ブログ、巨人軍。

頑張れ、ジャイアンツ!
頑張れ、日本のプロ野球!

坂本、使い続ける意味。

2008-07-04 00:38:38 | 2008年シーズン
毎年、どこのチームでも、若手の有望株が芽を出す。ジャイアンツも然りである。
そして、そのまま突っ走る選手もいれば、尻つぼみながらもどうにかシーズン終了まで1軍にしがみつける選手、まさに一瞬でファームに逆戻りの選手、チーム事情なども絡んで行く末は様々だ。
ジャイアンツに限って言えば、もう何年も、第3のパターン、一瞬でファームに逆戻りが圧倒的に目につく。
どこのチームもある程度いっしょ、と言ってしまえばそれまでだが、やはり、ジャイアンツはその傾向がどこよりも強いと断言できよう。
ちょっとやそっとでは下降気味の若手を使い続けられない、そんなチーム事情。執筆人が、何年も否定し続けるそんなチーム事情がジャイアンツの定番だ。
とくに野手はそれが顕著といえる。毎年、壁は高くなる一方である。指揮官、あるいは上層部は、その壁を乗り越えてこそ、と力説する。しかし、往々にして、その壁を乗り越える猶予さえ与えてもらえず、半ば強制的に頭打ちにあうケースもけっして少なくはない。
たしかに超えなければならない壁というのがプロの世界、勝負の世界にはあるだろう。たが、将来を見据えたとき、団体競技としての、チームとしての将来を見据えたとき、やはり育成は絶対的に欠かせない戦略である。
その中に、実戦の中での「育む力」は、過去の例を見ても明白だ。
今シーズン、開幕から坂本は全試合にスタメン出場している。オープン戦から、開幕後の数十試合まではコンスタントにヒットを重ね、守備力の高さと合わせて鮮烈な1軍デビューだった。しかしその後、打率は下がる一方で、現在でも規定打席に達するリーグ打撃順位もほぼブービーに近いあたりが定位置となっている。
従来のジャイアンツなら、おそらくこの状態になるもっと以前の段階で、坂本はファームに戻されていただろう。もちろん、故障者の多い今シーズンのチーム状況に救われたという側面もあるだろうが、彼のセンスの良さと、首脳陣の大きな期待があってこそ残り得た、彼の努力と実力の賜物であると讃えたい。
疲れもあるだろうが、打撃に生彩を欠く場面が目立っていた坂本だが、昨日、一昨日と3安打づつ放って息を吹き替えす傾向が見え始めている。
二試合だけだから断言するのは早すぎるが、嬉しいのは、若手が何かしらの壁をひとつ越えてあきらかに力をつけている、という過程を、実戦の中で見ることが出来ているという実感で、チームの将来にとっては、今まさに貴重な段階にさしかかっていると言ってもけっして大袈裟ではない。
選手個々の器もあるだろうが、使い続けてこその結実を、今シーズン最後に見届けたい。そしてそれが来年以降も続いてくれることを大いに期待したい。