さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

東日本大震災 鎮魂と復興の祈りを込めて 能と文楽

2014年03月11日 | 劇♪場♪




復興は三年経っても遅々として進まず、反面

わずか三年ですでに未曾有の震災が風化しはじめているとつくづく思う。


震災から三年目を迎える今日、


東日本大震災で亡くなられた方々への鎮魂と

被災地の一日も早い復興の祈りを込めた「能と文楽」の舞台を拝見した。


敬称略


お話し 林望 ・ 西本ゆか

文楽解説 高原剛一郎


「ゴスペル・イン・文楽 イエスキリストの生涯」


作 川口眞帆子

原詞 丹羽孝

補綴・企画制作 豊竹英大夫

演出 桐竹紋壽

作曲 鶴澤清友

出演 豊竹英大夫 鶴澤清友 桐竹勘十郎ほか





「能 聖パウロの回心」


能作・演出 観世清河寿

台本創作 林望

狂言演出 野村萬斎

協力・助言 高橋みづほ

出演 観世清河寿 野村萬斎ほか





どちらも聖書を題材としたものであるが、つくづく日本の伝統芸能の奥深さを感じた。


俊寛のかしらがキリストそのものに見えてくるし、

オルガンで舞う宗家もまさにGod。


林氏や高原氏のお話によると能に切支丹能というものがあったということと

素浄瑠璃という形でキリストの教えを説いた時代もあったらしいと。


どんな文化にも寛容で良いと思えは積極的に取り入れることができ

それを独自の美意識でさらに研ぎ澄ませ発展させる日本人の感性は実に素晴らしい♪


満開の観世能楽堂の梅の花が青空に映えていた。


被災された方々が明日への不安なく春を謳歌出来る日が一日も早く訪れることを切に願う。



世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない


お能を拝見しながら宮沢賢治の言葉が浮かんだ。

 

三井家のおひなさま

2014年03月10日 | アート♪



三井記念美術館所蔵のおひなさまは北三井家のご夫人方の所持された

主に十代夫人・十一代夫人とそのお嬢様のおひなさまからなるそうで

お道具まで入れると千点を超えるものになるらしい。


その時代の名人たちによる雛人形の素晴らしいこと♪♪♪

お道具類の豪華で精緻な作りは何度拝見してもためいきがでるほど見事なものばかり♪♪♪


今回の特別展示では五月人形も展示されていて

五世大木平蔵製の御所人形たちの豪華さは圧巻!

作はわからないが、「海軍将官」と「金太郎と子犬」の愛らしさは格別であった♪


「宴のうつわ」では

永楽家や楽家のうつわが面白く、

さすが三井家、円山応挙が下絵を描いた三重盃などがあった。



スーパー歌舞伎Ⅱ 空ヲ刻ム者

2014年03月09日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



先月の日経「私の履歴書」は猿翁丈であったが、

「天翔ける心で舞台に立つ」と、

ヤマトタケルの誕生についてあったが、同じように

この「空ヲ刻ム者」の仏師の語る想いが

そのまま猿之助丈の歌舞伎にかける想いのように拝見した。





今後も再演を重ねるごとに脚本をもう少し練り直した方がいいように思うが

物語のテーマもはっきりとしたメッセージのある内容で、

歌舞伎のケレン味を多用した舞台はしっかりとスーパー歌舞伎であった♪


個人的好みではスーパー歌舞伎は「ヤマトタケル」以外はあまり面白いとおもっていない。

しかし皆の笑う個所にところどころついていけない場面もあったが

仏像好きにとってこの「空ヲ刻ム者」はなかなか面白かった♪♪♪


猿之助丈が歌舞伎界以外からの俳優を起用する目論みもなんとなくわかる気がした。

スーパー歌舞伎Ⅱとして構想から現実に舞台化した猿之助丈はさすがである!!!


澤瀉屋一門皆さんそれぞれがニンにあったお役で猿之助丈を支えていてそちらも良かった♪

そして斎高屋さんがいい味をだしておられた♪♪♪



はじまりは5つ星ホテルから

2014年03月08日 | 映画♪



恋愛とは?

仕事とは?

家族とは?

自由とは?

そして人生の中での真の幸福とは?


そんなテーマを重くなく人生を旅に見立ててさらりと考えさせてくれた。


さすが女性監督ならではの視点で描かれた女性のためのオシャレな映画♪

生涯宿泊できないだろうラグジュアリーなホテルが眼福♪

主人公イレーネのマルゲリータ・ブイがすごく素敵だった♪♪♪

雪割草

2014年03月07日 | 日記
さむっ!

