ナノテクノロジーニュース

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自己アセンブリにも進歩が:ナノ粒子を整列させる

2012-05-03 | 報道/ニュース

個々のナノ粒子は興味ある性質をもっているが、その本領を発揮するのは集合体を作った場合であることが多い。集合体を作るのには自己アセンブリ(自己組織化)と呼ばれる現象が利用される。下表のように、これまでいくつかの例を述べて来た。これまで説明して来た手法を大別すると3種類ある。ナノ粒子を固体表面や他のナノ粒子に付着させるときおのずから一定の距離を保つことを利用するもの、リソグラフィで作ったパターンにナノ粒子を付着させるもの、DNAが作る規則正しい構造を利用するものである。

これらのほかに、高分子に付着したナノ粒子を利用する方法がある。高分子が互いに結合することによって、付着したナノ粒子を規則正しく配列させることが出来る。真珠が成長するのはこのような機構によると言われている。バークレイ国立研究所とカリフォルニア大学バークレーの研究グループは、金ナノ粒子と共重合体超分子の溶液から、1次元、2次元、3次元の金ナノ粒子の配列を作り出すのに成功した。超分子は1個の分子のように振る舞うがいくつかの分子の集まりで種々の機能を持つ。共重合体とは2個以上の高分子によって成り立っている。
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この研究で用いられた手法は種々のナノ粒子の集合体を作るのに適用出来そうで、その意義は大きい。また、ここで作成された1次元および2次元の配列での金ナノ粒子間の距離は8-10nmで、プラズモニックス(11/18,19,3/9参照)の研究に利用出来そうである。