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さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

Metのタペストリー♪

2013年01月04日 | アート♪



昨日、本館をあとにして、娘と合流。

東博内のレストランでランチを頂いてから
東京都美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」へ。

「自然」をテーマとした絵画作品はあまり良くわからなかったが、
織物類の作品たちが素晴らしかった。

とくに、

「音楽を奏でる男女の羊飼いのタペストリー」と「緑樹」♪♪♪


ポスターにもなっているゴッホの「糸杉」の前は凄い人だかりができていたが、
同じゴッホなら「歩きはじめ、ミレーに拠る」のほうが私は好きかな。


疲れと混雑でバルテュスの「夏」を見過ごしたのがちょっぴり残念だった。

その他では、全体に写真の作品が面白かったのと、
子どもの頃の教科書で記憶にあったプトレマイオス朝の「猫の小像」にお目にかかれた♪




我ら明清親衛隊

2012年12月26日 | アート♪



板橋区立美術館で公開中の「我ら明清親衛隊」


18世紀半ば、中国から長崎を経由して入ってきた明清の美術に影響を受けた
江戸の画家たちを紹介した企画が大変面白かった♪

清の絵師沈南蘋には、若冲さんも影響を受けた一人であるが、
この南蘋派が江戸で大流行したらしい。

諸葛監・宋紫石・谷文晁らの作品たちに混ざって
殿さまたちの作品も興味深かった。

松平定信「達磨図」

大久保彦左衛門の子孫である大久保忠恒の「鶴亀図」などインパクト大!

南蘋の影響をうけた絵師たちを辿っていくのも深くて面白そう♪





バルテュス

2012年12月23日 | アート♪



東京オペラシティアートギャラリーで開催中の
「篠山紀信展 写真力」を拝見した。

50年間の作品の中でよりすぐられた120点が5つのテーマで展示されているが、
特に「GOD」の中にあった1993年撮影のバルテュスの姿に魅せられた♪

最高にエレガントな紋付羽織袴姿の老人が一輪のバラを手に座っている。

静かな佇まいの中に秘められた芸術家の鋭敏な感性がほとばしっているような作品であった。

3Dプロジェクションマッピング

2012年12月12日 | アート♪




先日、新橋演舞場のかえりに10周年記念で
「3Dプロジェクションマッピング」によるカレッタ汐留のショーを観た。

6分間のコンパクトなものであったが、シーズンに相応しい夢のあるものであった。

「プロジェクションマッピング」とは建物の壁面や窓などの形状に合わせて
様々な映像を立体的に投影してみせる技術のようで
最近では東京駅の映像が素晴らしかった。

二条城でもやったことがあるらしいが、
東大寺大仏殿とか平等院とか、日本の仏教建築でも
みてみたいなと思った。

カンディンスキーと青騎士展

2010年12月29日 | アート♪
冬至の宴の前に、三菱一号館美術館で「カンディンスキーと青騎士展」を拝見した。

江戸絵画の次に心惹かれるのは、モダンアートや抽象絵画なので、
その抽象絵画の先駆者であるカンディンスキーは見逃せない。

今回の展覧会はカンディンスキーが、同じ理念の芸術家たちと
組織した「青騎士」の活動やその作品を紹介したものであるが、
とにかくカンディンスキーの作品の色彩の美しさに感動するばかり。

とくにムルナウで製作された作品群が並ぶ展示室では
絵画の中での色と色の組み合わせ、混じり合いが私にとっては
すばらしく心地よいもので、食事の予約がなかったなら
たとえそれらが墓地などを描いたものであっても
半日でもこの部屋の中の色彩に包まれていたいと思った。

素晴らしい色彩があれば、もうそれだけで私にとっては充分で、
物を見たままで描く具象でなくても、いや具象ではないからこそ
作者の想いをいろいろとイメージでき楽しむことができる。

その楽しみを存分に味あわせてくれたのが、

「(コンポジションⅦ)のための習作2」であった♪♪♪


ムルナウの「ミュンヘン郊外」「近郊の鉄道」も好き♪

年が明けたらもう一度拝見したい展覧会であった。


歌舞伎座の百二十年展

2010年12月25日 | アート♪
和光ホールの「歌舞伎座の百二十年展」を拝見した。

歌舞伎座百二十年の歴史を貴重な写真や名優たちの書画などでたどるとても貴重な展覧会であった。

主人が外で待っていなければもう少しゆっくりと拝見できたのに…(笑)

