利もあったかも知れないが、結局はタイガースの粘り勝ち。
ベイスターズが守りきれず、攻めきれず、という図式。
こちらの3連戦もミスが命取りになった。
もちろん、まだまだペナントの行方はこの先も右往左往しそうである。
今季ここまで、粘りと守りで接戦をモノにしながら首位を守ってきたジャイアンツ。
くしくも、今季初のマジックが点灯した3連戦でも、その粘りと守りが勝敗を決し、
マジックの対象となったベイスターズが、甲子園でジャイアンツとは逆の展開で3連戦を負け越した。
決め手のない中で、粘りと守りで接戦をモノにしてきた野球は、最後、どう結実するだろうか。