goo blog サービス終了のお知らせ 

さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

天上の舞 飛天の美

2013年12月27日 | アート♪



過日、サントリー美術館で公開中の「天上の舞 飛天の美」へ。


第1章 飛天の源流と伝播-インドから日本-

第2章 天上の光景-浄土図から荘厳具-

第3章 飛天の展開-来迎聖衆-

第4章 平等院鳳凰堂-飛天舞う極楽浄土-


お寺の幼稚園だったせいか、子供の頃、天国とか極楽とかが存在すると固く信じていた。

その天上世界では美しい天女達が音楽を奏でたり、長いリボンのようなものを身体に巻きつけ

ひらひらと優雅に舞っていたりとビジュアル化されたイメージもしっかりと持っていた。


そのため、今でも菩薩来迎図や飛天などを観ると心が高ぶる。

面白かったのは飛天の源流で、羽根のある天使がみられることと

あまりにも素敵で今も目に焼きついている康円作(文殊菩薩騎獅像及侍者立像のうち)飛天光背残欠♪♪♪

翼を広げた飛天がなんともエレガントで欧風な感じがした。





有難いことに復刻の南20の雲中供養菩薩像に実際にふれて、-ほとけとの結縁-もできるコーナーがある。

そっとお腹のあたりにふれてみると心が落ち着いてなんとなく温まる気がした♪





極楽浄土を体感した後、ミュージアムカフェで頂いたミックスべりーのマフィンが美味であった。

秋期特別展 利休/少庵/元伯/千家の時代と長谷川等伯「松林架橋図襖」

2013年12月14日 | アート♪



桐紋を雪に見立てた絵師の夢


長谷川等伯「松林架橋図襖」を拝見に楽美術館へ

大徳寺三玄院旧蔵である等伯の襖絵の多くは高台寺円徳院に引き取られたが
その一部が楽家に引き取られていて今回2年の歳月をかけて修復された
「松林架橋図襖」が初公開中である。

もともとかなり傷んでいたものだったそうで、修復も現状を尊重した修理なので
等伯の筆致を詳細に追えないが、桐紋を雪にみたてた松林は、離れてみれば見るほど
国宝の「松林図屏風」の空気感と同じものを感じることが出来る♪

また楽家に伝わった楽茶碗の名品たちも息をのむほど美しいものばかり♪♪♪

初代長次郎の黒楽「面影」赤楽「道成寺」
三代道入の黒楽「無一」などに心惹かれた。
とくに「無一」の黒楽の色艶・形状があまりにも素敵で
まるで茶碗が生きているようでしばらく離れることができなかった。



江戸の狩野派 -優美への革新

2013年12月02日 | アート♪



出光美術館で開催中の「江戸の狩野派-優美への革新」へ。


Ⅰ章 探幽の革新 -優美・瀟洒なる絵画

Ⅱ章 継承者たち -尚信という個性

Ⅲ章 やまと絵への熱意 -広がる探幽の画世界

Ⅳ章 写生画と探幽縮図 -写しとる喜び、とどまらぬ興味

Ⅴ章 京狩野VS江戸狩野 -美の対比、どちらが好み?


狩野派三巨匠といえば元信・永徳・探幽らしいが個人的には永徳だけはあまり好みではない(笑)

板橋区立美術館で「富士見西行」に出会って以来、勢いのある筆と観る者に何とも言えない癒しを与える尚信が好き。

今回はその尚信が沢山あって嬉しかった♪♪♪

「猛虎図」カワイイ(笑)

もちろん元信も探幽もひれ伏したくなるほど有難い存在♪♪♪

近代に「粉本主義」の狩野派が否定された歴史があるそうだが、

私は江戸絵画の隆盛も狩野派あったからこそと声を大にして叫びたいほど。


伝元信の「花鳥図屏風」も大好きで観る度に離れがたい想いがする。

探幽の「波濤群燕図」「竹林七賢・香山九老図屏風」も惚れ惚れする。

明時代の文正筆「鳴鶴図」を模写した「飛鶴図」の羽毛表現がやはり凄い!