歌舞伎座を彩ってきた名優たちの書画の堪能ぶりにあらためて驚かされ、
名取春仙の役者絵に魂を奪われてしまった。





没後120年ゴッホ展

2010年12月19日 | アート♪
明日終了のゴッホ展を駆けこみで拝見した。

100年後の人たちにもアピールする作品を描きたいと思っていたゴッホにとって
かなたの異国の地にても行列ができるほどの好評はさぞかし満足なことであろう。

ゴッホについても何の知識もない私であったので、
ゴッホが生涯を通じて絵画の技法や様式について研究したいたことなどまるで知らなかった。

美術本などで知っていた「アルルの寝室」は、実物にすごく奥行きを感じ、
「アイリス」はやはり美しかった。

しかし最高に私の心を捉えたのは、「雲雀の飛び立つ麦畑」で、
風や雲や鳥の飛び立つ羽音が聞こえるようであった。

他にも

「カフェにて」や「麦の穂」などが好きだった。

華灯路

2010年11月16日 | アート♪
「はなとうろ」と云っても京都ではありません(笑)

「うえの華灯路浮世絵行燈」

上野公園内に、歌川広重の「名所江戸百景」の行燈など165基が設置されている。
桜並木に似合ってとっても素敵です♪

こちらの華灯路は「下谷広小路」

平成22年9月10日(金)〜12月26日(日)  午後6時〜午後9時

東大寺大仏 天平の至宝

2010年11月13日 | アート♪
「光明皇后1250年御遠忌記念 東大寺大仏 天平の至宝」

公開から10万人を超える入場者を記録している展示なので、混雑を覚悟で行ったが
16時少し前には土曜日にもかかわらず、かなり空いていて
楽しみにしていた「正倉院宝物」もゆっくりと拝見することができた。

第1章 東大寺のはじまり 

出土品の瓦などが沢山展示されていたが、三彩や二彩の色が残っている瓦があるのに驚いた。

第2章 大仏造立

良弁僧正坐像・僧形八幡神坐像などが存在感を放っているが、
人形浄瑠璃や歌舞伎の「良弁杉由来」からやはり良弁僧正に親近感を覚えてしまった(笑)

東大寺金堂鎮壇具の中で、蝉の形の鍵があってこれにも驚かされた。

第3章 天平の至宝

「縹縷(開眼縷)」とそれがつなげられていた「天平宝物筆」を拝見するのを楽しみにしていたので、
それらを前にした時は、かなり感動した。

縹縷はただの紐と云ってしまえばそれまでであるが、
752年大仏開眼供養会で開眼に用いられた筆に結び付けられた縹色の紐で
それを聖武天皇や光明皇后や参集者たちが握って縁を結んだと思うと胸が高鳴る。

第4章 重源と公慶

快慶作の仏像も素晴らしかったが、
やはり重源上人坐像と公慶上人坐像に東大寺再建・大仏修復にかける不屈の魂をみる思いがした。

能の「安宅」や歌舞伎の「勧進帳」で義経一行が関所を通るために
この東大寺再建の勧進僧になりすまして通ろうとするが、
富樫に身咎められ、弁慶がいかにも本物のように読みあげるのが
この重源発行の勧進帳であるらしい。

重源上人坐像はすごい迫力があった!

体感!バーチャル大仏の映像も面白かった♪

今まで聖武天皇というと「悩める天皇」としてのイメージが強くあったが、
当時の日本で「大仏造立」を成し遂げてしまったことはやはり凄いことだとあらためて思った。
そして光明皇后は、そんな聖武天皇を心から愛していたんだろうと思った。

円山応挙 空間の創造

2010年11月06日 | アート♪
先週、三井記念美術館で拝見した「円山応挙 空間の創造」

さすがに応挙のパトロンであった三井家の美術館による企画展だけに、
応挙の大画面作品の魅力を存分に楽しませてくれる展覧会であった。

先月、相国寺承天閣美術館で「七難七福図巻」を拝見したばかりであったので、
その三井寺円満院門主である祐常の「萬誌」が非常に興味深く面白かった。

応挙はこの門主の寵恩を得ていた頃から、独自の絵画理論をもっていたようだ。

それは、近くで鑑賞する絵画と、遠くから見て真価を発揮する絵画「遠見の絵」を
はっきり区別して描くことや遠近の表現「三遠之法」などを祐常門主に語っていた記録である。

その遠見の絵の代表作のような「雪松図屏風」を実際に近くで観ると
松葉がずいぶんと大胆な粗い筆使いであるのに驚き、また離れて観ると
雪をかぶった松の立体感がすばらしい臨場感で迫ってくる。

草堂寺の雪梅図襖も素晴らしかった。

そして遠近法を用いた眼鏡絵も面白かった。

応挙がこの眼鏡絵を描く以前に、十代で上洛して狩野派に学んだそうだが、
今回あらためて、当時の狩野派の教育システムは素晴らしかったのだろうとつくづく想った。

応挙も若冲も天才的な才能に恵まれていたわけであるが、
その技術的な基礎を作ったのは狩野派であったのではないだろうか?