主人はこの寒さでも朝6時前にゴルフに行った。

私の方は時蔵丈の切られお富を拝見しに行く予定であったが、

なんだか足が痛いしフラフラ感もあるのでもったいなくもチケットを無駄にしてしまった。





このところ毎日のように医者通いですごく老いを感じることばかり・・・


火曜日には眼科、水曜日は皮膚科へ。

他に内科と整形外科にも通院しているありさま。

もはやヨボヨボ老人の境地だ・・・

眼科は原宿にあるので、帰りに太田記念美術館によろうと思っていたが

診察が終わるともうくたびれてしまいそのまま帰宅した。


若者たちが楽しげにはつらつと歩いている表参道を

薬袋を下げて痛む足をひきずって歩いている自分がほとほと情けなかった。


光満つ春健康に不安あり





70になっても80になっても綺麗に着物をきて

芝居に通うおばあさんを理想としていたはずなのに・・・


植物園では雪割草が咲きだした。



LET IT BE

2014年03月06日 | 音♪楽♪



2012年にビートルズのデビュー50周年を記念して制作された

トリビュートコンサートショー「LET IT BE」がとうとう日本に来日した。





私がビートルズと出会ったのは中学生の時、

お兄さんがビートルズの大ファンであった妹さんが親友だったので、

彼女のお家に遊びに行くとよくお兄さんがレコードを聴かせてくれた。

今までにない新鮮な感覚であるのに、決して奇抜というのではなく

どれもテンポ良く聴き心地いいメロディにすぐにハマってしまった。





性格が素直な主人はポールが一番だったが、皮肉屋の私はジョンが好きだった(笑)

今思うと私たちはビートルズに彩られ青春時代を送ってきたようなものだ。

そしてこのショーはまさにその私たちが過ごしてきた時代と共にいた

ビートルズの絵巻物を観ているように素晴らしく楽しかった♪♪♪


始まりのキャバーンクラブから主人も私もノリノリで楽しんでいたが、

まわりの観客ははじめのうちは整然と普通の演劇を観ているような感じであったが、

ショーが進むにつれて皆彼らのステージにどんどん引き込まれていって

やがてオールスタンディングとなった。


圧巻であったのは「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」♪♪♪

20世紀の音楽史にも影響を与えた曲で、当時ライヴでは演奏不可能といわれた曲も

耳に残る記憶のとおりステージで忠実に再現してみせてくれたことだ!!!

単に声のものまねとか顔のそっくりさんとかいうものではなく

それぞれの演奏技術の実力やギターの持ち方などボディアクション・雰囲気が

往年のビートルズを目の当たりにしているような錯覚を覚えさせ

大いに楽しませてくれた。


ロンドンのウエストエンドでは2012年9月以降ロングランを続け、

ブロードウェイにも進出したのがうなづける。

こんなに楽しいコンサートショーならこれからも何度でも拝見したいと思った♪♪♪



鳳凰祭三月大歌舞伎 昼の部

2014年03月03日 | いざ銀座歌舞伎座



今月は木挽町広場にお雛様が♪

さすがに今月は杮葺落の掉尾を飾るだけあって豪華な演目がならぶ。

「壽曽我対面」・「身替座禅」・「封印切」・「二人藤娘」


また歌舞伎座松竹経営百年

先人の碑建立一年とのこと




「壽曽我対面」

大磯の虎の芝雀丈がさすが立女方の貫録♪

舞鶴の魁春丈も実に良かった♪


「身替座禅」

右京の菊五郎丈と奥方の吉右衛門丈

今月はこの二人の舞台を拝見できただけで充分満足!!!

とにかく沢山笑わせてくれるが、大名とその夫人の品格が保たれていて、

その中にどこの家庭にもあるような夫婦愛も感じさせるのがさすが人間国宝の至芸♪♪♪


「封印切」


忠兵衛の藤十郎丈がこってりと上方和事の世界をみせてくれる♪

情けある井筒屋おえんの秀太郎丈が素敵♪♪♪


「二人藤娘」


初めて拝見した「二人藤娘」

舞台背景の藤も優雅な優しげな佇まいに替わっていて、

玉三郎丈・七之助丈の藤の精の幻想性がより際立って素晴らしかった♪♪♪

身体表現が素晴らしいお二人に歌舞伎舞踊を観ているのにバレエを観ているような錯覚も覚えた。