これは若冲さんも模写しているので面白かった。





皇居の御苑もすっかり紅葉して、

最近はまってしまったブリオッシュのアンパンをまたまたもとめに銀杏が美しいお濠端を歩いた。







生誕100年 佐藤太清展

2013年10月31日 | アート♪



日本画壇の重鎮で花鳥風景画を確立した「生誕100年 佐藤太清展」を拝見した。


Ⅰ模索の時代

Ⅱ生命へのまなざし

Ⅲ旅シリーズそして永遠の瞬間へ

日本画小作品・素描・スケッチブック


自然への深い愛情から生まれた作品群はどれもやさしく心地よいものばかり♪♪♪

「漁村」「かすみ網」「幽韻」「竹林」「玄冬」「雨の日」「冬池」「冬日」

模索の時代の作品はどれもこれも好きなものばかりだった。

「潮騒」「風騒」「洪」「清韻」「磨崖仏-弥勒」「朝霧」

そこに漂う空気を感じる作品

そして「最果の旅」と「旅愁」と「雪つばき」





もみじばと網にかかりし鳥悲し


体調が今一つ芳しくなく、自身も「かすみ網」の鳥たちと同じようだと感じる今日この頃

目も患っているのでしばらくブログお休みさせていただきます。


これまでのご訪問心より御礼申し上げます。 

京都 洛中洛外図と障壁画の美

2013年10月28日 | アート♪



国宝指定の永徳の「洛中洛外図屏風」が最高傑作といわれるが、

今回初めて舟木本を拝見して思うことは又兵衛の「洛中洛外図屏風」の方が百倍も面白い♪♪♪

あくまでも個人的な好き嫌いであるが、構図も又兵衛のほうが好みであるし、

草木の緻密さや人物の感情表現が読みとれるところなど魅力がいっぱいで飽きさせることがない。


御所の孝信筆「賢聖障子絵」・二条城の探幽・尚信の障壁画など狩野派のそれぞれの違い♪♪♪

メトロポリタン美術館から初の里帰りの「列子図襖」も実に趣があった♪♪♪

超高精細映像4Kの龍安寺石庭の四季も素晴らしい♪♪♪


洛中洛外図で京都を俯瞰しながら、御所や二条城・寺院を旅するというなかなかの味わいのある特別展であった。


後期も是非拝見したい。





「京都」の特別展にあわせての期間限定スイーツ

抹茶のムースに鹿の子のお豆がのっているもの。さっぱりといいお味であった♪


三菱一号館美術館名品展2013 -近代への眼差し印象派と世紀末美術-

2013年10月22日 | アート♪



ルノアールの映画を観たあと、三菱一号館美術館に。


1章 ミレーと印象派

2章 ルドンの「黒」

3章 トゥールーズ=ロートレックと仲間たち

4章 『レスタンプ・オリジナル』

5章 版画家ヴァロットンの誕生

6章 ルドン夢の色彩

7章 ルノアールとモネの後半生

8章 画商ヴォラールと画家たち 出版事業を中心に





映画を観た直後なので7章も興味深かったが、大好きなルドンを堪能できたこと、

また今回の美術展で初めて知った5章の版画家ヴァロットンの作品に一番心惹かれた♪♪♪


ボナールやドニとともにナビ派の一員として19世紀末に活躍した画家だそうで

大胆な木版画の作品がとても魅力的であった。

ナビ派はなんともいえない雰囲気があってドニの「アムール」も素敵だった。


こちらも中庭に十月桜が咲いていた。


開館20周年記念 美を伝えゆく -名品にみる20年の歩み- 前期

2013年10月21日 | アート♪



娘の先生のお能の会があり、叔母たちが娘の仕舞を観るために上京した。

日舞にしてもバレエにしても日頃のお稽古の成果を発表する会は、なかなか味わいがある。


生まれ持った才能の有無はあっても、お稽古に通い年月が重なるごとに

だれしもが着実に上達してゆく様はプロの舞台とは違った面白さを発見できるし、

またプロがなにげなく出来る動作がたゆまぬ修業を積んだからこそ出来るものであることもあらためて実感できる。






叔母たちを東京駅に送りがてら、三の丸尚蔵館で開催中の「美を伝えゆく」を拝見した。

11月3日で開館20周年を迎える三の丸尚蔵館

その記念として修理事業によってよみがえった名品を展示するとともに

修理事業の重要性を紹介した企画である。


前期・後期にわかれ展示作品は多くはないが観る価値のあるものばかり♪♪♪


八条宮家創立当初の邸宅の襖絵である「源氏物語図屏風」と「四季草花図屏風」

どちらも伝狩野永徳でおそろく永徳一門の手によるものらしいが

とくに芍薬と菊をメインに描いた「四季草花図屏風」が素晴らしかった♪♪♪

また海北友松の「浜松図屏風」の構図がオシャレ♪♪♪

