goo blog サービス終了のお知らせ 

さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

2013 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

2013年08月12日 | アート♪



板橋区立美術館の毎年夏のお楽しみ、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展♪

今年で33回目を迎え昨日が最終日であった。





入選作家77名の作品が展示されていたが、そのうち15名は日本人。

それらのどの作品も独創性がある素晴らしいものばかりで日本のレベルの高さに感動した♪♪♪



小輪瀬護安さんの「除雪車」CG

刀根里衣さんの「かえるのぴっぽ」アクリル

酒井冬子さんのアップリケとフランス刺繍の「カメレオン」も面白い作品だった。


今年はブックフェアの50周年にあたるそうで、

「ボローニャ発世界へ - 絵本作家たちの挑戦」の特別展示もあって

世界に羽ばたいた日本の作家たちの作品も紹介されており、

その中のお一人の三浦太郎さんが来館されておられサインを頂戴することができた。

夢があって愛らしいけどデザイン性に優れていてとてもおしゃれな作品たちに魅了された♪♪♪



 








プーシキン美術館展

2013年08月05日 | アート♪



洋画は知識もなくよくわからない私にとっても近年では一番の感動を覚えた「プーシキン美術館展」♪♪♪


第1章  古典主義、ロココ

第2章 19世紀前半 新古典主義、ロマン主義、自然主義

第3章 19世紀後半 印象主義、ポスト印象主義

第4章 20世紀 フォーヴィズム、キュビズム、エコール・ド・パリ



「あの絵画がわすれられない!」と心に残るほどの想いを

とくに今までは格別に感じてこなかったルノアールとセザンヌだったが、

ルノアールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」と

セザンヌの「パイプをくわえた男」は一瞬で心を奪われてしまった♪♪♪


思うに世界中のルノアールとセザンヌの中でも最高レベルの作品だろうし
やはりセルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフの審美眼の凄さゆえだろう!

