7月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。7月は夏の花もピークを過ぎ、夏枯れ状態でした。しかし、つくば実験植物園の稀少植物を中心に約140品種ほどの花木や鳥の撮影ができました。毎月恒例の記録として約10回に分けて投稿します。
<本日のバラ イングリッドウェイブル> 2023/10 柏の葉公園
系統:F(フロリバンダ) 作出:1980年 タンタウ(独)
鮮やかな朱赤の半八重の花を房咲きに咲かせます。花もちが良く、退色も少なく美しい色彩が長く保たれます。枝は横張りに伸び、背はあまり高くならずコンパクトな樹形となります。
原産地は北アメリカ。近縁種のヤグルマハッカを含め、ビーバーム、ベルガモット、モナルダと呼ばれます。
名前のように、鮮明な赤い花が盛り上がるように咲き、苞も赤く色づきます。品種が多く、花は赤のほかにも、桃色、白、紫など多彩です。
花と葉がミカン科のベルガモットオレンジと似た甘い香りを持ち、ベルガモット、またはレッドベルガモットとも呼ばれます。
花の香りが良く開花時期が長めなため、養蜂家の蜜源植物として利用されておりビーバームとも呼ばれています。
<タイマツバナ(松明花) シソ科ヤグルマハッカ属(モナルダ属)>
7/3 あけぼの山農業公園
ヨーロッパ~北アジア、西アジア北部~中央アジア北部にかけて分布するキク科コタ属の常緑多年草です。
名前にカモミールとついていますが、ジャーマンカモミールとは別種になり、花の形が似ている程度で、姿は似ておらず香りもほとんどありません。
「染物屋のカモミール」という名前の通り、花からは黄色の染料が採れ、草木染めとは思えない鮮やかな黄色を発色します。
<ダイヤーズカモミール(紺屋加蜜列) キク科コタ属>
7/9 つくば実験植物園
アルプス山脈など高地に自然分布する耐寒性多年草の野草です。日本には、明治初期に牧草として輸入され、野生化しました。
6~8月、真っすぐ伸びた茎の先端に赤紫色の蝶形花を咲かせます。
花色もキャンドル状の花形も、とても可愛らしい花です。草丈は約60cmで、幅は約40cmほどです。
<タイリンレッドクローバー(大輪レッドクローバー) マメ科シャジクソウ属>
7/9 つくば実験植物園
ヨーロッパの北部が原産です。石灰岩質の草地や耕作地に生え、高さは50~150センチほどになります。
古くから野菜として栽培され、若い葉はサラダ、花はサラダや砂糖漬け、つぼみはピクルスそして根は焙煎してコーヒーに利用されます。
7月から10月ごろ、淡いブルーの花を咲かせます。半日花です。和名では「キクニガナ」と呼ばれます。
<チコリー(菊苦菜) キク科キクニガナ属>
7/9 つくば実験植物園
中国南部の雲南省原産で、一度咲くと300日咲き続ける、とも言われるバショウ科の多年草。日本ではまだ流通量が少なく、珍しい植物です。
日本で知れ渡った機会は、1990年の「大阪花博」で、この時の目玉植物として展示されたことで日本でも栽培が普及したといわれています。
「地面から湧いてきた金色のハス」という意味から付けられた名前です。
<チユウキンレン(地湧金蓮) バショウ科ムセラ属>
7/9 つくば実験植物園
約24種類が南アフリカに分布する球根性植物。日本ではビオラセアとフラグランスの2種類が出回りますが、一般的にはビオラセアをよく見かけます。
アガパンサスを小型にしたような草姿で、すらりとした立ち姿が美しく、シンプルですっきりした印象を受ける花です。
初夏~夏に花茎の頂点に星形の花を放射状に十数輪付けます。花色は淡いすみれ色、白などがあります。
和名をルリフタモジ(瑠璃二文字)といいます。 「二文字」はニラのことで、つまり、瑠璃色のニラということです。
<ツルバキア(瑠璃二文字) ユリ科ツルバギア属>
7/9 つくば実験植物園
南アフリカのハマミズナ科の多年草。4~11月頃、菊に似た光沢がある鮮やかな濃桃色の花を多数つけます。
本種は、茎がほとんど立ち上がらず、葉が短く、透明な突起に覆われており、花弁はやや隙間が多く、外側にそり気味に開きます。
類似の「マツバギク」は、茎が立ち上がり、葉が細長く、花弁は幾重にも重なって隙間ができず、ややすぼまりぎみに開きます。
<デロスペルマ・クーペリ(耐寒性松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属 >
7/9 つくば実験植物園
