ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテクノロジーは燃料電池の性能を高める

2011-10-16 | 日記
2、3日前の朝日新聞に豊田自動織機の燃料電池フォークリフトの記事があった。フォークを動かすのは電気モーターであるから、燃料電池はフォークリフトの格好の動力源であると言えよう。

さて、燃料電池とは、水素と酸素を供給することにより発電する電池である。水素の代わりにメタンなどを用いることもある。燃料として水素を用いる場合には、排気ガスが水であるから最も環境にやさしいシステムであると言える。そのため、自動車やノートパソコンの電源として使用することが試みられている。また、充電の必要がなく、燃料を供給する限り発電し続けるのもその特徴である。しかしながら、価格や維持経費に問題があり、まだそれほど普及していない。今後の進歩が期待されている。

下図を用いて燃料電池の動作原理を説明しよう。陽極に水素を供給するとしよう。陽極の触媒(白金)の作用によって、水素分子が陽子と電子に分解する。陽子すなわち水素イオンは溶液またはイオン交換膜を通って陰極に到達する。陰極では、触媒(ニッケル)の作用によって、水素イオンが酸素分子と結合して水が生じる。陽極に残された電子が、負荷を通って水素イオンによって陰極に運ばれた正電荷と結合する。負荷というのは、電気モーターでもパソコンでも何でも良い。燃料電池は発電することが理解できよう。

ナノテクノロジーが燃料電池の性能と高められるのは、触媒とイオン交換膜の高性能化による。