藤原公任の「古今和歌集賀歌三首」や「西行書状」の修理過程も興味深く

12世紀の名品が修理の個所が判別できない位によみがえる技術に感動を覚えた♪♪♪





十月桜であろうか? 可愛い花が盛りであった♪♪♪




富士山の絵画

2013年10月19日 | アート♪



明日まで静岡県立美術館では富士山の世界遺産登録を記念して「富士山の絵画」の公開中。


1.富士山と信仰

2.富士山と三保松原

3.富士山と白糸ノ滝

4.富士百景-富士見のトポス

元信から大観・東山魁夷まで80点近くの「富士山の絵画」が一同に会している企画展というのが実に面白かった♪♪♪


狩野元信・狩野探幽・狩野栄信・狩野山雪・岸駒・谷文晁・英一蝶・木村蒹葭堂

円山応挙・曾我蕭白・岩佐又兵衛・与謝蕪村・司馬江漢・池大雅・田能村竹田・・・

まだまだ多くの絵師の作品があるが、

その中で今回特に印象的に残ったのが曽我蕭白の描く富士山♪♪♪

また狩野永岳が井伊直弼の御前で描いた席画「富士山登龍図」の迫力に感動した♪♪♪


そして過日お参りした浅間大社所蔵の「元信印富士参詣曼陀羅図」では

湧玉池で禊をして富士山に登る人々のルート案内のようでありながら富士山の神々しさを失っていない構図が素晴らしい♪♪♪


信仰の対象としても芸術の対象としてもいつの時代も富士山は人々の心を捉えて離さないオーラがある。


今日静岡の従妹から「富士山に雪が降りました♪」とメールが送られてきた。





興福寺創建1300年記念 国宝興福寺仏頭展

2013年10月03日 | アート♪



「白鳳の貴公子」に会いに東京芸術大学大学美術館へ



第1章 法相宗の教えと興福寺の絵画・書跡


第2章 国宝 板彫十二神将像の魅力


第3章 国宝 銅造仏頭と国宝 木造十二神将立像


第4章 特別陳列 深大寺釈迦如来倚像



興福寺は全国の国宝仏像彫刻のおよそ15%を所蔵するそうで

2009年の阿修羅像に続いて再びの仏さまたちのお出まし。


まず厨子と別々に陳列された「厨子入り木造弥勒菩薩半跏像」が迎えてくれる。

鎌倉時代の作で華麗に彩色されていた個所が今でも見ることができる。


3センチほどの板であるとは思えないくらい立体感が素晴らしい「板彫十二神将像」


600年の時を経て「仏頭」と再会できた「木造十二神将立像」

十二支の干支がそれぞれの頭にのっているのも面白く

まだ混雑していないので間近でじっくり拝見できた。

おそらく何人かの製作者によるであろう作風の違いも興味深く

「真達羅大将立像」が一番心に残った。


十二神将に守られるように展示室の一番奥に安置されている「仏頭」は


「白鳳の貴公子」と呼ばれるに相応しく実に優雅なたたずまいで


真正面近く、左近く、右近く、正面遠方・・・

拝する方向によって目をつぶっておられたり、見開いておられたり

未来を見ておられる様でもあり、過去を振り返っておられるようでもあり

様々な表情がうかがえとても神秘的でもある。


「仏頭」と同時代に制作された特別陳列の深大寺「銅造釈迦如来倚像」も穏やかで優しさに溢れていた。




秋の特別公開

2013年10月01日 | アート♪



抱一や屏風の中の野分かな


台風22・23号が接近中とか。

被害のないようなんとか列島をそれてくれるといいのであるが。


東博で29日まで秋の特別公開をしていた抱一の「夏秋草図屏風」には、

雨に打たれる夏草と強風に見舞われた秋草が描かれている。

秋草を吹き上げて通りすぎた強風、その一瞬の風を感じる傑作♪♪♪


あわせて公開していた同じく抱一の「四季花鳥図巻」








琳派の秋を堪能させてもらった♪


28日土曜日は平成館ラウンジで「インドネシアの伝統音楽・ジャワガムランと舞踊」も拝見できた♪


青銅製打楽器のアンサンブルが生み出すエキゾチックな響きは独特な趣があった♪♪♪







狩野派 SAIKO!

2013年09月27日 | アート♪



始祖正信から幕末の河鍋暁斎までの狩野派を再点検するという板橋区立美術館の館蔵品展


狩野内膳「山水人物花鳥貼交屏風」

伝狩野探幽「風神雷神図屏風」

狩野探信「秋草群虫図」


などが面白かったが、新たに収蔵品となった清原雪信の「西行・江口贈答図」が素敵だった♪♪♪

清原雪信は探幽の姪と弟子の久隅守影の間に生まれた娘で狩野派随一の女性画家

柔らかい繊細な筆触、探幽さんに学んだそうだから腕前も確か!

