ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

自己アセンブリは医療にも役立つ

2011-10-30 | 日記

自己アセンブリを用いることによって、医療用イメージング(9/28参照)を鮮明にし、またドラッグデリバリー(9/28参照)を的確にすることができる。

たとえば、癌細胞を識別できる生体分子を量子ドットの表面に自己アセンブリによって多量に付着させておく。このようにして作成したナノ粒子を癌細胞に付着させる。エックス線や紫外線を照射すると量子ドットが蛍光を発し癌病巣のイメージングを与えることになる。ナノ粒子を用いることによって、より小さい癌病巣のイメージが明確に得られるものと期待されている。

病巣のイメージを得るもう一つの方法は蛍光を発する有機分子を球状の膜の中に入れたものが用いられる。この際にも自己アセンブリは種々の機能を持った成分を集めるのに役立つ。

最近、ナノサイズの金粒子にDNAを付着させる方法が見つけられ、これがドラッグデリバリーに大きな進歩を与えると期待されている。DNAの上に多種類の分子を付着させることができるので、高い治療効果が得られることが期待されている。また、ナノ粒子はその大きさが小さいため癌病巣の奥まで入り込み、治療効果があがるものと期待されている。

ナノ粒子を用いることによって、正常な細胞に害を与えることなく癌細胞のみを殺すことができるので、各国でその開発に力を入れている。アメリカの国立癌研究所では、今後5年間を通して毎年3億ドルの研究費を投入するとのことである。