とくにシチューキンのコレクションは好みのものばかりだった♪♪♪


17-18世紀の作品の中では、ブーシェの「ユピテルとカリスト」が圧倒的に美しく素晴らしかった♪

19世紀前半では、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルの「聖杯の前の聖母」♪

19世紀後半では、モネの「陽だまりのライラック」、ゴーギャンの「彼女の名はヴァイルマティといった」、ヴュイヤールの「庭」♪

20世紀では、やはりピカソの「マジョルカ島の女」「扇子を持つ女」、ルソーの「詩人に霊感を与えるミューズ」、シャガールの「ノクターン」♪

あげればきりなく20世紀以降の作品はどれもこれも面白く好きなものばかりだった♪









オディロン・ルドン 夢の起源

2013年06月25日 | アート♪



損保ジャパン東郷青児美術館のルドン展へ。




第1部 幻想のふるさとボルドー 夢と自然の発見

第2部 「黒」の画家 怪物たちの誕生

第3部 色彩のファンタジー



ルドンの石版画が好き、特にルドン39歳の時に制作された石版画集「夢のなかで」が大好き♪♪♪

でも今回ボルドー美術館からやってきた色彩画家としての作品の多くに心惹かれた。


「翼のある男、あるいは堕天使」

「編み物をする娘」

「サン=ジョルジュ=ド=ディドンヌの街路」

「アポロンの戦車」

「祈り、顔、花々」

「読書する女、あるいは読書」

「聖母」・・・


その中で一番素敵だったのが「深海の幻影」♪♪♪

絶妙な色遣い、まさに色彩のファンタジー!
小さい絵であるのに大海の深い深い無限世界に吸い込まれる様な魅力があった。


自然を愛し、自由で事象の本質を究めようとする独自の世界観がなんとなく若冲さんに似てるような気がした。








北斎と暁斎 奇想の漫画

2013年06月19日 | アート♪



過日、太田記念美術館へ

ヨーロッパでは、「暁斎は北斎の弟子」と信じられてきた一面があるそうだ。

というのは、暁斎存命中から、「暁斎漫画」をはじめとする絵本類がヨーロッパに渡っていて
北斎同様あらゆるものを描いたパワーに共通点があったからのようだ。

たしかに三井記念美術館で、「能画図式」を拝見した際、私も「北斎漫画」っぽいなとは思った。

しかし比較してみるとおのずと違いがみえてくるという企画展。


Ⅰ 奇想天外 二人の鬼才

Ⅱ 戯れる動物たち

Ⅲ 風景への観察眼

Ⅳ 妖怪神仏大集合

Ⅴ 躍動する身体

Ⅵ 知られざる画業~絵本と挿絵本


北斎と暁斎の違いが際立ってみることができるのは、動物たちの表現にある。

想像上の動物まであらゆる動物を画こうとした北斎にくらべ
暁斎は、動物たちが人間のようなポーズや表情をしているところだ。

また暁斎は特に人間の骨格や体自体にこだわっていたようで
まず裸体を描いてその上に朱で衣服を描いている作品があった。
ガイコツの作品が多いのも骨の構造の面白さに執着があったからではないだろうか?

北斎の「見立三番叟図」が素敵だった♪

暁斎の「暁斎楽画」が好き♪

また「美人観蛙戯図」もいい♪

団扇をもった美人がじっとカエルたちのお相撲にみとれてる図

カエルがお相撲をとっていて、蓮の茎をキセル替わりにしていたり、
美人の着物から想像すると季節は今頃ではないだろうか?
美人の心の内が伝わってくるような作品♪♪♪


勝手にカエルはヒキガエルということで(笑)

団扇持つ美人と蟇ぞ暁斎や


















世も盡きじ -三井家の能・暁斎の猩々-

2013年06月13日 | アート♪



暁斎親娘の能・狂言画に魅せられ、国立能楽堂資料展示室で公開されている

「世も盡きじ -三井家の能・暁斎の猩々-」へ


国立能楽堂開場30周年を記念する企画のようで、三井記念美術館・河鍋暁斎記念美術館の共催、
三井家の能道具と暁斎の「猩々」を中心に展示されれいる。

「世も盡きじ」とは能「猩々」の一節で、大酒のみであった暁斎は画号にしたり
「猩々図」を数多く残しているそうだ。

亀と相撲をとる猩々や水遊びをする猩々・・・

掛軸や錦絵・摺物・画帖などいろいろ展示されていたが
「猩々図屏風」が楽しげで豊か♪

暁翠の「百猩々図」も素敵♪

また全て重文指定である室町や桃山時代の能面もあり、

とくに伝増阿弥作「増女」が放つ美のオーラが凄かった!











紫陽花に天女の涙零れ落ち





河鍋暁斎の能・狂言画

2013年06月13日 | アート♪



三井記念美術館で公開中の「河鍋暁斎の能・狂言画」を拝見するまで
暁斎が幼少期から大蔵流の狂言を習っいて、実際舞台にも上っていたことを知らなかった。


どちらかと言えば、怖い絵や面白い絵を描く暁斎というイメージが強かったが、
今回の展示作品からまた違った正統派の暁斎の魅力を発見することができた♪

暁斎描く能・狂言画は、さすが自身が舞台に立っていただけあって
とくに「三番叟図」の演者の足に力が漲り、乾坤2冊からなる絵本「能画図式」は実にすばらしい。

また一番面白く迫力があるのは下絵群で、
後ジテが蛇体に変身する支度中の「道成寺図」(鐘の中)も面白かった。


暁斎の娘にしてに幼少期から絵を学んだという暁翠の作品も上品な色彩で素敵なものばかり♪

すっかり河鍋暁斎親娘に魅了されてしまった。








貴婦人と一角獣展

2013年06月03日 | アート♪




一歩足を踏み入れた瞬間にため息がこぼれた!

同様に小さい声ではあるが「わぁ~!」「おお~♪」とか、

巨大な展示室の入り口で観客は驚きと共に感動の声をもらさずにはいられない。




展示環境改善による全面改修のため、中世ヨーロッパ美術の最高傑作を
日本に貸し出してくださったフランス国立クリュニー中世美術館に感謝!感謝!