黒島、トカラ列島と奄美大島、徳之島、沖永良部島に生育する固有種で、アジサイ科の落葉低木です。
白い大きな花弁のように見えるのが装飾花と呼ばれる萼で、小さな粒粒のように見えるのが両性花です。
アジサイと本種の顕著な違いは、本種の方が葉が細いことと、花びらが3枚でアジサイは4枚です。しかも花びらにギザギザがあります。
<トカラアジサイ(吐喝喇紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
7/9 つくば実験植物園
原産地のインドシナ半島やアフリカで約40種が知られています。スミレに似た小さな花は可憐で、夏から秋の長期間にわたって花を咲かせ続けます。
花色も豊富、カラフルで暑さや乾燥に強く、育てやすいことから、夏の花壇に人気の草花のひとつです。
花形は唇形で花色が野生のスミレに似ていることから別名にナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)といわれています。
<トレニア(夏菫) アゼトウガラシ科ツルウリクサ属(トレニア属)>
7/3 あけぼの山農業公園
インド原産の野菜。日本には奈良時代に中国から伝わり、古くから日本人に親しまれた野菜のひとつです。春から夏に育てる野菜として人気があります。
花は状態が良い時は、花色がきれいな濃い紫色で、花の中心にある雌しべが雄しべより長くなります。実の形や大きさは様々で、丸や卵、中長、長形など種類が豊富にあります。
栄養面で特記すべきものはありませんが、食物繊維は多く含まれています。果皮の紫色は「ナスニン」と呼ばれる色素で、ポリフェノール類に属します。
<ナス(茄子) ナス科ナス属>
7/3 近所の畑
中国の中南部を原産地とし、江戸時代に種子から蝋を採る有用樹として長崎に渡来したものが、後に街路や公園に使われるようになりました。
開花は5~7月で、枝先に黄緑色をした小花が、長さ5~15センチの穂状に連なって咲きます。
秋に熟す果実は黒褐色の殻(種皮)に覆われているが、寒くなるにつれて殻が割れ、中からポップコーンのような三つの種子が飛び出します。
「ハゼと同じように蝋が採取できる中国の木」という意味合いで命名されたという説が有力です。
<ナンキンハゼ(南京櫨) トウダイグサ科ナンキンハゼ属>
7/3 北柏ふるさと公園
シソ科ハッカ属の多年草で日本各地に自生しているミントの一種です。
花は双生する葉の付け根に、段々の房のようにかたまって咲く小さな薄紫の花です。花期も長く、9月ごろまで次々と咲き続けます。
ミントは140種以上ありますが、大きくわけると西洋ハッカはペパーミント、オランダハッカはスペアミント、そして本種はクールミントに分類されます。
本種が数あるミント類の中でも最もメントールの含有量が多く、清涼感のある爽やかな香りがします。
<ニホンハッカ(日本薄荷) シソ科ハッカ属>
7/9 つくば実験植物園
カメルーン等のアフリカ原産のサトイモ科ネフティティス属の常緑多年草です。草丈は60 cm程です。
花は肉穂花序で上下二段に分かれ上段が米粒が集合したような白(雄花)で、下段は粒々状の黄緑(雌花)です。
花後に濃緑色の丸い果実が成り熟すと橙色になります。葉を楽しみむ観賞植物としたり、鉢植え、路地植えにされます。
<ネフティティス・ポイソニー(実) サトイモ科ネフティティス属>
7/9 つくば実験植物園
東南アジアやマダガスカルなどの亜熱帯地域や、北オーストラリアに分布するつる性の食虫植物です。
土に栄養がない場所や厳しい環境でも自生し、栄養を補うために虫を捕獲できるよう進化したつる性の食中植物です。
葉っぱの真ん中を縦に走る脈(中肋)が長く伸び、その先端がつぼのようにふくらんで捕虫袋になります。そこに落ちた虫は消化されて栄養になります。
大きく分けて2つの種類に分けられます。一つは標高の低い土地に自生する「ローランド種」、もう一つは、標高の高い1,000m以上の山に自生する「ハイランド種」です。
ローランド種は日本の気候にも耐えられる品種が多く、暑さに強いのが特徴です。そのため日本国内に流通しているウツボカズラ(ネペンテス)の品種の多くは、ローランド種となります。
<ネペンテス(靫葛:ウツボカズラ) ウツボカズラ科ウツボカズラ属>
7/9 つくば実験植物園
熱帯から亜熱帯地域に自生するつる性の多年草で、沖縄では海岸付近に旺盛に繁茂しています。
花はアサガオと似ていますが、アサガオは一年草で、本種はつる性の多年草で、そのつるが10m以上に伸びます。