そして天才であるがゆえに、狩野派の枠ににとどまらず、独自の絵画を編み出してゆくことになったのだろう。

応挙さんも面白い淀川下りを描いていましたね♪

仙 禅とユーモア

2010年11月03日 | アート♪
生誕260年を記念した「仙 禅とユーモア」を拝見した。

出光美術館の創設者でもある出光佐三翁のコレクションのきっかけともなった「仙」なだけに
膨大なコレクションの中から特に厳選された作品を美術館説法とともに堪能させてもらった。

「我か隠れ家ハ雪ちんか くる人事ニ紙置いて行」と仙さん自身が詠んだそうだが、
誰にも親しみやすい仙さんの書画は人気沸騰で絶筆宣言をしても
引きも切らないオーダーがあり、仕方なくまた描かざるおえないくらい
仙さんだいぶ頭を悩ませたらしい。

上手く描こう!などという技巧に走らず、思いつくまま筆をすべらす自由さが
観る者の肩の力を抜かせて、心の奥まで入り込んでくる。
それが仙さんの最大の魅力であり凄さであるのだろう。

命ある全てのものに仏性がやどること

足るを知ること

一切のとらわれがなければ心はいつも自由であること

仙さんのユーモアにあふれた書画に思わずフフッ!と笑わされながら、
人が心安らかに生きて行くための極意が自然に伝授されていく。

2011年の目標は、来年こそ、

「足るを知る!」

「心も体もスリムに!」

と自戒しながら美術館をあとにした(笑)



円山応挙 七難七福図巻

2010年10月24日 | アート♪
相国寺承天閣美術館で公開中の「円山応挙 七難七福図巻」を拝見した。

応挙36歳の時に、大津の円満院の依頼によって描いた全長15メートル全三巻が
一挙に公開されている。

16日の土曜日の昼過ぎにお邪魔したが、展示室は私ともうおひと方のみ、
告知が足りないのか?公開時期が長期間であるからか?
応挙にしてはちょっとさびしい気がしたが、おかげ様でじっくりと拝見することが出来た。

応挙がこんなにも多くの人間を描いているのを拝見したのは初めてであり、
七難七福に際した人間の表情が巧みで臨場感に満ちていて、
いつも冷静に対象を見つめているような応挙とはまた違った応挙に接する感がした。

とくに、風をまきこんで燃え上がる火災のシーンの火が凄い!
以前芦雪の火も凄いなぁ~と思ったことがあるが、
これは師匠の方が圧巻である。

七福は皆楽しそうで幸せが満ち溢れていて応挙も穏やかに筆をとり、
七難は応挙自身が狂気にも満ちたエネルギーで筆をとったのではないかと想像した。


八瀬童子 -歴史と文化-

2010年10月19日 | アート♪
「岩兵衛は当年51歳になる。
身の丈六尺、全身鉄片を叩き込んだような筋肉質の頑丈さで、
首など並みの男の腿ほどもある。…」

隆慶一郎著「花と火の帝」の冒頭である。
この小説の主人公岩兵衛は後水尾天皇に仕える八瀬童子で、小説の中でも八瀬の村の情景や、
建武の頃、足利尊氏に追われた後醍醐天皇の輿を担いで、叡山を超えて坂本まで駆けたことにより
天皇より一切の年貢や課役を免除される綸旨をたまわったことなども書かれている。

その「後醍醐天皇綸旨案」「後柏原天皇綸旨」…などをはじめとする
八瀬童子の伝えてこられた資料が重要文化財に指定されたのを記念して、
今京都歴史資料館でそれらを公開されているのを拝見した。

展示は

八瀬童子の特権
天皇と八瀬童子
中世文書の伝来

と三つのテーマに分かれていて、重要文化財に指定された
「文書・記録類650点」「装束類91点」の中から重要なものを厳選した展示とのことだ。

天皇の綸旨以外にも見るべきものが多く、

「板倉勝重下知状」
「織田信長朱印状」
「前田玄似判物」
「八瀬記」…等々。

また、八瀬童子関係資料の中に、日吉社で行われた小五月会に関するものも含まれていて
日吉社神人たる酒屋・土倉衆の係わりや名前や所在地がわかるものまで見つかったようだ。

展示を拝見したのち、秋元神社の八瀬赦免地踊の映像も拝見できた。
とくに感動したのは、村人たちの手によって作られる素晴らしい灯籠!
厚紙を何枚も重ねて下絵を切りぬいてそれを灯籠に貼るのであるが、
その切りぬく絵が実に繊細で伝統工芸の技そのもの。

一度是非、八瀬赦免地踊も拝見させていただきたいとつくづく思った。