あまりにも魅力的で美しい6面のタピスリー「貴婦人と一角獣」♪♪♪

「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」「我が唯一の望み」と人間においての不変のテーマと
「貴婦人と一角獣」というなんとなく謎めいたテーマには、だれしもときめいてしまう♪


祇園祭を観てもわかるとおり日本人は昔からタペストリー好きで、
またその価値の高さをじゅうぶん理解している。

貴婦人と一角獣や獅子のまわりを彩る自然の動物や植物の愛らしさ♪

とくにミル・フルールという野の花たちの千花模様がこのタピスリーの一番の魅力♪♪♪

もちろん長い年月をかけて退色したであろうが、地の赤と紋章や衣裳の青のコントラストもじつに美しい♪



いつまでもずう~っとこのタピスリーに囲まれていたい気分であった。







都市革命波打つビルに青葉映え


国宝 大神社展

2013年06月01日 | アート♪



どれもこれもお宝ばかりで国宝・重文がずらっと並んでいる「国宝大神社展」

正直疲れた(笑)

その中で、一番心に残ったのは、「那智山宮曼荼羅」♪♪♪  国宝でも重文でもないが、COOL!!!


狩野内膳筆「豊国祭礼図屏風」も輪になって祭りを楽しむ庶民の熱気が伝わってきた♪


「海獣葡萄鏡」は細工に見とれ引き込まれた♪


黒川能上座・下座の室町期の能衣装も素晴らしく保存状態の良さに感動♪


京都検定受験中に興味を持った松尾大社や大将軍八神社・東寺などの神さまにお目にかかれた♪


ちょうど上野公園でさつき展が開催中で、そちらも楽しませていただいた♪











さつきにも様々な種類があってそちらもビックリ!










土佐光吉没後400年記念 源氏絵と伊勢絵 -描かれた恋の物語

2013年05月22日 | アート♪



新発見! 源氏絵と伊勢絵の深い関係
源氏絵のスペシャリスト・土佐光吉の名品ズラリ!


先日、又兵衛の二人の貴公子に会いに出光美術館に。

大好きな「源氏物語 野々宮図」♪♪♪

いつ対峙しても独特のしもぶくれの光源氏が、とてつもない美男に見えてくるのが不思議!
今回はこちらも美男の代名詞、在原業平と並んでおでましであった。

伊勢絵が源氏絵に与えた影響などの検証が面白く
没後400年になる土佐光吉の「源氏物語手鑑」や「源氏物語図屏風」・が素晴らしかった♪♪♪

また、源氏絵に関する土佐派と狩野派の比較で、
「こういうジャンルは土佐派でしょ!」と思うが
探幽描く「源氏物語 賢木・澪標屏風」はさすがに素敵だった♪♪♪





五月晴れの午後、皇居の緑が輝いて
近くのDNタワー21の農林中央金庫側ファサードが並木の緑に映えて美しかった♪♪♪





ファサードに緑艶やか裾模様

ミュシャ展 - パリの夢 モラヴィアの祈り

2013年05月19日 | アート♪



「私は芸術のための芸術を創るよりも、大衆のための絵の制作者でありたい。」

とのミュシャの想いはまさに御尤もで、

何に於いても本物の真価を決めるのはその道の専門家たちではなくいつの時代も「大衆」である。


ミュージアムショップ内に並びきれずに、会場近くに手にいっぱいのミュシャグッズを抱えて、
会計精算を待つ人々の長蛇の列ができており、私ははじめ、会場入り口かと間違えて並んでしまった(笑)


大入り満員のミュシャ展、東京は本日が最終日となった。





比較的空いているという夕方からでも昨日は入場までに1時間かかったが、

世界初・日本初公開作品が含まれるいくらでも待つ甲斐のある内容充実の展覧会であった♪



平面的で、花や自然をモチーフにした優美な女性たちは、まずその優れたデザイン性に魅了されるが
その心地よさは聖母像や観音像にも通じ、その精神性はミュシャの作品に一貫した「祈り」によるところ。


その「ミュシャの祈り」が6つのテーマにわかれている最後の作品群に一番表われている。

力強いが決して荒々しくなく静かに心に迫ってくるような作品たちであった。

私は妻をモデルにした「荒野の女」にミュシャの祖国への深い想いをしみじみと感じた。





森アーツは久しぶりで、帰りの日比谷線に出る方向を間違えた(笑)


こんなものまであったんだ!?