近年では、猛暑対策で緑のカーテンとして利用されることも多いです。オーシャンブルーやクリスタルブルー、琉球アサガオの名でも流通しています。
一年草のアサガオと比べて格段に強健で、10数mもつるを伸ばします。開花期間は長く、霜が降りる11月まで咲き続け、10月上旬ごろに花数が最も多く、美しくなります。
<ノアサガオ(野朝顔) ヒルガオ科サツマイモ属>
7/3 北柏ふるさと公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「7月の花のアルバム(5)」15品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「7月の花のアルバム(6)」に続きます。
>難しかったです... への返信
なつみかんさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
今回はなつみかんさんが苦手の、ヨコモジ希少品種が多く紛れ込ん
でしたので苦戦したようですね。
タイリンレッドクローバー、私が行ったときは花が終わっていたの
で、写真を撮るのを止めようと思ったんですが、せっかくなので投
稿しました。大変失礼しました。m(__)m
チコリは昨年初めてつくば実験植物園で見た花です。大きな木にた
くさん咲く花はとても美しくて壮観です。
この間はほとんど分かったので自慢してしまいましたが、今回は惨敗です。
一応9種類は分かったのですが、あとはさっぱり。
でも、タイリンレッドクローバーはちょっとずるいですよ~
さすがにハナゴノスガタでは分かりませんでした。
今回の花の中ではチコリが一番好きです。
藤色のアキノノゲシという風情ですね!
>懐かしいチコリー... への返信
ピエロさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
イングリッドウェイブルは四季咲きなので、ツルバラではないと思
われます。鮮やかな朱色がとても美しいバラですね。
チコリーはつくば実験植物園で毎年見ていますが、木丈が2メート
ル以上あり、花もたくさん咲きますね。とても見ごたえのある花で
す。
ウツボカズラ、虫が迷い込んだら二度と逃げられないようになって
おり、虫にとっては地獄の底に迷い込んだようなものですね。(笑)
>待望の雨が降りました... への返信
英和さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
お久しぶりですね。名古屋は8月に入ってから20日以上35℃以
上の猛暑日が続いているようですが、大丈夫でしょうか。
バラと言えば、赤が定番ですね。でも、写真を撮るのが難しいのが
赤色なので、いつも苦戦しています。
今回はネペンテスのいろいろな品種を並べてみました。同じネペン
テスでもいろいろな形があり面白いですね。虫を食べる工夫をされ
ているのも面白いと思います。
野菜や果物もこの暑さで収穫量が減っているとのニュースをよく目
にします。そして今度は米不足で、スーパーのコメ売り場からは米
が消えて、あっても値段が大幅にアップしており、困ったものです。
>だんちょう... への返信
だんちょうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
チユウキンレン、私のブログには毎年登場してます。大きくて面白
い形の花なので、とても目立ちますね。
5月頃から咲き始めているので、もうすでに100日以上咲いてい
るので、そろそろ終わりかもしれませんね。
トップの鮮やかなバラ イングリッドウェイブルはツルバラなの?
チコリーの花が好きで毎年種を蒔いていました。
背は高くなるしあちこち伸びてまとまりが無いけれど花色もいいし好きです。
ウツボカズラって不思議な形してますよねぇ。
Ninbu さん、こんにちは。
暫くぶりです。
真っ赤なバラ、素晴らしいです。
他の花にも活力を感じます。
「食虫植物」
不思議ですよね。なんで植物が
昆虫類を食べるのでしょうか。
いつも疑問が絶えません。
今年は 果物 野菜類は
ほぼほぼ 全滅の様子です。
愛知では1ヶ月振りに待望の
雨が降り生き返った気分です。
息絶え絶えだった ノアサガオ、
やっと活力を取り戻した感じです。
|
こんにちは!
チユウキンレン凄く大きくて立派なお花ですね!
見たことがありませんね。
花々もそろそろ終盤でしょうか。
これからは菊化の花が目立ちますね😚😚