どんな女性だったんだろう?

いろいろと想像を巡らしながら美術館をあとにした。





ルーブル美術館展 地中海四千年のものがたり

2013年09月26日 | アート♪



過日、古代史好きの友人と「ルーブル美術館展」を拝見した。


序章 地中海世界 自然と文化の枠組み

第1章 地中海のはじまり 紀元前2000年紀から前1000年紀までの交流

第2章 統合された地中海 ギリシャ、カルタゴ、ローマ

第3章 中世の地中海 十字軍からレコンキスタへ(1090~1492)

第4章 地中海の近代 ルネッサンスから啓蒙主義の時代へ(1490~1750)

第5章 地中海紀行 (1750~1850)


西洋の古代史に関してはまるで無知な私にとっては、碑文などはいささかハードルが高かったが

「ギャビーのディアナ」は美しかったし、紀元前の壺などのデザインに魅了された♪

また滞在中のオリエントを描いたアントワーヌ・アルフォンス・モンフォールの「シリアの馬」が心に残った♪♪♪





モネ、風景をみる眼 - 19世紀フランス絵画の革新

2013年09月18日 | アート♪



箱根滞在中にポーラ美術館に行った。

モネが観たかったというよりむしろフジタの未発表作品初公開というのに惹かれたため。





1 現代風景のフレーミング

2 光のマティエール

3 反映と反復

4 空間の深みへ

5 石と水の幻影


国立西洋美術館とポーラ美術館の共同企画の本展は

絵画空間の構成という観点から他の作家たちとの比較を通して

風景に注がれたモネの「眼」の軌跡をたどるというもの。


日本人が大好きな「睡蓮」の連作にいくまでの過程みたいなものだろうか?


私にとってのモネは「睡蓮」よりも「積みわら」や「ポプラ並木」を描いたもののほうが好きであるが、

ポーラ美術館所蔵の1907年の「睡蓮」はやはり凄かった。

他の作家の作品では、

ゴーギャンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」

ゴッホの「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」

ピカソの「海辺の母子像」 が好きだ。


フジタの未公開作品はどれも面白いものばかりで

とくに「グロテスク」が好きであるが、「シレーヌ」も素敵だった。





レオナール・フジタ - ポーラ美術館コレクションを中心に

2013年08月30日 | アート♪



ABIKAIの時に同じbunnkamuraで公開中だったフジタの展覧会を拝見した。


乳白色の肌の裸婦や猫に代表されるフジタであるが、

今回の展覧会はポーラ美術館コレクションが中心で戦後フランスに渡ったフジタが

子供をテーマに制作した「小さな職人たち」をたっぷりと楽しむことができた♪

1950年以降彼のアトリエはフジタの描いた子供たちで彩られていたそうで、

それらが同時公開の阿部徹雄の写真によっても認められた。

また土門拳の写真からはフジタ独特の美しい乳白色が

ベビパウダーから生まれていたことも。





フジタの描く子供たちの顔は気難しそうであったり、一筋縄ではいかない悪戯っ子のようであったり

そらがまた一つ一つの作品に引き込まれる要因のように思った♪

高く評価されている裸婦像とかはあまりよくわからないが

フジタの「礼拝」と「ピアノと娘」「オランダの少女たち」が好きだ♪

一緒にあったルソーの「シャラントン=ル=ポン」も素敵だった♪

生誕250周年 谷文晁

2013年08月22日 | アート♪



どちらかというと前期を拝見したかったが、さすが文晁!後期も見ごたえがあった。


序章 様式のカオス

第1章 画業のはじまり

第2章 松平定信と『集古十種』――旅と写生

第3章 文晁と「石山寺縁起絵巻」

第4章 文晁をめぐるネットワーク――蒹葭堂・抱一・南畝・京伝


どんなものでもなんでも画けちゃう文晁♪

その実力をいかんなく発揮した「石山寺縁起絵巻」補完。

あくまでも古様に徹した文晁は凄い!

サントリー美術館所蔵の模本と石山寺のオリジナルの比較も面白かった♪


わたる風の音が聞こえてくるような「風竹図屏風」♪

谷文晁・酒井抱一画/亀田鵬斎賛「老梅図」♪

おそらくは松本奉時のプロデュースであろう「奉時清玩帖」があったのも嬉しかった♪



幅広い人脈をもち家族に仕事に恵まれた文晁の生涯はきっと幸せなものであっただろう。