2013年03月08日 | アート♪




板橋区立美術館で開催中の「狩野派以外も大賑わい」は、まさにキャッチフレーズのとおり

「こんなものまであったんだぁ♪」と嬉しい驚きがあった。

もとより狩野派の収集では名高い美術館であるが、

狩野派より早く幕府御用絵師になった大和絵の住吉家関連の作品が展示されている。

住吉具慶の「三十六歌仙画帖」 住吉廣守の「佐野渡図」が素敵♪

肉筆の浮世絵の優品も多く、勝川春潮の「喫煙若衆図」はなんともいえない色香がある♪ 

池田孤邨の「浮世絵美人図」も好き♪

島琴陵の「竜虎図」が面白く、この人の作品をもっと観てみたいと思った。

幕末・明治に活躍した柴田是真の作品がいろいろあって、「花瓶梅図漆絵」にビックリ!

技量到達に満足せず、人のやらないことを試み面白がる精神は若冲さんと同じだと思った♪

写真撮影OK・入場無料 大盤振る舞いの展覧会である♪♪♪





明治十二年 明治天皇御下命「人物写真帖」

2013年03月02日 | アート♪



丸の内に用事があって出かけたので、三の丸尚蔵館で開催中の明治十二年 明治天皇御下命「人物写真帖」を拝見した。

写真帖は39冊、皇族をはじめとし、諸官省の役人・軍人・神官など4500余名にも。

うち15冊には写真と一緒に詠進歌も収められていて、やはり幕末から明治に活躍した歴史上の人物の写真が面白かった。

軍服や洋服姿が多い中、烏帽子に素襖(たぶん?)姿の松平容保の品格ある静かな佇まいが印象に残った。

皇居東御苑の梅はほぼ満開に近く、太田道潅が植えたという梅林坂の白梅が城の石垣に実に似合っていた。







歌舞伎 江戸の芝居小屋

2013年02月26日 | アート♪



顔見勢や 三升樽の 江戸の艶  五代目白猿


新しい歌舞伎座が竣工し、その新開場の記念展「歌舞伎 江戸の芝居小屋」が
サントリー美術館で公開中である。

劇場空間の成立  歌舞伎の名優たち  芝居を支える人々
の3部構成の展示で見るべきものが多い♪

出雲の阿国の時代から脈々と庶民に愛された歌舞伎。

いつの時代も観客は芝居を楽しむだけでなく、時代時代の審美眼で
その代々の俳優や狂言作者も含めた演劇全体を育ててきた。

それこそが歌舞伎の最大の魅力であり、
その双方向性が伝統芸能にさらなる磨きをかけ、
今日のような世界に冠たる「芸術」に押し上げていった。

歌舞伎座閉場中に、心に穴があいてしまうほど、
素晴らしい名優たち多くを失ってしまったが、
才能のある若手花形があとに控えていることを考えてみると
歌舞伎の未来にも明るい希望が持てるように思う。



林 義勝作品展 中村勘三郎 -1975~1982-

2013年01月21日 | アート♪



JCⅡフォトサロンで開催中の林義勝氏の写真展を拝見した。

現勘九郎丈の一所懸命さに重なる若かった十八世のまっすぐな眼差しが胸をうつ。

昨年5月の「髪結新三」の姿は十七世を彷彿とさせた。

十七世との「野崎村」の前で、不覚にも涙が溢れてきてそれを止めることができなかった。




雪松図屏風♪

2013年01月06日 | アート♪



日本橋七福神めぐりのあとは三井記念美術館へ。

若冲と応挙、どちらが好みか?と聞かれれば、迷いなく「若冲!」とこたえるが、

三井さんの応挙筆「雪松図屏風」にはとにかく恋しているのできる限りは足を運ぶ。

土曜日にしては応挙の展示室が空いていて、神々しく、力強く

まばゆく輝くような雪をいただいた松を心ゆくまで堪能させてもらった。

「稲麻綿図」も良かった。

国宝の志野茶碗・重文の光悦作の黒楽茶碗など茶道具の逸品も同時公開!

茶碗の専門的なことは全然判らないが、

長次郎作黒楽茶碗につけられた銘「俊寛」の謂われが心に残った。