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さらりと井端弘和は言ってのける。

2014-09-04 23:43:19 | 2014年シーズン

まさに、原監督の読みどおり、勝負は5回のワンチャンスだった。

前日の試合後、原監督に 「どうしても村田のところで…」 と、
数日前とまったく同じ言い回しで名指しされた村田修一だったが、
その村田がこの試合、7番に座った。
3番坂本、4番阿部、5番亀井。
やはりこのクリーンナップが現状ではベストの布陣に思える。
6番ロペス、7番村田、8番片岡。
こちらも現状では、この並びがいちばんいいのだろう。

その村田とロペスでつくった5回のチャンス。
ここを勝負どころとみたと、試合後に原監督は語っているが、
そのチャンスに、5回までロサリオの本塁打1点のみで抑えていた小山をあきらめ、代打に井端を送った。

「井端なら前に飛ばしてくれるだろうと、ロペスにギャンブルスタートさせた」。
のちに川相ヘッドコーチが明かしたように、井端の内野ゴロはベンチでは規定路線だった。
もちろん井端も自らコメントしているとおり、
「ゴロを打てば三塁ランナーが帰ってきてくれると思ったので、とにかくバットに当てることだけ考えた」 と、
自分に求められている仕事はあたりまえのように理解している。

おそらくカープベンチもそれを警戒した上での指示だったろうし、
野手陣もそれに備えてのシュミレーションは出来ていただろうし、
前田健太もそれを踏まえた上での内角へのシュートだったはずだ。

そんなそれぞれの思惑が、あからまさに見えていた中での、あのボテボテのセカンドゴロである。

「相手より1点、多く獲れば勝てるので、どうやって獲るかだけは、ずっと考えてやっているつもりです」。
ヒーローインタビューのお立ち台で、井端は淡々とそう応えた。
いつもどおりの静かなトーンに、自信とプライドが滲み出ていた。


前日に続き、この試合でもヒット数でジャイアンツを上回っていたカープだったが、
とくに後半、あと一本というところで凡打、併殺と打ちあぐねた。
一方、そのジャイアンツ投手陣は5回を投げた先発の小山が3安打1失点だったのに対し、
その後を受け次いだ中継ぎ陣、香月、山口、西村、マシソン、それぞれが1イニングを投げきり、
皆、揃って2安打ずつ打たれるという締まらない展開。
失点は西村が1点失っただけで、あとは皆、とりあえず無失点。マシソンにもセーブがついた。
しかし原監督は、「結果は勝ったんでしょうけど、本当に勝ったのかどうか…」 と、
首をかしげながら6、7、8、9回の救援陣の不甲斐なさに不満顔。
打者と違い、投手がちょっとしたキッカケで急に良くなるというのも考えずらいので、
今季は最後までこんな調子で押し切るしかないのだろ。
もしかしたらベンチはもうとっくにその思いで腹をくくっているのかもしれない。
皆、大きな故障なくマウンドに上がり続けていることを考えれば、それだけでも大仕事だ。


4日のスポーツ報知の記事に、井端の逆転打に絡めて、
ヨシノブと井端のロッカールームでのこぼれ話が添えられていた。
先日、ヨシノブが抹消されたときに二人が交わしたロッカールームでの短いやりとりだ。
ヨシノブが笑いながら 「さみしくて死ぬなよ」 と声をかけると、
井端が 「そうだな、死んじゃうかもな」 と応じたという、
仲の良いベテラン同級生ならではのエピソード。
今季のヨシノブが醸し出すリラックスした雰囲気は、井端加入の賜物だと感じる。

ヒーローインタビューの最後にインタビュアーが、
これから優勝に向けて何が選手たちにとって大事になってくるかと尋ねると、
「一戦一戦、戦ったあとに『疲れた、全部出し切った』と言えるような試合をして行けばいいんじゃないかと思う」 と、
井端は応えている。
前述の、自信とプライドを覗かせたあの言葉といい、そんなことを井端はさらりと言ってのける。